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自分でかけられる魔法


私が好きなブランドは、ラテン語で“ドレス”という意味らしい。

昔から服が好きだったけど、自分なりのファッションというものを意識するようになったのは社会人になってこのブランドと出会ってから。
出会ったきっかけは、今は無きプランタン銀座で偶然このお店に入ったこと。
そして、そこで一人の店員さんと仲良くなったこと。
ここの服はとても素敵なんだけど、私からすると価格は高価。
それでも馴染みの店員さんができるとブランドに愛着が湧いて、クローゼットにこのブランドの服が増えていった。
ところが、その店員さんは別の店舗へ異動してしまう。
そしてプランタン銀座も無くなってしまった。
それから少しずつこのブランドとの距離もできていく。


でも今年、このブランドと再会を果たした。
スプリングコートが欲しかった私は、友達といつも一緒に買い物をするエリアへ出向いた。
アウターは高価でも良いものを長く着たい。その願望を叶えてくれるのは…と考えた時に昔通っていたストラを思い出した。
プランタンが閉店してしまってからしばらく通っていた別の店舗。
当時、顔馴染みになりつつあった店員さんの姿を見つけて本当に久しぶりに足を踏み入れた。
友達と私の姿を見つけるなり、その店員さんはすぐに「お久しぶりですー!!」と笑顔で出迎えてくれた。
正直、覚えていないだろうと思ったからとても驚きつつもすごく嬉しかった。
お目当てのスプリングコートは、ちょうど素敵な物があって迷うことなく購入した。


久しぶりにストラの服に袖を通して、ワクワクする感覚があった。
色が絶妙で、形は細かい所まで拘って作られている。
着ると背筋がシャンとするようなそういう洋服たち。
それなりの年齢になってきて、自分への投資として自分を高めたくなるような服を手に取るっていいなと思った。
コロナでなかなか外出ができなくなってしまったけど、だから余計に出かけられる時はお気に入りの服を着て最高の気分で出かけたい。
ストラの服を着るとなんだか自信が湧いてくるような感じがして、着ていて心強くもある。
お気に入りのブランドの服って、そういう不思議な力があるのかもしれない。


そして、馴染みの店員さんの存在もとても大きい。
ある日、その方が接客を終えてお客さんを見送る場面に遭遇した。
その方はお客さんの姿が見えなくなるまでずっと店の外でお辞儀をし続けていた。本当に見えなくなるまでずっと。
その丁寧さにとても感動した。
購入した商品はどれも把握してくれていて、私より覚えていてくれている(笑)
好みもよく理解してくれているから、オススメされる商品がより良く見える。
プロの目線の的確なアドバイスと、買い物を楽しくしてくれる心遣いはさらにファッションを好きにさせてくれる。
こんなに素敵な店員さんに出会えて良かったととても思う。


ファッションは自己満足だと思うし、それでいいと思っている。
このご時世、自分がワクワクできることを日常に増やすことがますます大事になってきた感じがする。
お気に入りの服は自然と気持ちを上げてくれる。
これからも自分のために私はファッションを楽しみたい。