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夏の宇都宮、大谷資料館で涼む。

子供の頃に「地下の洞穴の冒険」という児童小説を読んで以来、ずーっと地下空間に憧れてました。遠足で行った富士山麓の風穴とか個人的にめちゃくちゃ盛り上がってたし、一度でいいので地下鉄の裏側見学会に行ってみたい。タイの洞窟で遭難した男の子たちは無事に救出されて本当によかったですが、不謹慎ながら近所にあんな鍾乳洞あるなんて、ちょっと羨ましかったです。

そんな私が数年前に見つけたのが、宇都宮の大谷資料館。特産の大谷石の採掘場跡の地下空間を見学できる施設です。

MVや映画の撮影にもよく使われる施設で、古くは薬師丸ひろ子さん主演の「セーラー服と機関銃」、最近だと「るろうに剣心」とか「曇天に笑う」の実写版映画の撮影にも使用されている。私的には、黒十字軍団とかいそうでワクワク。

なんだけど、この施設の存在を知って以来、「近場で日帰り旅行とかしたいな」という気を起こし「そう言えば大谷資料館行きたいんだった」と思い出すのが、何故かことごとく真冬で、「いかん、めちゃくちゃ寒そう…」と断念する、というパターンが続いていたのでした。

それがこの夏、ようやくしかるべき季節に、私はこの大谷資料館の存在を思い出したのです。世の中連日35度とかになってるけど、こちらの大谷資料館、真夏でも地下空間の温度は10度とか12度。自然の冷房室なのです。

そんなわけで「宇都宮に涼みに行こうよ」と友達を誘って、遊びに行ってきました。

東京から宇都宮線直通の上野東京ラインに。先頭二両と最後尾二両がクロスシートで、プチ旅行気分を味わえます。新幹線に乗ればすぐ着くけど、目的地はさほど多くないので、休日おでかけパスを買って、のんびり約2時間の電車の旅へ。

ちなみに宇都宮は、休日おでかけパスの圏外なんだけど、降りる時に有人窓口で自治医大駅からの差額を払えば大丈夫。320円だったかな?この時、精算機に入れてしまうと切符を吸い取られるらしいので、使う人は要注意です。

あと、宇都宮線は、宇都宮で降りる時自分でボタン押すシステムだった。冷暖房の節電のためだそう。なんせ乗ってた車両は私と友達だけで貸切状態だったし、いい仕組みだと思います。ドア全開にしたら電気代もったいないもんね。

到着後、まずは駅の観光案内所で大谷資料館の入場券と大谷寺の参拝チケットがついた、バスの一日乗車券を購入。これ、宇都宮餃子会館「来らっせ」で通常210円のソフトドリンクが一杯無料になるなど、ほかにも色んな特典付きなのでかなりおトク。たぶんこのへんは、ほとんどの人が車移動なので、バス客へのサービス頑張ってるんだと思います。

昼前に到着したので、餃子会館のオープンより少し前にバスで移動し、昼飯前に登録有形文化財の松が峰教会をちょこっと見学。

カネゴンボケちゃった。これから見に行く大谷石を使って作られたロマネスク・リバイバル建築で、中はこんな感じです。

クーラーはないけど、貸出用の団扇が置いてありました。日曜のミサ中とかじゃなければ見学できるらしい。

そこからは、オリオン商店街というアーケードを通って宇都宮餃子会館「来らっせ」本店へ。開店時間の11時ちょうどぐらいを狙って行ったのに、既に行列が出来かけていました。サクッと入れてよかった。まずは餃子で腹ごしらえ。

宇都宮餃子のいいとこは、全体的に薄めの皮で小ぶりなので、とにかくいろんな種類食べられること。かわり餃子の類も色々あるけど、我々はいろんな店の最もスタンダードな焼き餃子をひたすら食べ比べるという方針で食べ倒しましたが、それでも店ごとに味に個性があって、面白かったです。

惜しむらくは美味しくて食べるのに夢中になってしまい、ほとんど写真撮れてないことで、この食い意地が素敵なインスタ女子への道を阻んでいるのだった…だってアツアツが美味しいんだもん。

宇都宮餃子会館には四、五年前にも行ったことがあるんだけど、その当時よりも席への誘導や餃子のデリバリーシステムが改良されていて、混雑はしてたけど待たされてイライラすることもなく、お腹いっぱい餃子を食べられました。

餃子がいいのは、こんなにお腹いっぱいになるまで食べても1人あたり1500円も行かないとこ。同じご当地グルメでも丼飯とかハンバーガー、麺類なんかだと、すぐお腹いっぱいになっちゃって、そんなに沢山食べ比べは出来ないので、餃子のアドバンテージすごいな…と感心します。

店のオペレーションがあまりにも優れていて予想よりもはるかに早く食べ終わってしまったので、バスの時間まで、近所にある宇都宮のアンテナショップ「宮カフェ」で時間つぶししてきました。二階にレストラン、店の奥には喫茶スペースもあり、休憩にちょうどいい。スカイベリーのスムージーを飲んだけど、バスの一日乗車券で50円引きでした。おトク!

