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さまよう青年を送迎した記念日

2023年10月9日 月曜日。

どうしても必要なものがあり、
夜10時過ぎから近くのドラッグストアへ行った。

なぜかここ数日CHAGE&ASKAにどハマり。

買い物帰りの車内も、もちろんチャゲアスの曲を流し大熱唱していた。

帰り道の途中、突然歩道から手を挙げた学生らしき男性がいた。

文字にすると伝わらないのが悔しいが、ハッと息をのむほどビックリした。
歩道の木と木の間から必死な形相の人間が
にょきっと出てきた図。

ひとりで運転だし、何かあったら怖いと思い一瞬通り過ぎようと思った…

でも、ふと青年の表情を思い出すと明らかに困った感じの顔だった。

うーん

うーーん


うーーーん

シンキングタイム


数秒迷った挙句、話だけ聞こうと車を停めた。

学生さんらしき青年は走ってきて、
「すみません…!
ここってタクシー通らないですか?」
と恐る恐る尋ねてきた。

この場所は大学病院辺りだが、夜はほぼ人気がない。タクシーも病院内なら停まってるかもしれないが街灯も少ないので怖い。

話を聞くとモノレールの駅まで行きたいとのこと。
駅まで車で5分だし、道の説明をするより送った方がいいと判断し乗せることにした。

青年は深々とお礼を言い車に乗った。

話を聞くと、千葉から旅行で来て学生時代の友人に会いにきたそうな。

24歳、社会人。
見た目はどうみても、20歳の学生だった。
顔立ちも韓国俳優にいそうなイケメンさん。

友人宅で楽しんでいると、友人の彼女がこれから来ると言い出したそうな。
すると友人が
「悪い。帰ってくれ🙏」と言い放ったそうな。

いや、かわいそう!
那覇ならまだしも、決して繁華街といえない地域に放たれた千葉県民は泣くぞ。

絶賛チャゲアスブームの私は、
「今からそいつ殴りに行く?」と言いかけたが
24歳に伝わるか不明なため断念した。


私も恐る恐る乗せたが、結果青年はとてもいい人だった。
沖縄の人はほんと優しいとか、みんなうちなータイムなのかなどコミュ力も抜群だった。

一日の終わりに人助けができて心が
晴れやかだった。
ただ、最後に言われた一言が帰宅後も思い出しては切なくなる。

車を降りた際、青年が
「ほんとうにありがとうございました!
友人にも『素敵なお母さんが助けてくれた』と
伝えます!!」
と言った。


そうか…。
わかっていた。
わかっていたつもりだったけど、
24歳からみた38歳は母世代なのか。

人助けをした清々しい気持ちと、現実を後頭部に投げつけられた気持ちの間で揺れている。

fin

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