スマブラSPでカズヤ触ってる輩の所感

スマブラSP界隈で俄にプレイヤーを賑わせているキャラクターに、DLC参戦したカズヤの存在がある。自分もそれなりにカズヤを使って遊んでいるのだが、自分と対戦相手の友人共に「こいつヤバくねえ?」という部分が目白押しだったので、この際纏めて文章化してみようと思った次第である。
例によって自分はスマメイトもやってない、実績も皆無の有象無象プレイヤーであるため、それらを前提に読んで頂ければ幸いである。
また、検証が甘い部分などもあると思われるので、間違ったデータがあれば都度修正させてもらうこととする。その点はご容赦願いたい。

(2022/04/10、強い部分に左踵落とし・体重・復帰、悪い部分にコンボ被弾中にやる事が無いの項目を追加、総評・対策に追記)
(2023/11/06、目次などnoteのコマンド追加、及びコマンドテストがてらちょろっと校正)


強い部分

技の多さ
スマブラでは一部の例外を除いてどのキャラでも「使える技の種類が決まっている」という特徴がある。
地上技として弱、ダッシュ攻撃、強攻撃上・横・下、スマッシュ攻撃上・横・下、掴み(+掴み打撃、投げ上下前後)の9種。空中技としてニュートラル、前、後、上、下の5種。Bボタンで出す必殺技がN、上、横、下の4種(一部特定条件で性能が変化するが同技として処理)、合計18種。
技の出し方が統一されているので、スマブラの経験がある人なら初めて触ったキャラでもある程度動かすことができる。個人的にはこの仕様がスマブラの敷居の低さに繋がっていると思う。
で、こういう要素を説明したということは、お察しの通りカズヤは一部の例外側のキャラである。
地上で出せる技のうち強攻撃が8種+しゃがみ強攻撃3種、追加で出せる技として特殊技6種、コマンド投げ1種となっている。基本的に技が多いと対応できる状況やコンボに組み込めるパーツが増えるので強みになり得ると思う。但しコイツの場合「消せ」と思うような死に技もそれなりに存在する。それらは弱い部分で後述。

最速風神拳
みんな大嫌い拘束するコマンド技。テンキー623+"3入力と同時にAを離す"で発動。
カズヤの持つ様々な技から最風に繋げることができる。よく使う例としては下投げ、上強1発止め、空N、空前など。何かが掠った後最風を入れ込んでおけば撃墜まで持っていける。
当てると麻痺のエフェクトが出た後上空に打ち上げられて落下してくる。当てられた側はこの"落下してくる"瞬間までベクトル変更以外の操作ができないので、ほぼ丸々カズヤ側のミス待ちの時間になる。ゲームで「操作できない時間が長い」というのは思いの外ストレスのかかるもので、頻出する割に飛ばせない演出とかあると結構げんなりする。その部類の技。
原作再現で「ガードさせて有利」という仕様があるため、シールドに当てると相手のガードを強制的に解除させた上にシールドを結構削る。結構珍しいがこれで割れることも。有利は+3Fくらいなのでカズヤ側がその時間で悪さができるわけではないが、当てられた側のストレスは大きいだろう。
何故か出始めに全身無敵がある。コンボ起点であり、コンボ中継点であり、対策できてない人相手であれば立ち回りで振り回せるつよつよ技。
「発動が難しいので最風は努力」

コンボ
コンボを前提に調整したと公式で言われている通り、言うまでもなくカズヤの一番強い部分。横B根本→雷神拳のような簡単コンボから最風を絡めた即死撃墜まで存在する。
コンボ判断が上手いプレイヤーならそこそこの安定度で0%撃墜ができる。%を溜め合って撃墜どうしようと悩むのがスマブラなのにその過程をすっ飛ばす。相手のベク変対応が上手い、ヒット確認ができなかった等でコンボを妥協しても、最風当てた時点で40%は固い。90%稼いで「安い」「失敗」なんて感想が湧いてくるのはこのキャラだけだと思う。だけであってほしい。緑の帽子は知らん。
立ち回り系のキャラでずっとターンを持っていたのに、カズヤが汚く擦った技に1発掠っただけで今まで与えたダメージを全部ひっくり返された挙句撃墜までされてしまうと「今までの時間要らんかったやろ」という気持ちになる。ガノンおじさんですら平均して1ストック4回は読み合いするゲームだぞ。

余談だがこれはスマブラSPにおいての話であって、過去作では些か状況が異なる。特にスマブラ64は被弾硬直が長いという仕様の違いで色々なキャラに当たり前のように即死コンボが存在する世紀末なゲームだった。カズヤはスマブラ64からやってきた…?

