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世界について

 ぬるい話をします。本当はぬるくない話題でお伝えしたいことがあるのですが……最近、ラフな記事が書けていないので、その手前の「いきつぎ」のようなものだと思ってください。
 さて、世界についての哲学的な話(笑)じゃないですよ。「世界」って言葉についてです。

「世界」でイメージするものは何か

 みなさんは、「世界」と言われて何……あるいはどの範囲を思い浮かべますか? 「一つだけの花」……まさか宇宙に花はないので、地球とか人類ぐらいのイメージでしょうね。「第7宇宙」……たくさん宇宙があるとしてそれ全体が世界ですか。それとも別世界のように、いくつかの世界があるイメージでしょうか。「ザ・ワールド」……あれは時が止まっているんじゃなくて、動きが止まっているんだと思います。ということで、一つ目、worldから。

worldの意味

 意味といっても、世界は世界なので、語源からですね。ただ、語源というのは諸説ありますし、私は学者じゃないので間違っているかもしれません。ワールドは、基本的には「私たちの時代」というニュアンスです。そこから派生して世界と。たぶん、世界を表す言葉としては、一番ポピュラーじゃないでしょうか。タロットカードとしての意味(あるいは絵柄)でも、閉じた円環であり(正位置なら)完成とか成就ですね。いずれにせよ、「無限に広がる大宇宙」というより、地球とか、そういう水準で閉じられた世界というニュアンスの強い言葉です。

 英語で世界を表す言葉は他にもあって、ユニバーサルについては「ポストモダン」についての記事で触れましたね。名詞ではユニバースです。

universeの意味

 ユニは、前に紹介したように「一つの」ですが、「存在が全部合わさって一つになっていること」から、合わさったものとしてのユニバースってことですね。ワールドとのニュアンスの違いで言えば、全世界とか万物といったことを言いたい時にはこっちを使う、というかんじです。だから、宇宙というニュアンスも言えちゃいます。
 ただ、現代では、ユニバーサル仕様のように汎用性(規格が同じなら何にでも使える)を表す使われ方が多いかもしれません。世界から離れて、言葉の元の意味に戻っていっている感じですね。もっとも、ユニバーサルスタジオは、たぶん、色んなもの(ただし某ネズミの一派は含まない)を一つに集めたという方の意味で使っていると思われます。

 さぁ、他に何があるでしょう。そうですね、もちろん「小宇宙(コスモ)を燃やせ」が残ってます……すいません、私でもギリギリなんで、若い人はわからないでしょうね。コスモっていうか、コスモスです。

cosmosの意味(言葉の変遷)

 このいかにもギリシャ語が語源である言葉の意味は「秩序」です。あるいは平易に「きれいに整っていること」です。だから、化粧品をコスメティックスっていうんです。化粧の基本は整えてることですから。もちろん、対義語はカオスになります。
 ということで、コスモスは世界というより宇宙です。天球の秩序だった動き、宇宙には秩序があるということでピタゴラスが言い出したようですね。でも世界というニュアンスもギリシャの時代からあったんですよ。まぁ、この記事を書いている理由がそれなんですが、ディオゲネスを特徴づけてコスモポリタン(世界市民)というのは、後付けではないってことです。ただ、大事なのはその「コスモス=世界」と言ったときのニュアンスは、ワールドやユニバースとほぼ同じです。逆に言うと現代の「コスモポリタニズム」での、どちらかというと地球全体(earthやglobe)とはちょっと違うってことも覚えておきましょう。
 コスモスという言葉の変遷として、面白いのは、キリスト教神学では、(あの人たちにとっては天国という別の世界があるので)「生きているものが住んでいる世界」のこととして使われました。同じ意味の言葉でアイオーンも使われたようですが、この言葉もギリシャ語からあって……主に時間、時代という意味でした。時間と言えば(ギリシャの神様の名前でもある)クロノスがいますが、アイオーンも永遠を象徴する神さまの名前になってたようですね。さて……気づきましたか? 「イオン」という(グループ)会社の名前は、アイオーンに由来します。なかなか大きく出てますよね。ま、英会話の会社も同じ由来で似た名前つけてますけどね。そういえば、もろ「コスモス」というドラッグストアがあって、すげーネーミングだなと驚いたものですが、色合い的に多分、花の名前のコスモスが由来でしょうね。とはいえ、花のコスモスも「秩序」からきているので、同じことですが。
 すいません、コスモスの変遷に戻ると、ルネサンスの時に、マクロコスモス(宇宙)とミクロコスモス(人の魂)の関連がコスモロジーとかいって流行るんですが、そもそもピタゴラスの時から「人の心の秩序」のニュアンスもあったので、それを焼き直しつつ、ルネサンスらしい人間讃歌のニュアンスが加わったということでしょう。だから、ミクロコスモス=小宇宙を燃やすというのは、煉獄さんの「心を燃やせ」とおんなじ意味です(正確にはかなり違うような気もしますが、キャラクターおよびその奥義との関係性の構造としては同じはずです)。
 
 さて、何の話でしたっけ。ああ、フーコーでしたね(錯乱)。読みます読みます。だって、二冊分やろうとしてるのにまだ、一冊目も終わっていないんですから……。

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