VR界隈のコンテンツ保護事情を理解したい

気持ち・お断り

著作権法むずかしくてよくわからないです。
でもVR界隈で常に話題にあがるし、1ユーザとしてみんなが目指す方向性くらいは理解したいと思うのです。その痕跡を書き残します。
間違っていたらごめんなさい。

前置き・どう考えるか

VRChatをプレイしているとどこかで見たキャラクターが闊歩している。

漫画やアニメのキャラクターを独自に立体化・配布している場合、何かあれば版権元の企業が法律で殴ってなんとかできる。素人目には非営利かつ版権元の利益を害しているとも言いづらそうではあるが、きっと経営と法律のプロが落とし所を見つけられる。

個人が特定のプラットフォームでの使用を想定し販売している人気の3Dモデルを当該プラットフォーム上で不特定多数が利用可能な状態にしている場合、クリエイターの利益を害している可能性が高く思える。
個人でなんかとするのは難しいので、仕組みで守られないと業界が縮退してしまう。

では如何にクリエイターの利益を保護するか。
思いついた3つの想定モデルを考えてみた。

1. 完璧ガードモデル
2. みんなで頑張ろうモデル
3. プロがやれモデル

本題

1. 完璧ガードモデル

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・VRプラットフォームのサービスプロバイダーに閉じたリソースの管理
・電子書籍みたいなやり方

😀:ユーザがデータ抜きにくい
🤔:データ使用方法がプラットフォーム依存
🤔:プラットフォームの負担が大きい
😱:プラットフォーム間で共有できない

バーチャル空間のリソースはプラットフォームを跨いでの利用やある創作の一部としての二次的な利用が想定される。例えば、VRSNSでのアバターは人格形成に大きく影響していることもあり共通化したい。また、広大な空間の創出や、スキルの不十分なユーザの差別化には改変や合成による多様化をしたい。もちろんそれらもクリエイティブな活動には違いないので促進したい。

そんな要求を満たすのがことごとく難しい。
現状このモデルでうれしい人はいない。

2. みんなで頑張ろうモデル

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・クリエイターの定義したライセンスを各々で遵守努力
・多くのSNS同様、コンテンツはアップロードしたユーザが責任を持つ

😀:特定のプラットフォームに依存しない
😱:個人(クリエイター、ユーザ)に知識が必要
😱:悪意のあるユーザによる違反は親告ベース

この方向が現実的かつ理想に近い。
現行プラットフォームもこんな感じ。
過渡期に自由な創作活動を妨げることがなく、サービスの新規参入もしやすい。

ただライセンスの知識やプラットフォームの仕様に関わるIT知識が必要で、個々人のハードルが高くなる。
また前置きで述べたとおり個人で考えるにはライセンスを作る側も守る側も負担が大きい。
できる限り負担を軽減する努力が欠かせない。

例えば、ソフトウェアに適用されるGPLやMIT License、著作物全般に適用可能なCCなど汎用ライセンスはハードルを下げる役割を果たしている。
VR界隈においては、2019/12/14のバーチャル学会で発表されたUni-Virtual Licenseがそれになると期待されている。
VR界隈だと、モデルの改変を認めつつ、ユーザによるプラットフォームへのアップロードや、プラットフォームからの不特定多数へのRead-Onlyな3Dデータの送信が必要で、クレジット表記などはアップロード先のプラットフォームに依存してしまうのが一般的だが、それらをうまく許容しながらうまく利益を守れる汎用ライセンスにしてくれるはず。

VRMというモデルファイル形式では、ライセンス情報をモデル自体に体系立ったメタデータとして組み込むことで、ユーザによる確認やプラットフォームにおける検証に役立てられるようにしている。
これで素人故の確認漏れでの事故なんかは防げてエンドユーザは少し安心できる。

ライセンスの中身や持ち方が標準化されてくれば、悪意あるライセンス改変なんかも防ぐ手立てが考えられるかもしれない。

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3. プロがやれモデル

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・売りたい人はストアにアップロードするだけ
・使いたい人はプラットフォームにアップロードするだけ
・あとはサービス側が頑張る

結局標準的なライセンス体系がないとプラットフォーム内で検証することなんてできないため、プラットフォームからストアへの使っていいかの問い合わせが発生する。問い合わせに必要な手続きを定義するのは大変な割りにサービス側に旨みは少なくみんなで手を組んでまでできない。

サービスが乱立するくらいバーチャルが当たり前な世界にはあるかもしれない。

とりあえずまとめ

がっちがちに守ってもらうのは、創作のしやすさとのトレードオフなんだろうけど、多くの人がなんとか創作を妨げない方向に舵を切ろうとしている。

僕もその先に素敵な未来があると思ってる。

その方向に進むにはエンドユーザのライセンスに対する理解が必須なので、みんな頑張ろう。

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