更に余談だが前作のベヨネッタの即死とは趣が違っている。あちらは速く判定の強い突進技を起点に画面端まで運んで殺すのに対し、カズヤは掴み・上強・生最風等リーチの短い技を起点に%をぼったくって吹っ飛ばし力の高い技で〆る。ベヨの場合防御側は必死にヒットストップずらしでスティックをガチャガチャすれば抜けられる場合もあるが、コントローラーを壊すリスクがある上にずらし対応アドリブコンボもある(但し高難度)。カズヤの場合は最風食らった時にベクトル変更だけでいい。但し被弾側がキャラを動かせる時間はベク変以外存在しないので虚無感はどっこいどっこいだと思う。

コマ投げ
恐らくスマブラでは唯一のコマンド投げである地獄門を持つ。323+掴みで出るが、この技の吹っ飛ばしベクトルがエグいほど低く、復帰弱者であれば0%から死にかねない。高%で掴めば普通にバーストもできる。オマケに掴み単体でダメージ30.2%ある。崖端背負ったカズヤは露骨に狙ってくる。
「コマンド難しいから地獄門は努力」

空中掴み技
スマブラの空中技は基本的には全てガードできるため、相手と高低差がある場合に被弾を抑えたければガードが丸い選択肢になる。勿論「基本的に」と述べた通り、そのセオリーを無視できる技が幾つか存在する。
代表的なのはヨッシーのNB、カービィのNB、クッパの横Bなどで、この流れでカズヤの下Bのヘブンズドアも空中で出せる掴み技になっている。
「台上で高低差があるからとりあえずガードで様子を見よう」と考えた貴方の元にやってくるのが、高度合わせ下B。この技、上側への掴み判定が広く、ダメージと吹っ飛ばしもそこそこ高い上に道連れまでできちゃうのだ。即死された次のストックで道連れされて2-1不利になった貴方の心境や如何に。

アーマー
各種スマッシュ、下B、レイジドライブ発動時に付随。ぶっ放して強い。しかも横スマッシュは作中屈指のネタ技……もとい魅せ技のファルコンパンチに勝るとも劣らない攻撃力。櫻井さん自身が動画の中で語っている。ファルパンにアーマー付けてやれよ…‥。
カズヤの不利フレームに技重ねたろ!という時にこれらの技がおもむろに飛んでくる。
「うわあああ不利だあああ、え〜いヘブンズドア!^q^」

常時アーマー
一応強い側に挙げたが恩恵はほぼ感じない。被ダメが低い時ごく稀に相手の甘い百烈連打に割り込める程度。とはいえ掴めれば下投げ最風が待ってるのでリターンは侮れないね。

無敵
任天堂公式のカズヤのつかいかた動画で桜井氏が「鉄拳原作のモーションをそのまま制作してテストしたところ、びっくりするほど弱かった」と発言している。その為、スマブラのカズヤには強化として数多の技に"バカみたいなやられ無し無敵"が付与されている。特に雷神拳の無敵は付与F数も多くイカれ。やられ無し無敵のため相手の攻撃のヒットストップも起きず、噛み合った時に一瞬何が起きたのかわからなくなる。「掴まれていたはずなのに相手がカズヤの技だけ喰らっていた」なんて事もよくある。
これが強化の仕方としてどうにも雑と感じる内容で、上述したアーマーと相まって対カズヤにおける理不尽感を増している要因の一つだと考えている。
あまりに多すぎるので下に無敵の付く技を羅列しておく。短い無敵や小さい無敵も一応記載している。興味無かったら読み飛ばしてやってください。

