眩しすぎるアイドル-マジカルパンチライン-
職場で自分の趣味を聞かれたとき、わかりやすさを重視して「アイドルオタクです」と答えることがある。
けど実際は、私はアイドルについて全く詳しくなくて、行ったことのある現場の数なんて本当に微々たるものなのだ。
じゃあ私はなにが好きなのか。
実は私が好きなのは「アイドル」という概念、のような、そういうものが好きなんだと思う。
今日は、昔からお世話になっている先輩に連れられて、マジカルパンチラインというグループのリリースイベントに参加した。
どんなグループなのか、どんな曲を歌っている人たちなのか、私はあえて彼女たちについて何も調べずに、イベント当日を迎えることにした。
「マジカルパンチラインにはじめて出会った日」を、このリリースイベントにしようと思ったのだ。
そこにアイドルが居て、そのアイドルのファンがイベントを楽しめるのは当たり前のことで、
では、そのアイドルのことを知らない人から見てもそのパフォーマンスは楽しいものなのかどうか、という部分に、本当の実力が表れると私は思っている。
マジパンさんは一体どんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。
緊張しながら席で待っている私の前に、彼女たちはやって来た。
歌い踊る彼女たちを見て、なぜか涙が溢れた。
私は「アイドル」という概念のような、そういうものが好きなのだけれど、マジパンさんのパフォーマンスを見て「これだ」と思ったのだ。
私が見たかった、出会いたかった「アイドル」がそこにいた。
山本花奈。
特に私の涙腺を刺激したのが彼女の姿だった。
なぜあそこまでポジティブなオーラが出せるのだろう。
彼女は、ダンスも全力、表情も全力、歌も全力、全てにおいて全力のフルスロットルでステージに立っていた。
眩しかった。
あまりの眩しさに目を背けてみても、まわりのメンバーもまた、全力のパフォーマンスでこちらに「なにか」を語りかけてくる。
歌に乗せたい想いが、観客に届けたい「なにか」があることを感じさせるパフォーマンスだった。
うまくは言えないけれど
「アイドルとはいいものだ」
「この場所には楽しいことしかないんだ」
ということを、彼女たち自身が心から信じているような、それを彼女たちが私たちに教えようとしてくれているような、そういう感覚を受けたのだと思う。
「楽しいことしかない」なんて、現実にはあり得ないことだと思う。
けれどマジカルパンチラインのステージの上には「楽しいこと」しか存在しなかった。
ステージの上に「楽しい」だけを持って来れるようになるまで、彼女たちは一体どれほどの努力を重ねたんだろうか。
それを思うとますます涙が溢れた。
ステージに魅了されたあとの特典会は、ただひたすらに楽しい時間だった。
どの特典会に参加しようか、誰の特典会に参加しようか、あれこれ吟味するのが楽しかった。
マジパンのイベントには初参加特典もあり、初心者でも、メンバーの名前などをまだ覚えていなくても、その日にいいなと思ったメンバーとの時間を気軽に過ごすことができたのも面白かった。
初参加特典の列に並ぶ人たちに向けて、ファンの人たちが自分たちで作った初心者向けガイドブックを配っていたのも驚きだった。
メンバーの紹介だけでなく、アイドルの現場に行き慣れていない人に向けて、特典会への参加方法なども詳しく書かれているガイドブックだ。
実は、私をマジパンさんに出会わせてくれた先輩というのが、このガイドブックの仕掛け人だ。
先輩がこんなガイドブックを作ってしまうほどの熱量で応援してるアイドルってどんな子たちなんだろう?と興味をそそられて、今回のイベントへの参加を決めたのだ。
そのガイドブックも、先輩だけが配っているのではなく、ファンの人たちと協力しあって、本当にたくさんの人に配っているようだった。
ベテランのオタクが初心者のオタクにやさしいというのも、この現場の良さなのかもしれない。
ファンの人たちはみんな仲が良さそうでありながら、それぞれがそれぞれに自分なりの楽しみ方で楽しんでいて、お互いの楽しみ方をお互いに許容し合っているような雰囲気がとても心地よかった。
これだけのステージを見て、特典会も参加して、非常に満足度の高い1日だったにも関わらず、今回のイベントはリリースイベントなので、なんと後日彼女たちのCDが家に配送されるというのだから驚きだ。
いいのか?
すでに支払った金額以上のものを楽しんだと思っているのだけれど。
この上さらにCDまでもらえるのか。
実質無料じゃん。
末恐ろしい。
いますでに「あの曲もう一回聴きたいな」と思う曲が何曲かあるので、CDの到着が楽しみだなあと思う。
また彼女たちに会える日は来るだろうか。
また彼女たちが関西に来てくれる時には、スケジュールを空けて待っていたいなと思う。
先輩を介してお話してくださったマジパンファンのみなさま。
あたたかく接してくださったスタッフのみなさま。
そして何より、素晴らしいステージを見せてくださったマジカルパンチラインのみなさま。
この度は本当にありがとうございました。
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