トギーが創り出す“第3期BiS像”

「第3期BiSを象徴する存在はトギーだ」と断言しても、それに異論を唱える研究員は少ないんじゃないかと思います。生きるために必要なこと以外の時間はほとんどBiSに費やしていて、メンバーも「BiSのことを一番考えてるのはトギー」だと言うくらいの存在ですからね。

明るく前向きで、駅伝や24時間イベント、101回MVとかどれだけ過酷な企画を用意されても超人的な体力で笑顔のまま乗り切ってしまう。スタッフとも常に良好な関係を心がける。

そんなトギちゃんは第3期BiSを象徴してはいるんだけど、そのイメージは“第3期BiS像”であって“BiS像”ではないと思っています。もちろん悪い意味ではありません。言い換えると、トギちゃんをはじめ4人が“BiS像”を塗り替えた。それを短い期間でやりのけてしまったことが彼女たちのすごさだと感じています。

BiSってなんだっけ

僕がBiSを知ったのは2012年で、初めて生で見たのは第2期のデビュー時です。第1期の頃は在宅だったファンの感想として聞いて欲しいんだけど、当時の印象は「パフォーマンス・プロモーション・企画の奇抜さと楽曲の良さを武器に、普通の女の子たちが一生懸命がんばるグループ」でした。

過酷な企画の途中で断念することだって普通にあるし、感情剥き出しだからメンバー同士でもメンバー・スタッフ間でも揉め事が起きる。どう見たって心身ともに超人的な人が「これぞBiSだ!」って言われるようなグループじゃないよね。

じゃあどこにBiSらしさを感じてるのか。共通点を挙げるとしたら、「メンバーが人生を捧げるくらいの姿勢で活動している」ことなのかなと思います。もう一つあるとしたら、「超えられるかわからなくても限界までやってみる」こととか。

最高の101回目

トギちゃんの話に戻すと、自粛期間中に、彼女のパフォーマンスにBiSらしさを感じる機会がありました。

MV『101回目のカーテンコール』が発表された時、「トギーの体力と笑顔がすごい」って反応が多かったし、立て続けに『CARTAiN CALL -5H FULL ver.-』が公開された時には「お礼をすぐに言えるの偉すぎる」という賞賛の声が上がりました。

5時間10分にわたって歌って踊り続けてたのにカットがかかってからトギちゃんの「ありがとうございました!!」までの時間、たったの20秒。超人すぎる。いい子。天才。僕なら3分動かない。

『101回目-』ではイントロから間奏までCD音源が使われてて、落ちサビからスタジオの音声に切り替わります。『5H FULL ver.』の真骨頂は、『101回目-』で聴くことができなかった、トギちゃんの第一声でした。

5Hをまだ観てない方がいたら、トギちゃんの「最高じゃん」って歌声と躍動する姿をぜひ感じてもらいたいです。101回目だけ観ると、「トギーはずっと元気だったんだな」って思っちゃうじゃないですか。まぁ実際ずっと元気なんだけど、違うんだよ。

終盤の10回くらい、トギちゃんの一言目だけでもいいから聴き比べてみて欲しいです。91回目より、99回目より、100回目よりも、101回目が「最高じゃん」って思えるから。

100回のつもりで歌って踊って、100回目で全てを出し切ったつもりでいたはずです。余力を残してたなんて全然思えない。だけどサプライズの101回目で、最高のパフォーマンスが出ちゃうんですよ。これってすごくBiSっぽい。

悲壮感なしで見せる100%の先

限界まで追い込んで感動を生む手法がいつからアイドル界にあったかわからないけど、BiSとWACKがその道を切り開いてきたのは間違いありません。歴史を重ねるなかで、悲壮感をともなう手法に抵抗を覚える人が増えてきたのかなと感じることもあります。

だけどトギちゃんは100%を超えた先に感動があるんだってことを、悲壮感じゃなくてハッピーな笑顔で教えてくれました。これは“第3期BiS像”を創り上げるうえですごく大事なパーツになってくるんじゃないかな。

第3期BiSはBiSが誕生した時とはメンバーも曲も違うから、それはもう別のグループじゃないかと言う人もいると思います。だけどトギちゃんは節目となるMCで、彼女たちがBiSで、僕たちが研究員なんだと実感できる言葉を届けてくれました。

STAND BY BiSツアーファイナルでの「BiSは武道館に立ちます」という宣言や、8ヶ月ぶりに開催したワンマンでの「BiSは『行かなくちゃ』だから、BiSはここから止まりません」といったメッセージは、BiSの歴史を踏まえたうえで「BiSを応援してるんだ」という気持ちを与えてくれています。

“第3期BiS像”を創り上げながら先頭を全力疾走してくれるトギちゃんとなら、研究員は武道館でもその先でも行けますよ。

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