(2023/11/06追記、長いのでtxtファイルにしました。折り畳みコマンド知ってたらどなたか教えてください)

左踵落とし
飛び道具を反射技する効果を持つ技。66Aとスマブラでは出し辛いコマンドで、DAに化けたり横スマに化けたりまたその逆でこちらの技が暴発することもよくある。そのため扱い辛く、全体モーションも長く連発できないため弾幕を捌いたりするのには向かない。
しかし、その欠点を補って反射倍率2.4倍という脅威の数値を誇る。レイジ状態でサムスのチャージショット最大なんかをこれで弾き返すと相手が0%でも死ぬ。
狙って出すのは難しいが、技化けででた踵落としが噛み合うと悲惨なことになりがち。
「今の操作ミスだから許して!」


自動振り向き
スマブラにおいて格ゲー出身のキャラが持つ特徴。スマブラでは空中から技を振りながら降りてきて相手の後ろ側に着地し、前側と勘違いした相手のガーキャン掴みを釣るなどの戦法が中々強力。ところが自動振り向きはそれらの戦法を丸々潰してしまえる。ガード解除掴みなどは流石に遅いため間に合わなかったりするが、弱暴れで相手を拒否するだけでも十分強力。最風の起点になる上強1段などが当たればそれはそれはもう悲惨。
但しカズヤの自動振り向きは少し特殊で他キャラより劣っている部分もある。詳細は後述。

体重
スマブラは「体力を削り切って勝つゲーム」ではなく、「相手を場外に吹っ飛ばしたり落としたりすることで勝つゲーム」である。どれだけダメージを与えても撃墜さえされなければ負ける事は無い。
ダメージを多く喰らった状態ほど吹き飛ぶのだが、キャラ毎に体重というステータス値があり、同じ%でも生死が分かれる。そのため、「速いけど死にやすいキャラ」と「遅くて攻撃も遅いけど死ににくいキャラ」がいる。
カズヤは重くて死にづらい。

復帰
吹き飛ばされて死ななくても、ステージまで帰ってこれなければそのまま落下して死んでしまう。帰る最中にも敵はステージを飛び出して攻撃をしてくるので、復帰能力はかなり重要だ。どれだけ重かろうが、復帰ができなければ意味が無いないというわけだ。
カズヤはジャンプと上Bの上昇量が多い上にタイミングずらしのNB、ずらし兼掴んで道連れの下B、全体モーションが短く先端にメテオ効果のある空Nを持っている。

レイジ状態
カズヤだけが持つ特殊状態。蓄積ダメージが100%を超えると赤いオーラを纏うレイジ状態になる。この状態の間は各種技の与ダメージが増える上に「レイジドライブ」という強力な技を発動することができる。

レイジドライブは基本的に掴めば発動するが、自動振り向きのお陰で近距離であれば掴むハードルはそれなり。また、下B及び雷神拳コマンドでもレイジドライブを発動できるのだが、こちらは低空の相手なら余裕で掴めるくらい判定が広い上に無敵とアーマー持ち、更に雷神拳コマンドで当てた場合1発で40%くらい入る。馬鹿。

また、レイジ状態解除の条件がかなり緩く、レイジドライブを発動する、カズヤ側がレイジドライブを何度も空振る(最大6回?)、カズヤにダメージを与えるの3通り。カズヤが技を空振った回数で変動するものの、与ダメだけで解除するには最大38%くらい与えないといけない(詳細は結構ややこしいので割愛)。
で、このレイジ状態、"時間経過では解除されない"という穴がある。ははーん、さてはfor→SPの移行時、クラウドのリミブレにどうして15秒の時間制限を付けたのか憶えてないな?

