カジュアルスマ勢が感じたスマブラとギルティの違い

元来生粋のスマブラ勢だった自分はギルティギアXrdのストーリーと世界観にどハマりしてしまい、STの発売に合わせてゲーム部分も遊んでみるかと思い、満を持して対戦デビューをキメた。
同じ対戦ゲームだしなんとかなるだろうと軽い気持ちで挑戦したのだが、これが思った以上に難しい。
スマブラとギルティが具体的にどう言った部分が違い、それが難しさに繋がっているのかを自分の浅い見識なりに整理してみたので、折角なのでnoteにぶん投げてみようと思った次第である。
既に先人達が研究して言語化した物の二番煎じかと思うが、お時間のある方はお付き合いいただければ幸いである。

筆者のゲームプレイ歴について
スマブラは64からかれこれ20数年遊んでいる。勝ちを意識してプレイし始めたのはfor時代後期から。実力については特に誇れるものの無い有象無象のいちプレイヤー。メイトとかもやってない。不特定多数と対戦するよりも身内に勝つ事を目標として遊んでいる。
格ゲーはスト2をSFCで、鉄拳2と鉄拳3を初代PSで弟と遊んでいた。アケコンなどは使っておらず(この雑記を書いてる最中にRAP HAYABUSAを購入し三和スティック・ボタンに換装した)、ゲーセン等でクレジットを投入した経験もほぼ無し。ACとCSでBGMが違うことすら発売10年後くらいに知った。ストーリーやキャラクターメインで遊び、EDを見るためにオマケでゲームをしていた、いわゆるエンジョイ勢。

各キャラの技の出し方とその多さ
スマ勢がギルティ(というか格ゲー)を触ってまず驚かされるのが、ボタンや技の多さとその出し方がキャラクターによって違うこと。

スマブラではforのDLC以降に参加した一部のキャラ以外は、基本的に技の出し方は全て同じである。
A技として地上が弱,ダッシュ攻撃,強攻撃及びスマッシュの横上下で計8種、空中がN,前,後,上,下の5種、B技の必殺がN,横,上,下の4種、掴みが1種(掴み後の掴み打撃1種と投げが前後上下4種あるがこれは纏めて掴みとしてカウントさせてもらう)の計18種。
また、殆どの技がスティックをその方向に傾けるor弾きながらAorBボタンを押す、という直感的な操作。とりあえずこれさえわかっていればどのキャラクターも動かすこと自体は割と何とかなる。

しかし、ギルティはそうではない。
基本技は攻撃ボタンP,K,S,HS,Dの5種×立ち,しゃがみ,空中の3姿勢毎の15種。立ちSは近S遠Sに分かれており、全キャラ共通の対空に適した上半身無敵の前Pがある。更に投げ(地上,空中を1カウント)をプラスして18種。
また、レバー入れ特殊技がキャラ毎にいくつか設定されている。STソルなら前S、前HSの2種。
ここまでならなんとかなりそうなのだが、格ゲーには特有のコマンド技というものが存在する。
STソルならGF,GFF,BR,BB,NV,VV,ぶっきら,ファフ,テンションゲージ(TG)を消費する覚醒必殺としてタイラン,ヘヴィモブの計10種。
そしてこのコマンド技がキャラ毎に「違うコマンド・違うボタンで」用意されている。当然各技によって使う場面が違うので、技の出し方を覚える>技の使い道を知るというプロセスが噛むのである。つまり新しくキャラクターを動かす時に憶える要素が多いため、ゲームに馴染んでいないプレイヤーにとってはそのまま敷居の高さに繋がってしまう。

一方で、技の多さはより多様な状況に対応できるという強み、技が多いと見栄えが良いという利点もある。状況毎に的確に技を使いこなせれば勝率も上がっていくのだろうし、何よりいろんな技を振っている画面を見るのは楽しい。格ゲーの実況の人がコンボレシピを見抜いて即座にJS>JD>JS>JD〜と技の名前をつらつら挙げていくのも個人的に好きな部分。
総じて難しい分きちんとコントロールできた時のご褒美はあるよというデザインなのだと認識している。

(2022/04/10追記:そもそも一番最初に触ったSFC初代スト2がパンチボタン×3、キックボタン×3、近距離・遠距離・垂直ジャンプ・斜めジャンプで技が変わる、+必殺技ともっと多くて難しかった。時代を先取りしすぎでは?)

