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少々所得が多いなら、余計に家計管理を

 「家計簿記帳」を得意とする出版社と取引があり、家計簿記帳にかかる資材を作ったり、講師を担当したりしたことがあります。

 なぜかと言えば、家計簿とは、家計における財務諸表の一つであり、いわば収支を測る損益計算書に近しいものであるからです。

 当然、家計は、「収入>支出」でないと早晩、破綻しますし、また、「収入-支出=貯蓄」という計算が成り立つことから、貯蓄部分から保険などへの金融商品加入が可能となり、その計算過程を明らかにする必要があったからです。

 主婦向けなどの雑誌では、家計簿記帳の記事は結構な人気があると言います。

 主婦などは、家計を預かる身ですが、収入そのもののコントロールはあまりできず(つまり、収入の増加・減少に関与できない)、その代わり、食費などの生活費の節約には相当な威力を発揮できるからです。

 つまり、家計簿は、その記帳を通じて、家計費の節約に効力があるのですね。

 みなさんの中には、家計簿を付けるのは、収入の少ない方中心じゃないかと思っている方はいませんか。

 収入が限られた方は、当然、やりくりが必要になりますから、必然、家計簿記帳に目が行きやすいのは事実です。
 ※そういうことに目が行かない家の家計は残念ながら、厳しい結末を迎えますが、差し迫った脅威を感じているため、意外に家計管理をするようになるものです。

 じゃあ、とても収入が多かったり(フロー・リッチ)、とても資産が多かったり(ストック・リッチ)、というご家庭は、いわゆる左うちわで、家計管理なんてする必要がない、と思われるでしょうか。

 実は、そうでもないのです。

 収入や資産の多いご家庭ほど、お金にシビアであるケースが多く、「無駄なお金は使わない」、「どうせ買うなら、1円でも安く、ただし、どうせ買うなら、より良いものを、1円でも安く」というような「1円の節約は1円の収入に匹敵する」を地で行くような考え方を取っていることが多いのです。

 かのロックフェラー財閥を築いたかのジョン・D・ロックフェラーは、その日の床に就く前には、「最後の1セントに至るまで」その財務諸表で把握していたと伝えられていますから、なるべくして大金持ちになったのだなと感じます。

 仮に、1ドル=100円とすると、100セント=1ドルですから、日本円に直すと、「最後の1円に至るまで」という感覚です。

 ロックフェラーは、当時のお金で、年収100万ドル(≒1億円)を優に超えていたわけですからね。
 ※ちなみに、日本で「億万長者」というのを米国では、「ミリオネイア(百万長者)」というのは、この貨幣価値にもとづきます。

 こうしてみると、つつましい方も、大金持ちも、家計管理・金銭管理をちゃんとやっているようです(例外はいるでしょうけど。)。

 ところがですよ、FP業界では、その中間の中途半端に収入が多い方(例:年収一千万円クラス)が、逆に家計管理上、ヤバいケースが多いと言われています。

 ある程度収入があるから、何とかなっちゃうだろうと、家計の引き締めを行わず、支出ダダ漏れになるケースがあると言われています(これを読んでいる人はきっとそうでないと思います(たいです)。)。

 年収一千万円クラスなのに、専業主婦家庭、かつ住宅費(ローン)・教育費(中学から私立)などの支出ダダ漏れで、貯蓄はほぼなし、なんてケースが、本当にままあるのです。

 油断大敵の典型例ですが、こういうご家庭こそ、家計簿記帳の出番ですよ(^^)/。

 収支のコントロールができれば、急速に家計は改善しますから、悲観しないでね(^^)。

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