ちなみに似たような状態でリトルマックのKO状態があるが、あちらはNB以外強化は無くKO状態になってから一定時間経過後にやられ吹っ飛びになるだけで解除される。いやまあ、KOパンチも強いけどさあ……。


弱い部分

機動力
歩き、空中横移動、空中落下速度、地上ジャンプ上昇量、空中ジャンプ上昇速度などの、地上ダッシュ以外の移動に関するパラメーターが絶望的に終わっている。カズヤの最大の弱点であり、上記のバカ技設定の原因と思われる。
その貧弱さたるや、ガノンおじさん相手ですら立ち回り窮屈に感じるレベル。相手キャラ次第では徹底されれば一生遠距離技や剣先でチクチクやられながら無様に飛んでいくカズヤくんが見れる。なおオンラインで徹底できるとは言ってない。

地上ジャンプ踏み切りフレーム
スマブラforまではキャラ毎にジャンプ踏み切りFが違っており、SPになってそれらが3Fに統一された。これは弱キャラの強化や不平等の改善、ゲームスピードの高速化を狙ってのものであると思われる。
カズヤはDLC追加キャラなのに何故か7Fある。ジャンプの低さと相まって飛び道具を避けたりするのが難しい。ねえ、何のために統一したの?
ちなみに原作では鉄拳3からジャンプの高さがスマブラと同じくらいになっているが、鉄拳2までは初代スト2レベルでめちゃくちゃ高く飛ぶようになっていた。原作を再現するというのが絶対条件なら、ジャンプはこちらの仕様を持ってきて踏み切りフレームも統一で良かったのではないかと個人的には思う。

自動振り向き
後述の誤爆にも関わる話。めくりを想定して他キャラと同じ感覚でC強後ろを入力すると、誰もいない前側に刃旋風が出てしまう。自動振り向きが行われる以前に入力した時、後ろ横強として処理されてしまうため。虚空に技を振るな、俺は鬼蹴りで気持ち良くなりたいのに!
また、乱闘では自動振り向きが切れるため、背中側に攻撃を出すのが極端に難しい。パーティーゲームなのにパーティーできないってマジ?
なお、テリーにも後ろ横Bが存在しているがあんまり問題にならない。多分B技で確反とるケース少なそうだからね。

技の多さ故の誤爆
後述の死に技にも関わる話。普通のキャラは強攻撃が3種4方向なのだが、カズヤは8方向の強攻撃があるため、C強で上強を出そうとしたら誤って斜め上強が暴発することがある。そしてこの斜め上強2種類、どちらも性能が終わりに終わっている。「今の上強最風なら殺し切れたのに!」というのは日常茶飯事。
その他、「ダッシュ横スマを打とうとしたら左踵落としになった」「左踵落とし出そうとしたらDAになった」「最風出そうとしたら下強に化けた」「雷神拳打ったはずなのに下スマホールドになった」というケースもそれなりに多い。これらはオンラインでの入力飛びなども関わっているとは思う。
勿論正確に入力できないプレイヤーが悪いはその通り。カズヤ使いは常に努力せよ。
ちなみに上側と違い斜め下強2種の腿砕き・踵切りはかなり有用な技のため、ワンチャン誤爆しても割と何とかなる。
腿砕きを狙って出したかったのにしゃがみ斜め下強のシットスピンキックが暴発することもある。が、これは「斜め強攻撃はスマッシュ入力をしてもスマッシュにはならず斜め強攻撃になる」という仕様を知っていれば格段に誤爆率が下がる。知識は大事。

死に技
誤爆以外で出す必要の無い終わってる技がそれなりの数存在する。特にコンボ確定の時に誤爆するとストレスが半端ない。以下死に技の羅列。
-消してほしい
10連コンボ、螺旋幻魔脚、ジャンプサイドキック、シットスピンキック
-一応当てた時のリターンはあるが狙って出す技ではない
捻り裏拳、風神拳