宮カフェでは自分用のお土産に、郷土玩具の黄ぶなをモチーフにしたストラップも購入。本来の郷土玩具は張り子か土鈴なのかな。こんな感じの工芸品です。

可愛い♪

その昔、宇都宮で天然痘が流行った時に、田川で釣れた黄色いフナを食べた人の病が癒えたことから、病気よけの縁起物としてつくられるようになったものだそう。

このへんから大谷資料館までは、バスで20分ほど。市街地を離れると少し山道を登っていく形になります。着いてみてビックリ、駐車場はほとんど満杯だった!バスでここまできてる人ほとんどいなかったので空いてるだろうと思ってたんですが、入場券売り場も行列できるほど。

我々は事前にチケットつきのバス一日乗車券のお陰で、並ばずに入場できました。観光案内所には寄ってみるもんです。バス停から資料館までの5分足らずの歩きでも、ぐったりするほど暑かったので、10度の地下室の涼しさは感動的。

階段で地下3階分ぐらいを下ると、そこはもうインディージョーンズの世界です。

カネゴン、馴染みすぎ。実相寺の映画みたい。

これ、なんの加工もしてないんですよ。カラー照明あててる壁の前で撮っただけ。

このへんの壁です。

巨大な生け花アートがあったり…

ドンペリの記念ボトルがあったり…

ここは映画やMVの撮影以外に、高級ブランド品の発表会とかでも使われることがあるらしいです。見学ルートには入ってないけど貸切で結婚式があげられる教会スペースもあったりして、産業遺産だけど、なかなかアグレッシブに再活用してる。映画やMVの撮影自慢のコーナーもあって、これまでに撮影された作品の写真が壁にズラリと並んでます。

この展示コーナー以外にも「ここでB’zの松本さんが演奏しました!」とか「ここに『るろ剣』のワイヤーアクションのワイヤーとりつけました!」みたいな、やけに詳細な案内がそこかしこに設置されており、お国自慢のようで微笑ましいです。

寒くなるかと思って長袖やレッグウォーマー持参していったけど、なんせ外が暑いので「気持ちいい」という感じで、冷え切ってしまうことはなかったです。携帯のカメラでは到底写しきれない幻想的なシーンがいろいろと見られるので、ホントおススメ。

唯一理解不能だったのは、一階の大谷採石場の歴史を紹介する資料室が蒸し風呂のように暑かったことだよ…地下にいる間は「どんな風に掘りすすめてこんなお部屋が出来たんだろうねー」とか、産業遺産の歴史にも興味が湧いてたのに、資料室のあまりの暑さに文字を見ても脳が理解を拒む感じで、速攻で逃げ出してもう一度地下で涼んでから出てきました。

いや、地下室あんだけ涼しいんだから、ちょっと空気穴でも通して下からファンで煽れば涼しくなるんじゃないの?とか、そもそも資料も地下に展示すればいいんじゃないの?とか、色々と突っ込みたい…

大谷石の崖に彫られた大谷観音がある大谷寺は、ここから徒歩7〜8分。我々は歩いてしまったんだけど、暑くて死にかけたので、真夏にはバスの利用をおススメします。一日乗車券あるなら余計に。

ガンダーラ仏みたいな磨崖仏にあわせてお堂をくっつけた感じで、なかなかダイナミックな眺めです。見学は何人かまとまってから解説つきでまわる感じ。境内の宝物館には、周辺で出土した土器などとのほか、10000年以上昔の縄文人の人骨が展示されています…

お寺の宝物館と聞いて予想した宝物と毛色が違ったのでビックリした。「本物」の表示がじわじわきます。

ここからは戦後つくられた平和観音がある公園を抜けて、公園脇のおされカフェへ。途中、大谷石体験館に寄って、カエラーのお友達が大谷石細工のカエルの置物をご購入。これも昔ながらの民芸品らしく、いろんな表情の石造りのカエルさんたちがいます。

平和観音はやたらデカい。

公園周辺のカフェやレストランはいくつかあるんですが、今回は比較的新しいブランジュリー・カフェ、THE STANDARD BAKERSへ。

メープルシロップつきのフレンチトースト。分厚いパンで、とても美味しかった。夕立がきて、少し涼しくなった頃合いでバスで山を下り、お土産に冷凍餃子を買って帰ってきました。

シメは、お約束のレモン牛乳。

というわけで、東京からの日帰りながら、B級グルメから地下の探検、歴史探訪まで宇都宮を満喫した充実の旅でした。

大谷資料館、今回は思い立ったのが三日前ぐらいだったんで間に合わなかったんですが、時々一般の見学ルートでは見られないところまでゴムボートで連れてってくれるツアーがあるそうなので、次は予約して行きたいです♪(←行く気満々)

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