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辿り着いた先は..

気づけば追ってくる何かから必死で逃げていた。呼吸がままならない中、走る視界に映るのは、雷が落ちて燃え盛る家々、大きく分断された橋と橋を結ぶ今にも崩れそうな小さな梯子の上を誰かが慎重に慎重に渡っている、そんな絶体絶命の光景だった。その光景を横目に見ながら、わたしは必死になって追いかけてくる何かから逃げていた。呼吸するのがやっとな状態の中、足をおぼつかせながら、ただひたすらに道を走っていた。すると、見覚えのある赤瓦の屋根の家が見えて来た。
ここは、、、。

ゴーン、、、ゴーン、、、ゴーン、、、
赤瓦の屋根のお家の道向かいにある教会の鐘が、あたりに鳴り響いている。教会のすぐそばにある、園庭から7人の子供たちが急ぐように、次々と塀をよじ登っている。
「早く早く!教会の人に見つかっちゃうよ!」「にげろー!」
「いそげー!」
一人、また一人と教会を囲む塀を登って、赤瓦の屋根のお家に入っていく。すると、
「おにぃちゃーん!つかまれないー!」と小さな女の子の今にも泣きそうな声が聞こえて来た。
どうやら、一番下の子が一人で塀を登ることが出来ず、助けを求めているようだ。
膝の下と、腕に擦り傷がいくつかあった。
おそらく、自分でジャンプして塀に捕まったが、力が足らず、落ちたのだろう。

「だから、ごーさんにおぶってもらえって言ったろー!」
上のお兄ちゃんが一度登った塀を、
跨いで助けに来てくれたようだ。
塀の中まで来ると、肩車で女の子を
塀の上まで持ち上げると、
今度は別のお兄ちゃんが、塀の反対側で
女の子を抱き抱えた。
「ほら、泣くな?
擦りむいたところ、洗おう!」
「それより、まるちゃんもう始まってるよ!
みんなでまるちゃん見ながらご飯食べよ!」
「よし!帰るぞー!」

さっきまで不安げな泣き顔だった女の子が、
嬉しそうに助けに来てくれたお兄ちゃん達を見てニコニコしている。
女の子は、そのままいちばん上のお兄ちゃんに抱き抱えられて赤瓦の屋根のお家の中に入って行った。

「ただいまー!!」

ここで目覚めた。
枕元の時計を見ると、4:51と表示されている。
夢か。、




追ってくる何かは、見えないが、
大体予想はついている。




わたしの夢(目標)は、いつかこの真相を
話せる誰かに出会うこと。

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