派生受け付けFの短さ
NBと螺旋幻魔脚の派生受け付けFが短い。
NBは遅い発生Fと長い全体Fの飛び道具。射程が長く遠距離の相手に対してカズヤが抵抗する唯一の手段で、崖外の相手に対しては撃墜も狙える優秀な技。弾の判定が見た目より小さく、ノーシフト対地では多くのキャラの姿勢で避けられてしまったりする。正確に当てるためボタンを押してから発生までの間に特定の場所を狙いたくなるが、発生の遅さの割にシフト派生の受付が短いため相手の動きに対応するのが難しい。強い技だが先読みして撃つしかないので、運に任せるケースもある。
螺旋幻魔脚は斜め前上+A×4で出す技だが、1段目を当てて中断するとカズヤ側が-7Fと大幅不利になる。ダブルアッパー確定時に誤爆で螺旋幻魔脚が出てしまった時、ヒットを確認して出し切るという妥協が出来ないのが致命的。この技がオワコン化している最大の要因。原作のキャンセルモーションの長さ故なのだろうが、そんなとこまで再現しなくても…と思ってしまう。もしこれが派生受け付け長かったら強い技になってたかもしれないのに…。

空下
先述した通りカズヤは落下速度が遅く、浮かされた時にどういった対処をするのかが腕の見せ所でもある。その時に取れる手段として急降下技の空下が選択肢の一つとしてあるのだが、これが攻撃判定とやられ判定が被っているため、着地狩りをしてきた相手に一方的に負けるケースが多い。なんなら空Nして急降下した方が安全まである。着地隙も当然長いので見られたらスマッシュぶち込まれる。こっちは原作再現でダウン状態になって無敵の起き上がり攻撃できたら良かったのに…というのは贅沢か。
一応空下自体には崖外の相手に撃つ等使い道はあるため死に技ではないどころか、使い方を誤らなければかなり強い技だと思う。空下の弱さというよりは着地の弱さというべきか。

上投げの無敵
乱闘時に問題になる部分。スマブラの投げは投げモーションに入ると基本やられあり無敵(攻撃がヒットしたエフェクトは出るがダメージなどは受けない)状態になる。しかし、フォックスやファルコの後ろ投げなど、「投げてから飛び道具を追い討ちで撃つ投げ」には、投げた瞬間に無敵が切れて飛び道具を撃つまでの間は無防備になってしまう。
で、カズヤの上投げもそのタイプの投げなのだが、投げてから飛び道具が出るまでの硬直がバカにならないくらい長い。でもって例で挙げた技と違い、こちらは上に投げた相手は飛び道具が当たるまで大きく吹っ飛びはしない。そのため、撃墜安定だと思って上投げすると『自分がスマッシュ食らって死ぬはずの相手は何事も無く帰ってくる』なんて事が起きたりする。
具体的な数字は上投げ全体75F、無敵1-14F、飛び道具発生40F。そら殴られる。ちなみに14F目に固定吹っ飛びで上に放り投げるが、その時に2.5%ダメージが入る。シークの針くらいのダメージは保証されてるわけだな!
(参考までに狐の後ろ投げは全体49F、無敵1-10F、飛び道具発生16F。投げ自体は固定吹っ飛びではないので、こちらは飛び道具が確定しないケースも多い)
ただまあこれは技の仕様を理解してない方が悪いので、良い子は乱闘では上投げ自粛しようね!という話である。良い子はカズヤ使わない?ぐうの音も出ねえ。


"悪い"部分

コンボ被弾中にやる事が無い
カズヤを相手にしていて一番フラストレーションが溜まるであろう部分。最大の問題点。
そもそも「操作をしない時間が長い」というのはジャンル問わずゲームをプレイする上において非常に退屈な時間になる。ストーリーイベントのムービーや戦闘中の特殊演出等であればまた話は別なのだが、スマブラは試合中は常時操作を行うタイプの対戦ゲームである。