スティック操作の忙しさ
移動操作についてもギルティの方が難しいと考えている。
ギルティではレバーをカカッっと素早く2度倒すとダッシュorバックステップとなる。
一方のスマブラはスティックを素早く倒せばステップ→そのまま倒しっぱなしでダッシュになる。
倒す回数が1回違うだけではあるが、ギルティは慣れていないと割と少なくない頻度で歩きに化けたりする。一方スマブラはそっと倒すと歩くが、これはこれで結構難しい。

続いてジャンプ操作について。
スマブラではジャンプ専用のボタンがあるため、ジャンプボタンを押して跳び、左スティックで左右の移動をする、というように操作が分割されている。また、跳んだ後に各方向にスティックを入力しながらAボタンを押す事で空中技を出す事ができるが、これは右スティックを倒す事で操作を代用することができる。

ギルティでは上にレバーを倒すとジャンプするが、前ジャンプの場合はレバー9入力をするしか無かったり、ハイジャンプをするには一瞬下入力が必要だったりする。空中でも2段ジャンプや空中ダッシュなど継続してレバー操作が求められ、最速空中ダッシュでは9>6を短い間隔で的確に入れる必要がある。更にこれらを行いながらコマンド技を使いたいとなってくると、初心者ではかなり怪しくなってくる。
ギルティはレバー1本で担う作業が多く、忙しくて繊細な操作を求められるのだ。
(一応スマブラでも弾きジャンプという上入力で跳ぶ入力自体は用意されている。ただ、レバガチャやずらし等のテクニックで暴発してしまったり、色々なデメリットが存在するので基本的にはオフにする事が推奨されている。一部の競技プレイヤーは弾きジャンプオンで競技シーンを勝ち上がったりしてるらしいけど)

少々一方的にギルティ側の忙しい要素をピックアップしてしまったが、スマブラ側にもヒットストップずらしやベク変、歩きに反転など、スティック操作が忙しくなる要素は存在している。ただ、自分の主観ではそれらを加味してもギルティのレバー操作の方が忙しいと感じている。これらのスマブラのテクニックは(少なくとも自分の実力帯では)状況によって求められるものであるのに対し、ギルティのレバー操作は試合を通してコンスタントに求められる操作であるというのがその理由だ。

また、ギルティの場合ゲームパッドでの十字キー操作が結構難しい。46を直接交互に入力する時や斜めにビタで入れる際に他方向の入力が混じったりするので、意図しない行動が出がち。前後ジャンプやレバガチャ等の操作時に特に目立つ。レバガチャはSTではほぼ必要無くなったが、過去作のグランドヴァイパーでは必須の操作なので十字キーでソルを使うのはかなり難しく感じる。

(レバガチャの話が出たので読み飛ばしてもらっていいボヤきを書かせてもらう。どのゲームにしてもレバガチャの操作は忙しい以上に「コントローラーへの負担が大きい」という面が目立つ。Switch系統のコントローラーは使用部品の影響でスティックがすぐに痛むし、恐らくゲーセンのレバーもメンテの頻度が多くなるのではないかと推測している。プレイヤーにとってコントローラー寿命は切実な問題なので、いち個人としてはこれからジャンルに依らずゲーム全体でレバガチャ操作が可能な限り少なくなる方向に向かってほしい)


守りの手段
敵の攻撃を防ぐ仕様についてもやはりギルティの方が難しい。

スマブラは守る事に関してはシールドボタン1つでほとんど全てカタがつく。地上でシールドボタンを押すと全身を覆うシールドが展開される。敵の攻撃がヒットする直前でシールドボタンを離すとハイリスクハイリターンのジャストシールドとなる。
更にシールドボタン+下弾きでその場回避、左右弾きで前回避、後ろ回避が出る。空中ではN回避と各種方向にスティックを入れての移動回避の2種がある。
性能としてはシールドを張ると掴み以外の全ての攻撃をシャットダウンでき、回避は方向や地上空中、キャラ毎に性能が異なるものの(一例としてマリオの地上その場回避が全体25Fの無敵3-17F)、この無敵時間は打撃・掴みに対して完全無敵となっている。
また、シールドのキャンセル行動が多く、掴み,上スマ,上必殺技,ジャンプ,各種回避といった選択肢がある。これら豊富な手段のため、先程説明したジャストシールドを狙わずともガーキャン行動をしてるだけで十分相手にリターンを押し付けることができる。
守る手段がボタン1つ+αでありながらそのアクションが総じてべらぼうに強いため、守ってる時に難しいことを考える必要があまり無いのだ。普通に遊ぶ分には雑にシールドボタンで構わない。特に回避はあまりにも擦って強いので、最新作のSPで連続で回避行動を行うと無敵Fが少なく、全体Fが多くなるように調整された。
一応肉漏れやシルブレといったシールドを張り続ける事に対するリスクも用意されており、防御手段そのものは強力ながら試合は動くように作られている。

