Ecosiaのポルノ検索事情についての憶測をもうちょっと丁寧にしてみた

最近、1回検索するごとに木を一本植えてくれるという、地球にやさしい検索エンジン「Ecosia」を使い始めたのですが、先日ちょっと気になることが起こりました。

とある課題で、自分にとってのロールモデルは誰か、という問いに答えなければならなかったのですが、私にとってのロールモデルが思いつかず「women role model」「女性 ロールモデル」で検索していました。

ちなみに、英語で検索すると、現代や歴史上で活躍している（た）様々な、主に英語圏の女性たちが一覧となって紹介されているページがいくつも出てくるのですが、日本語で検索すると「日本に「女性リーダー」が生まれない深刻な理由」とか、「「ロールモデル」から考える女性のキャリア」といったロールモデルの存在やそれ自体についての話が出てきました。しかしロールモデルになりうる女性の一覧といったものはなく、欲しい情報とは違うな…という感じでした。

そこで、日本限定の女性のロールモデルを探すため、検索ワードを「日本 女性 ロールモデル」に変えることにしました。私は、日本、女性、まで打ったところで、検索窓の下に表示される検索候補の言葉に衝撃を受けます。

オオウ・・・・。まじか。

不快な気持ちになりつつ、これはGoogleで検索しても同じなのだろうか、と疑問に思って試してみました。

あ、Googleはマトモだ。Googleがというより、Google検索のユーザーが、でしょうか。

最初のがまあまあの衝撃だったので、聞いてよ～！おかしくない？というノリで、自分のInstagramのストーリーに投稿しました。Ecosiaで「日本 女性」を検索したときの写真（最初の画像）をのせ、「日本でこの検索エンジンを使っている人があまりおらず、他の言語で調べている人たちが「日本 女性」で調べるときはそういうこと（ポルノとか）を調べることが多いから、それが反映されてしまったのか。検索手助け機能は良いことだが、普通に検索しているのにこういうものが候補に出てくるのはどうなのか。ハラスメントの一種では…」といった内容です。（個人の感想です）

ストーリーの2枚目には、「Ecosia自体はいいやつで、検索するほど木を植えてくれるからみんなもぜひ」と宣伝してみましたが、あまり効果的な宣伝とは言えませんでしたね。

ちなみに、憶測の理由は、もちろん日本のAVが世界中に普及しているから、とか日本のAVによって日本人女性に対してそういうイメージを持つ人もいる、といったことを聞いたことがあるからだったのですが、よくよく考えると、憶測といえども、ああいう風に言ってしまうのは早合点すぎるなと思い直しました。日本女性が、と言い切る前に他の国名の検索結果も調べる必要があるし、男性の場合、英語検索の場合も調べるべきです。

というわけで、EcosiaとGoogleにおいて、国名、性別、検索言語によって検索結果候補の表示がどう変わるのか調べてみました。

Ecosiaの場合

まず、前提として私はEcosiaを使い始めたばかりなので、ここで検索した言葉はすべて初めて検索したものです。念のため言っておきますが、私の検索履歴の反映ではありません（真剣）。

◇日本語検索バージョン

そもそも「女性」「男性」と検索した場合でもこういう結果が出るようです。ぱっと見「男性」の方が露骨ですが、「女性」のほうのマチ子というのが女性向けアダルトサイトのことでした。

続いて、「国名、性別」の場合。使用した国名は適当に選びました。

・日本

・韓国

・中国

・アメリカ

・イギリス

・フランス

他にもいくつかの国を調べていますが、どれも同じような結果だったのでここには示していません。

これで、検索候補の性別の違いが明らかになりました。

Ecosiaは、「国名 男性」で検索すると、そのあとの語の候補は「名前」「歌手」や国によってはアイドルだったり髪型だったりと普通ですが、「国名 女性」で検索すると、そのあとに続く語の候補には「割れ目」や「陰部」といった性的なワードが含まれており、特に日本と韓国は顕著です。（なんやワレメって）