他ゲーの例として、コンボゲームとして名高いギルティギアにはサイクバーストというシステムが用意されている。このバーストは「攻撃を喰らっている時に強制的に無敵になり波動で相手を弾き飛ばす」というモノ。一度使うとバーストゲージが空になってもう一度使う為には溜まるのを待つ必要があるが、溜まる条件が「攻撃を喰らう」こと。
そして、ギルティギアは「コンボを繋げれば繋げるほど補正によってダメージが減っていく」という特徴がある。その為極論最終的には何を当てても1ダメージしか入らないようになる。
わざわざ相手にバーストゲージを与えるようなコンボをチクチク続けていると、総合与ダメージが少ないままバーストが溜まって仕切り直し、という事が起こる。そのため、適度に〆てダウンを奪い、有利な起き攻めを続けるのが基本戦術。
また、サイクバーストは出だし無敵にこそなるものの波動部分はガード可能であり、「相手のバーストを読んでガードしターン継続」という選択肢が攻撃側にも生まれる。
つまり、コンボを繋げる事自体が読み合いになるという特殊なゲームデザインになっている。結果としてコンボは爽快感を確保しつつ適度な長さになり、読み合いを回すことと両立させることができている。
まああっちはあっちで起き攻めが凶悪なので問題になりえるんだけども……。

スマブラにはバーストは存在せず、コンボ食らってる間にできる事は"ベク変"と"ヒットストップずらし"の2つ。カズヤのコンボはずらす部分が無いので気分に合わせてスティックを傾けてベク変するだけ。虚無。

余談だが、この項に関する話題を格闘ゲーム界隈で実績を持つどぐら氏が言及されている。是非聞いてみてほしい。

カメラアングル
1on1でカズヤが投げを発動すると、カメラがキャラに寄ったり角度が変わったりする。これが中々自分の周りのプレイヤーに不評で、「状況がわからなくなる」「カメラが予測できないタイミングで動く(掴んだ側の入力タイミングで動くため)から酔う」といった声がある。
演出としてはダイナミックさがアップするので評価点である一方、プレイ面では実害がある(特に3D酔いに関しては自分も常々被害に遭っている)ので可能であればオフにできたりすれば良かったのになと思う。

使ってる側が楽しい
散々強い部分を壊れてると書き殴り、弱い部分をネガりまくってきたが、結局なんで自分がカズヤを使うのかというと「思い通りのコンボができた時の脳内エンドルフィンの分泌量がヤバい」からである。それがこのキャラの最悪な部分。間違いない、こいつは麻薬。
あとカズヤミラーはべらぼうに楽しい。お互いにゲラゲラ笑いながら酷い即死やコンボミスにやいのやいの言いながら遊ぶカズヤミラーは至高。やはり愉快なパーティーゲームだった!(スマブラとは言ってない)


総評

まとめると、「強い意味でも弱い意味でも従来のスマブラSPをしていない」。雑な強化の仕方が目立ってしまい、同じようなシステムを持つキャラと比較しても引っかかった時の理不尽感が強い。
とにかく持っている有利属性が多すぎる。貧弱な機動力と、スマブラに落とし込むと全く強みの無い原作の技モーション故に戦える形にするにはこうするしかなかったのかもしれないが、モーションの原作再現に力を入れすぎ、それを大事にしすぎてしまったのだと思う。
原作再現をされていると作品のファンとしては嬉しい反面、性能がちぐはぐだとプレイヤーとしては素直に喜べなくなってしまう。
桜井さんが紹介動画で「鉄拳の要素を取り入れ、格闘ゲームの個性としてコンボ重視のキャラクターというコンセプト」と語っていたのだが、自分としては「このゲームはスマブラであって鉄拳ではない」という事を主張しておきたい。詰まるところコンセプト自体がゲームとの相性が悪いのだ。
あと、原作では(6以降は知らないので確かな事は言えないが)少なくとも即死コンボというのは壁や段差を絡めた状況限定のものだったと思う。それも位置取りが相当カズヤ側に都合の良い状況限。(2の頃は火力がインフレしてたので魔神拳がカウンタークリーンヒットしたりすると体力の低いキャラは簡単に死んだけども……。)
また、三島一八でジャンプパンチなんてまず使わないし、そもそも地上戦が主体のゲームなのでジャンプする事自体が稀、という部分で鉄拳をしてるわけでもない。
つまりコイツはスマブラのエンジン上でスマブラでも鉄拳でもない第3のゲームを1人でやってると評しても良いと思う。

また、他のキャラを見た時に「別にそこまで原作再現にこだわらなくてもスマブラの形になればいいじゃん!」という気持ちになる部分もある。ネスとか原作だとPKファイヤーもサンダーも使わないし、キャプテンファルコンはそもそもゲーム内でステゴロで戦わないはずだし。スネークも叫びながら地雷設置したりしないしな!(X時代の話)

