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切り絵→版画→粘土→模型→羊毛

模型トーナメントはファイナルではなかった。

前回の記事を思い出したように上げたのは、最終トーナメント戦開催が発表されたからでした。
ファイナルとは?!ラストバトルとは?!しかし開催を宣言されたからにはエントリーです、なんたって今までの大会に全部参加しているから。ここでやめたら勿体無い、漢を見せなくてはです。

さて、まず簡単におさらいから。
切り絵から始まった一連のアーティスティックバトル。これはツイッターにスペース機能が実装されあちこちでグループ的な物が出来た頃、ある程度の固定メンバーが集まる中メインホストの一声により作品を出し合い忖度なしガチバトルをする事に、そのジャッジ方法も今まで体験した事のないスタイルでなんかもうリング上が煌めいていた(多分)。
お祭り騒ぎは楽しいからというのもあるかもしれませんが、主催者(メインホスト)含めほとんどの参加者がやった事の無いお題目というのが一番の面白ポイント。全てはそこからでした。
※模型は全員の得意分野ですが、当時これが最終戦だったのでそれなら一度くらいは得意な物でと開催されました。
そして今回真のラストバトルという事で、またもやほとんどの仲間内がやった事の無い羊毛フェルトが題材となったわけです。

それとこの闘いにはもうひとつ特徴があり「あまりお金をかけなくてもなんとかなる」お題チョイスなんですが
切り絵→みんなデザインナイフやカッターマット持ってるから紙用意するだけでOK。
版画→家族に彫刻刀借りる、無くとも割と道具や材料は低価格の物が販売されている…けど誰かお高い彫刻刀揃えてなかった?
粘土→一応粘土の種類的に低価格でいける…はずなのにスパチュラセットとかスカルピー(高い粘土)とか果てはオーブン買った人いたよね?!
模型はともかく、羊毛フェルトも100均で材料が揃えられる割と低価格帯……え?みんなガチの針買うの?羊毛どんだけ買うの?!大丈夫??
フェルティングニードル経験者の私は見ててちょっとだけ心配でした(笑)羊毛ってなかなか減らないんですよ、キットの物でも余るように入ってますし。
大人の本気は凄かった。本当にすごかった。

今回のトーナメントルールはこちら
作品サイズ自由
公にアップできる物なら題材問わず
異素材使用は自己判断で作品の30%まで
写真判定2枚まで
ジャッジは参加者全員が対象
……要はニードルフェルトならばどんとこいです。
対戦カードはくじ引き、ジャッジも参加者からくじ引き選出の3票対決でした。集中していないと進行に迷惑をかけるので恐らく主催者込みで全員ハラハラだったかと。なので全力で作品見たしジャッジ当たらなくともどちらがより凄いか考えてました、幾つかの作品はXにてRepostしていますが全部素晴らしい作品で、本当に優劣付けるのが嫌だよ!!って思います責任感とてつもないです。
世の中色々な優劣付けるコンテスト等ありますが、こういう大変さがのしかかるんですね。

それではバトル記事恒例(?)私の作品紹介です。Xの方でもpostしたので写真はまとめて、製作過程の文章をちょっと多めに。
まず、羊毛フェルト自体は経験者の為いつものように作ると楽はできるが芸が無い。ではどうしよう?そうだレリーフスタイルのガチ立体は作った事がない(アップリケ的な物はある)からそれにしよう。
割とパッと決まりました、モチーフは動物が良かったので羆とかライオンとか考えつつもより高いハードルを用意したら虎になりました。虎柄、大変。

イメージを掴む為と個人的画力アップも兼ねてデッサンを描いたんですけど、どうやら完成後の片付けでその紙をゴミ箱インしたかも…作業の邪魔でページ切り取ったのがまずかったです。ですが土台を作るのにとても役立ちました、特に横顔と頭頂部。
寝かせた耳の場所も考慮するとほぼ頭全てを立体化させるため、横顔の長さや頭頂部のバランスは重要でした。そして植毛前に目を入れなくてはならないので材料をどうしようかと考えネイル用のガラスチップと手描きの瞳を貼り込んで用意した試作品がバチピタでした、そのまま採用。

背景にはシートフェルト、異素材ではないのでセーフ笑

目を埋めたあとに瞼を付けています、鼻など短い毛の部分はけっこうしっかりと刺してあります。横顔は植毛で膨らむので細めの柔らかめ土台。

鼻の赤みだけ直接色を入れ他は植毛とカットの繰り返し

少しぬいぐるみ感を出してみっちり植毛したのですがもう少し間隔あけても良かったかもしれない。
虎模様は色々な写真を参考にオリジナルで入れて、細かい部分の黒はほんの少しずつ刺してあります。途中の図は完全にライオンもどきでした笑

だんだん模様が細かくなりヒゲの根本なども入ります

顔が完成したら調整を後回しにして前脚を作っていきます、組んだところに顎を乗せている強そうで余裕あるポーズです。ある程度毛が乗ったら指の分かれ目を刺して凹ませていきます。
毛の流れを整え足りない部分に毛を増やし爪を付け、最後にボンドでヒゲ(これが割と大仕事)を付けて無事に虎の完成です。

ベンガルトラ
耳の中の毛もきちんとあります

トーナメント戦会場は異界の両国国技館(スペース)で行われました、なんとなくバーチャル国技館だと違う気がするので異界。
参加選手は主催者込みの15名、抽選箱のガサガサ音がリアルに響く中粛々と対戦カード決定から作品公開、ジャッジが繰り返されるんですが多分声は聞こえずとも皆これを見てうわー!とかおぉ!とか一喜一憂していたんだろうなと思います。我が家は夫と2人参戦なのでめっちゃ声出してました笑
対戦カードは本当に運任せですが初っ端から最後までとても熱い闘いで、ハンドメイドイベントで販売されていてもおかしくない作品だらけに「初心者とは?」という感想しか出てきませんでした。

参加していない方にはなんのこっちゃな内容ですが、同じ事をやろうとするとかなり大変だと思います。
顔が見えない10人以上いる全員が約束事を守り時間を合わせて集まり、揉め事や喧嘩も無く進行を見守りながらも全力で笑い楽しみ最終的に「いや〜面白かった」で幕を閉じる。相手を尊敬したり思いやる気持ちとか信用や信頼、色んなものをひっくるめて遊びを楽しむ事が出来る大人が揃っていた稀有な集まりなんだとあらためて感じました。
主催者さん本当に楽しかったです、ありがとうね。

あ、結果ですがなんと私、優勝できました。経験者とかそんな事全く関係ない完成度だったから心底びっくりです、最後のジャッジ中めっちゃお腹痛くなりそうでしたもの笑
どうやら賞品があるらしく美味しいアイスだそうで、私よりもお裾分け貰えそうな夫が1番喜んでいたとか。
以上、楽しい夏の思い出話でした。

それと関係者各位→ニードルはわりと錆びやすいので使わない時は素手で触った辺りを綺麗な布で拭いて、湿度の低いところで保管。アクレーヌは大丈夫ですが天然羊毛の人はセーターとかのアレ、虫食いに気をつけて保管して下さいね。犬猫の抜け毛でもフェルティングできますがその場合は必ず毛の処理の仕方を調べてからにしましょう、やらないとどえらい事になります。


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