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私の好きな本~榊原喜佐子氏『徳川慶喜家の子ども部屋』

和樂webの記事で、参考文献にした1冊、徳川慶喜の孫娘の1人、三女榊原喜佐子氏の著書です。


氏は子どもの頃から日記をつけており、それを元に当時の記憶を綴ったものです。
嫁ぐまでの「お姫様」の暮らしは、「優雅」の一言です。
畳み張りと革張りの廊下を走り回り、家の庭の築山が遊び場。なんて、どれだけ広いんだー。
他にも、朝起きると、着る物持って行くものが用意されていたり。
「お金を持って店で買い物をするのは、お上のあそばすことではありません」と言われたり。
書くとキリがないです。

そんな生活は戦後一変。「一般庶民」として過ごすことを余儀なくされます。精神的に不安定になった時期もありましたが、「昔を取る」ことに意識を向けて生きていく様子はたくましいなと思いました。

私が一番好きな箇所は
「人にかしずかれ労せず暮らしていける身分にある者には当然の義務というものがあって、自由は望んではならない。常に人への配慮を忘れてはならない、自分を律することに厳しくなければならない、と思っている」
です。

上に立つ立場として、そう考えられるのは真の「お姫様」です。祖父の徳川慶喜(氏が生まれる前に亡くなっていますが)の教えは、尊いものだなと思いました。

元々この本は母に勧められたものです。その後、ずっと私の手元にありました。母は亡くなり「形見」になりましたが、この箇所が好きで、肝に銘じる思いで何度も読み返しています。

今回、自分の好きな本を元に記事が書けたことを、嬉しく思います。


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