あと繰り返しますが、カズヤ使ってる側はマジで楽しいです。
ただ、楽しいのとゲームに馴染んでいるかはまた別の問題。初期ミェンミェンのように、暴れすぎるとキャラクターだけでなく原作に対してもネガティブなイメージを持たれかねない。そうなってしまえば「参戦の判断自体が間違いだった」という評価になってしまう。自分にとってはこれがカズヤに対してのいちプレイヤーとしての答えである。麺とは違いカズヤは調整がほぼ入らないままアップデートが終了してしまったのも問題に拍車をかけている。
個人的な感想としては、やはりこの性能で出すよりはもっとスマブラ側に寄せて理不尽感を少なくした方が良かったなという意見である。
最後になるけど、マジでカズヤ使ってる側はクソ楽しいです。


対策

こんな駄文に最後まで付き合ってくれた人のために、簡単な対策になるが、カズヤ使っててやられて嫌なことをついでに挙げておく。
カズヤ側は地上技がべらぼうに強い代わりに、ジャンプの仕様故に高さを相手に合わせにいくのが苦手なキャラクターになっている。それでもリトルマックより空中強いけど。
その為、対策するならまずはジャンプを多用するいわゆるバッタ戦法から始めてみるのがいいと思う。ウルフとかで一生ぴょんぴょんされると自分程度のカズヤでは暴れる以外どうしようもなくなる。一応カズヤ側に最速空中ジャンプ空前空上みたいに戦う手段が無いわけではないけども。
また、パルテナやベレトスの空Nのような多段攻撃を出しながら動けるキャラならめくって着地してしまうのも有効。自動振り向きの項で述べた通り、カズヤは背中側に対して一切振れる技が無い。ガーキャン掴みでも振っていようものならもうシメたもの。

カズヤは落下も遅い上に空中横移動も雀の涙以下。ダメージを稼ぎに行く場合、とにかく浮かせ続けて着地狩りで堅実にダメージを取って相手を地上にいさせないようにするといい。カズヤ側が痺れを切らして空下で強引に着地しようとしてきたらスマッシュで吹っ飛ばせれば理想。浮かせ続けたら大概のカズヤは空下するか空Nでやられ復帰→急降下回避とかやってくる、はず。

最風ガードした時、カズヤ側+3Fとは書いたが、その後カズヤが当てられる技は無い。焦らずに引くなり掴みで暴れるなりしてみよう。最風の削りが大きいのでガードの張り直しは割れる可能性があるため危険。
あと、最風コンボはもう「そういうもの」なので、食らっても適当に左右にベク変しながら仏の御心を保ちましょう。メンタルが崩れると動きが粗くなってしまうので、そうなってしまえばカズヤ側の思う壺である。我々テレビゲームプレイヤーは製作陣の用意したもので遊ぶしかないのだ。


その他後書き

これはキャラの性能には全く関係の無い事だが、個人的に鉄拳2時代の若い三島一八が好きだったので、カラバリでそっちがあったらなあ〜〜と思わずにはいられない。2のボス専用衣装(家庭用では隠しコマンドで使用できた)である丈の短いジャケットの紫タキシード姿に思い入れの深い過去作プレイヤーはそれなりにいると思う。ロングコート&スーツは似てるようで違うんや……。

あと2Pカラーのワイシャツ+ジーンズ+ブーツのカジュアル衣装も好きだった。声も「トワッ!ヤッ!トォーッ!」というボイスが好きなんです。(中田譲治さんがCV当てているらしいですがホントなんですかね?声質違うように感じるから驚き)篠原まさのりさんのドリャ!も好きですが。次回作も続投するなら是非検討してください桜井さん、原田さん。


参考にしたページ


大乱闘スマッシュブラザーズWiki
https://smashwiki.info/メインページ

スマブラSPECIAL 検証wiki
https://w.atwiki.jp/smashsp_kensyou/sp/

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