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その一つの答えが「待つ」ことです

Oct 18, 2005(楽天blogより)

その一つの答えが「待つ」ことです

その人のからだの動きが、その人を言い表すような動きになるには、実に様々な要素を必要とします。
一人一人のからだの条件も残酷なほど良し悪しがあります。
従って、苦手なところも違います。
目指している方向、目的も人によって違います。
年月を掛けてコツコツ実現して行く人もあれば、
ある日突然、眠りから覚めたようにいい動きを見せてくれる
人もいます。

その人がその人として動くことができるようになるには、技術の習得ということもありますが、
それだけとも言えません。
技術力だけではどうにもならないところがあるからです。

その一つの答えが「待つ」ことです。
実のところ、この「待つ」が一番困難で、動きの妨げになっている人は大勢います。

待っていられないのです。
意識でからだを支配して、
がんじがらめになり、逆に “それらしく” したり、
“そのふり” をしたりしてしまうのです。

力を抜くということも「待つ」ことが出来ない時には困難です。
待っていられないから無理矢理力づくで動いてしまうのです。

火曜日は二回に亘って「待つ」がテーマでした。
I さんは、

「実は、私はこのところ自分に必要なのは“待つ”こと
 なのではないかと思っていました。
 今日教室に来て、ちょうど「待つ」が
 テーマだったことに驚きました」

と話してくれました。

あれから一週間、 I さんの動きの変容ぶりに眼を見張りました。
彼女にとって一番不得意で、そして、一番必要だったのは
「待つ」ことだったのでした。
「待つ」ことが、彼女のからだの中で熟していったのだと感じました。

よく解(ほど)けたからだで「思い」を綴っていくことの楽しさ、
気持ちよさが伝わってきました。
それは必ず表現に繋がると期待しています。
彼女は歌をうたっています。

「自分自身のからだに
『任せて待つ』ことが出来ないようで、
自信が生まれるはずはない」

野口 三千三


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