◇英語検索バージョン

（今までのも普通にスクリーンショットでとればよかったですね…）

英語の場合、「women」と検索しただけでまず最初に性器の写真が候補にあがります。「men」の場合、設定が日本だからか関係ない語が出てきてしまいました。

続いて国別。

・日本

men のほうのvirginが微妙ですがあとは概ね大丈夫そう、と思いましたが、womenのほうのトップ候補はポルノの内容だったようです。

・韓国

男女ともに大丈夫そうに見えましたが、すみません、bj がポルノのコンテンツでした。

・中国

概ね大丈夫そうです。候補がなかなか気になる内容ですが…。menの最後の候補は露出魔という意味でしたが、ポルノというより何かの事件っぽいのでスルーします。

・アメリカ

・イギリス

・フランス

欧米3か国は男女ともに問題はありませんでした。

以上より、英語検索の場合、japanese もしくは korean womenのあとにはポルノコンテンツが真っ先に候補に表示されますが、他の国や男性ではそういったことはありませんでした。

Googleの場合

結論から言うと、日本語でも英語でも、どの国名でも男女ともに問題はなかったため写真は省略しています。

◇日本語検索バージョン

国別も、「国名 性別」のあとの候補は大体似たようなもので、「人口」「平均身長」「平均寿命」「社会進出」「就業率」…といった普通の語でした。

◇英語検索バージョン

women/menも問題なく、「国名 性別」のあとの候補も、womenであれば "fashion”, "diet", "names", "style", "tennis players"など、menの場合、アジア3国とフランスは"hair"や”fasion”, "style"など、米英は映画の名前やスポーツ名が候補に挙がっており、こちらも問題ありませんでした。

結論

・Ecosiaにおいて日本語で、「国名」と「女性」というワードで検索すると性的なワードが候補に挙がり、それは日本と韓国のときに顕著。

・Ecosiaにおいて英語で、"Women"というワードを検索すると、性的なワードが候補に出る。また、日本と韓国の国名をつけるとポルノコンテンツが候補に出るが、ほかの国では出なかった。

・Ecosiaにおいて日本語で「男性」と調べたときに一部陰部の用語が出てくる以外、日本語、英語ともに、「男性」または"men" 、加えて「国名」で検索したときに性的なワードは候補に出てこなかった。

・Googleでは検索ワードが日本語・英語、男女、国名に関わらずポルノや性的消費を示す言葉が検索候補に出てくることはなかった。

以上より、Ecosiaにおいては「女性」というワードはエロコンテンツの検索ばかりに使われているのかもしれない、と考えられます。最初に私は（AVで有名だから）「日本人女性」がそういう対象のワードとして検索されがちなのでは、と憶測していました。確かに日本は韓国と共に、出てくる検索候補語が一番露骨でしたが、他の国名のときも出てきていたので、そもそも「女性」というワードがそういったワードと結びついてしまっているようです。

Ecosiaは地球にやさしいツールで、まだそこまで普及していないため、環境倫理などの意識が高い人たちが利用していると思っているのですが、検索数の多いものから検索候補語として出てくるという前提で考えると、そういった人たちがポルノの検索ばかりしている（のかもしれない）のは意外でした。

日本語での検索において候補語がより露骨ですが、日本人（日本語使用者）がわざわざ「ヴァギナ」を日本語で入力しないと思うので、私はEcosia日本人ユーザーがそれらをめちゃくちゃ調べている、とは思っていません。訳されたものでは、と思いました。

また、それまで男性だけを検索している主体だと思っていましたが、Ecosiaで「女性」を入れたときに女性向けアダルトサイトが候補に出てくるので、Ecosia女性ユーザーも結構検索しているのかもしれません。ただ、彼女たちは、ポルノ検索時に「男性」というワードはそれほど使っていないため、Ecosiaで「男性」という語を入れたときの候補にそういったものが出てこないのでしょう。

また、Googleユーザーはポルノをそんなに検索していないのかというと、それは不明です。推測するに、Googleでも同じくらい「女性」というワードを使ってポルノ検索はされているが、その多くはシークレットタブで行われているため、検索候補になりにくいのではなかろうか…(笑)

もしくは、本当は検索候補語に出るくらい検索数は多いが、Googleがそれを表示しないようなんらかの規制をかけているとしたら素晴らしいです。検索したきゃすればいいですが、候補に挙げられてしまうと、そのつもりのない人に不快感を与える可能性があると思います。できるのであれば、Ecosiaもそのような仕組みを導入していただきたい。せっかく良い検索エンジンなので。

ちなみに、私は今後もEcosiaを使うつもりです。今回でEcosiaの細かい部分での未熟さが分かり、今後もこういったことが起こる可能性は覚悟した上で、（間接的に）木は植えていきたいと思います。

以上、突発的なInstagramストーリーよりはエビデンスをそろえてモノを言ってみました。あくまで自己満足でやったことですが、気になる点があれば優しくご指摘ください。