GGSTの防御も操作自体は単純で、相手のキャラに対して後ろor斜め下後ろを入れるだけとなっている。
後ろで立ちガード、斜め後ろでしゃがみガードとなり、格ゲーの基本ルールとして両方で防げる上段攻撃、しゃがみでしか防げない下段攻撃、立ちでしか防げない中段攻撃に分かれており、これらを使い分けて相手を崩して技を当てるのがセオリーとなっている。
ギルティの特殊なガードとして後ろを入れながらボタン2つ押しすることでTGを使用して行うフォルトレスディフェンス(FD)と、攻撃判定が発生した直後に後ろ入力を入れる直前ガード(直ガ)、STで新登場した両者を組み合わせた直ガFDがある。
FDは相手のノックバック距離増加に削りダメージとリスクゲージ上昇のシャットダウン、直ガはガード硬直の低減とテンションゲージの上昇といったメリットがある。直ガFDは狙えるほど自分の腕が無いので割愛させて頂く。
また、ガード硬直中にTG50%を消費することで実質的なガーキャン行動といえる黄色ロマンキャンセル、バーストゲージMAX時のみガード・被弾中に行える青バーストがある。
……と、多様な防御行動こそあるのだが、スマブラと違い安易な無敵や無料で行えるガーキャン行動が無く、現状の経験では守りに入るという行動自体が負け筋になると捉えている。どうにかしてどこかで隙間を見つけて小技や無敵技などをねじ込んでターンを奪わなければジリ貧になる。
また、ギルティではガードを続けているとリスクゲージが上昇していき、このゲージが高いとコンボを食らった時のダメージがより高くなっていく。
総じて、ギルティは攻めることに比べて守りに徹するメリットが無い。ギルティのガード中の苦しさは、そのまま立ち回りで先に技を当てる事の重要さに繋がっていく。ギルティギア自体がシリーズを通して意図的に攻める行動が強くなるようにデザインされているとのことなので、守りが弱いこと自体には何らマイナスのイメージは無い。
スマブラの考え方で守る行動に甘えていると一生切り返せずに負けてしまうという、ある意味考え方の罠に引っ掛かってしまったのだなという感じ。ゲームが違うので当たり前だが、きちんとギルティに合った戦い方に変えなければならないという次第。


試合時間
スマブラはforからSPになってゲームスピードが非常に速くなった。ジャンプ踏切フレームの短縮化や吹っ飛びモーションの加速など、色々と調整が入っている。
それでも1on1の主流がfor時代の2ストックから3ストック制になったため、試合時間は1回あたり約4分、自分くらいの実力で立ち回り系のキャラを使って徹底しようとすると6分いくこともザラ。この辺は使用キャラに拠る部分も多いが。ガノンミラーとか1分で終わることもあるし。

ギルティはフルセットタイムアップで3R*99秒なので最大でも5分である。しかもそんなケースは示し合わしやブロンティストでもなければまずお目にかかれない。大体フルセットになっても3分かかるかどうか。プレイ中の体感時間はもっと短い。

試合時間が短いのは多人数で遊んでいる時に待ち時間が少なくなるので良いことなのだが、試合中のテンポが速くプレイ中に余裕を持って考える時間が無いのは難しさに多少なりとも関わってきていると個人的に思う。
あと、プレイ中に余裕がないのでせっかく通話を繋いでも自分ぐらいの習熟度だとマジで喋ってる余裕が無い。とにかく画面を見るのに必死である。視聴者へ向けてトーク等を行いながらギルティをプレイしているゲームストリーマーの凄さを思い知らされる。

