Ep.1-15

私がブログを書くと
東村さんがリアクションをするようになった。
コメントも残してくれる。
いつも語尾に「笑」をつけていた。

私は

「おじさんだなぁ」

と思いながらも
東村さんのブログを読んでリアクションをしていた。

その日も私はバイト先の非常階段でタバコを吸っていた。
ニチニチと
今仲の良い男の子に返信を打っていた。
送信ボタンを押すか悩んでいると
東村さんからの電話が鳴った。

「おつかれっすー。どうしました？」
「お〜元気〜？君の声が聞きたくなってさ〜」
「そんなのいいから焼肉行こうよ〜」
「・・・」
「東村さん？」
「ねぇ〜俺ガンになっちゃったよ〜」
「え？まじ？えっ大丈夫ですか？」
「うん〜別に何も変わらないんだけどさ〜」
「ちゃんと治療受けてくださいよ〜？」
「うん〜。だからさ〜女の子紹介してよ〜。君でもいいからさ〜」
「なんですかそれ。」
「寂しいんだよね〜」
「じゃあ私と焼肉行きましょう」
「だ〜か〜ら〜俺は焼肉もうキツいの〜！」
「あはは。すいませんすいません。いつでも飲みに行くんで言ってください」
「女の子紹介してね〜」
「も〜」

ブツっと電話が切れた。

え？何これ？きもちわる。何紹介しろって。
東村さんもおじさんだなぁ。