これには両ゲームの技を食らった後の展開の違いも大いに関わっている。スマブラは一度技を当てたら相手が遠くへ吹っ飛ぶので、再度近付く必要がある。一方ギルティでは技を当てたらコンボを始め、〆でダウンを取って近い距離でそのまま起き攻め、というのが王道の展開。遠距離キャラのアクセルとかは例外だろうけども。
あとアーケード格ゲーはゲーセンで遊ぶ事を前提に考えられているはずなので、インカム回転率を上げるために試合時間が短くなるよう意図的に調整されているのかなとも思う。前の筐体で一生永パ続いてて順番回ってこないとか起きると嫌だし。


システムの多さvs乱闘・ステージ・アイテム
単純比較できるものではないのでここは参考程度に読んで頂きたいのだが、操作以外で覚えるべき要素がどれだけあるのかについても比較しておきたい。

ギルティは対戦に纏わるシステムが多い事が知られていると思う。ゲージだけでライフ、テンション、バースト、リスクと4種類あり、それがお互いに用意されているので都合8つのゲージを管理する必要がある。キャラによっては更に固有のゲージが追加される。
勿論上に挙げた技の出し方、防御手段、コンボ、立ち回りetc...と覚える必要のある事が沢山ある。初心者だと頭が回らないので3ラウンドでバースト抱え落ちなんてことも普通にある。

スマブラは画面上の情報ではダメージ%とキャラの位置だけ見ておけばとりあえずなんとかなる。ベク変やずらし、各種操作テクニックなど、勝敗に関わってくる細かなシステムはあるものの、それらは隠し要素のような扱いで、意図的に新しく始めた人達が知らなくてもいいようなデザインにされていると感じる。(これが逆に初級者から中級者へのステップアップのネックになっている部分もある。ゲーム内のスマ知識で纏められているとはいえ、全てのシステムを記憶しそれらを試合で勝つために利用するのは難しい)
一方で、終点アイテム無し1on1から飛び出すと、途端に知るべき事柄が焼いた餅のように膨らむ。115もあるステージのギミックや87種類のアイテムの効果を全て把握するのは一筋縄ではいかない。
とはいえ、これらは「知らないまま遊んで楽しめる」という前提のもとで絶妙な塩梅に仕上がっている。チャンスアイテムだと思って箱を壊したら爆弾だった、とか。スマブラがパーティーゲームと呼ばれる所以であろう。
また1on1でもキャラ対策を始めると途端に禿げ上がるような勉強が必要。ギルティは1キャラにできる事が多いものの、1作品での参戦キャラは多くとも大体25キャラくらいに収まっているはず。対するスマブラはキャラの特性は割とすんなり入ってくるものの、キャラの母数が圧倒的すぎて全キャラ網羅するのは至難の業。その数最後のDLCキャラであるソラ参戦後で89。く、狂ってる…。

おわりに
最初はスマブラと格ゲーの比較として文を書き始めたのだが、格ゲーは多数のタイトルが販売されていてそれぞれ独自の仕様があるため、一概に格ゲーというジャンルとの比較にはならなかった。
例として自分の知ってる鉄拳はジャンプが弱めで空中から攻め込むような状況は稀なので、ギルティほど忙しいレバー操作は求められない。空中ダッシュも空中ジャンプも無いし(ただ後々知ったところによると山ステという忙しくて難しいレバー操作があるらしい)。
一方でキャラ毎の専用技という意味ではギルティよりずっと複雑である。2時点で三島一八の専用技が23種類くらいあったと記憶しているが、ちょろっと遊んだ鉄拳5で更に技が増えていたので、現行タイトルでは新しく始める人にとってよりハードルは上がっているかもしれない。レイジドライブみたいな新しいシステムも増えてるっぽいし。

今回の記事はどちらかのジャンルをネガりたいとかいうわけではなく、あくまで「こういう理由で難しいと感じるんだな」という部分を分析したかったものであることを留意して頂きたい。
自分としては今後も両作品のプレイを続けながら、できる範囲で上達を目指していこうと考えている次第である。
なんならsteam版ACPRも始めたくらいにはギルティのモチベはある。ガンフレFRCも幸いループもできないけど。たまに当時遊んでたギルおじに挑んではボロ雑巾にされて「悔しいのでもっかい!」とやってる内に解散時間が来る感じである。
目標としていつか一度はメインキャラ相手に良い勝負ができるようになりたいというのを掲げておいて、今回のnoteを終えることにする。

最後まで目を通して頂き、ありがとうございました。

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