見出し画像

若葉の考えごと #9 デンマーク最北端で考えたこと

The top of Denmark  "Skagen"

授業終わりの金曜日の夕方に出発し、土曜日、日曜日と2泊3日で、デンマークの最北端のSkagen(スケーエン)という街に行ってきたよ。

学校のあるFyn島のとある街から、Skagenまでは鉄道DSBで約7時間。

これがとんでもなく素晴らしい街だった。
うん、街自体、確実に、素晴らしいのだけれども…

何というか、何だか私が小さい頃から思い描いていた「街」っていうものとぴったりと当てはまった感覚。
「ああ、私はこういう街にずっときたかったんだ。」

絵本や映画、小説の世界。これまで自分の目で見てきた景色。
私という人間がこれまでの経験や思い出をもとにして、無意識に頭の中で作り上げていた「街」。

21歳終了間際、ずっと出会いたかった街に出会うことができました。

オレンジ屋根に黄色の壁のお家やお店が集まる。
でも建設の時に統一しなさいというルールはないよ。強制されない国、これがデンマーク。


じっくりじっくり

小さい街だから本来なら1日あればかなり十分かもしれない。
だけど、今回私たちにはおよそ2日の時間があった。

時間をめいっぱい使ってのんびり、じっくりと。
雑貨屋さんや洋服屋さん、少しでも気になったら入ってみた。1店1店、気の済むまで練り回り。
例えば、普段なら入らないおもちゃ屋さんに入ってみた。
買ったばかりぽいおもちゃの箱を抱えて男の子の手を引くおじいちゃんの姿。
ボタンがいくつかついていて、押すと音が出るおもちゃ。そのサンプルで遊ぶ子供の姿。
国は違えど、おもちゃの種類は違えど、日本でもこういう光景はよくみる。

あとはやっぱりレゴが多かったなあ。
今、学校で一緒に過ごしているデンマーク人は、小さい頃こんなおもちゃで遊んでいたのかなあと思いつつ。

ここに来てからたまに考える、「もし自分がデンマーク人だったら…」
私の家族の経済状況を考えて、それをデンマークで…と置き換えると私はどのような地域のどのようなお家に住めるのだろうか。
Skagenだと嬉しいなあ。
でもデンマーク人の私のルームメイトがSkagenはリゾート地っていう位置付けだから「住む」人はお金持ちの人かなあっ…って笑

私だったら小さい頃はこんなおもちゃ屋さんで何を選んだだろうか。

Harry Potterのレゴ。21歳の私でも心を揺さぶられる。



疲れたら、宿へ休みに。
今回泊まったのはある1軒屋の1部屋。
AnnさんとTomさんというご夫婦が持ち主。
キッチンがついていたので、スーパーで買った食材を調理して食べてみた。
港町だし、おいしそうな魚が食べられそうなレストランもたくさんあった。だけど、私たちにはあまりにも高すぎたの。
デンマークに来て、料理する機会はやっぱりあまり多くはなかったから楽しかったな。
綺麗なキッチンだった。
食洗機が、最近日本の実家の近くに大きな拠点を構えるようになったBOSCHのものだった。
部屋の窓の外から、AnnさんとTomさんがデッキで日を浴びながらぽかぽかと読書をしているのが見えたのが印象的だったなあ。
宿のオーナーも一緒に同じ場所で過ごしている。
なんかいいよね。
穏やかな時間が流れていた。
ここで見た景色や感じたこと、1週間経った今でも明確に覚えている。
素敵な場所だったなあ。

海沿いの魚屋さん。かわいい。


白い砂浜の上、目の前のエメラルドグリーンの海を眺め、風(ちょっと強め)に吹かれながらボケーーーーと3時間。
これまで旅行先では、「次!次!」と慌ただしいスケジュール。
だけど今回は、脳を休めて頭の中を空っぽにして、のほほんと。

貝殻や砂をお土産として持ち帰り。
お気に入りの貝殻を探す時間、本当に没頭してたな自分、笑
学校のジュエリーの授業(自分でアクセサリーを作れる授業)で使いたい!という思いもあって…血眼でした。

ここに来て思うのが、お店でキーホルダーやポストカードを買うよりも、自分が五感で体感したものを持ち帰ることが嬉しいなあいうことに気がついた。

例えば、学校の回りのお散歩コースにある花を拾って押し花を。
4月に押した花は今はもう見れない。押し花って案外色が残ってくれる。
だから、この押し花を見ると4月の思い出が蘇ってきたりする。
透明のスマホケースに挟んでいい感じ。

白い砂浜から緑が。何だか不思議。


2つの海が出会う街

Skagenの大の見どころはなんといっても、"Grenen"というユトランド半島の北端!
北海とバルト海の2つの海流がぶつかる場所。

違う方向から来た波が激しくぶつかり合う様子はとっても不思議。
こんな光景みたことがない。
来る前にネットで写真などを見ていたのにも関わらず、いざこの光景を目の前にしてみると、感動と驚きで立ち尽くしてしまった。

北海、バルト海というと日本人の私からすると故郷から遥か遠く離れた海。
この海の境界線を前にして、改めて今自分がすごい場所にいるのだと実感した。

1年ちょっと前の自分は、まさか自分がデンマークに行くことなんて知らない。
これから自分はデンマークに、そしてその国の北端に立って2つの海の境界線を見ることになる、ということを知ったらおったまげるだろうな。
私の留学のきっかけはあまりにも突然すぎたから。

留学が決まってからは、留学中・前後で色々な経験ができれば…という思いから必死に必死にバイトをした。
一人で海外に渡る。ということで渡航前は、思ったよりもお金のことや安全のことで不安を感じることが多くて頭を悩ませた。
あと、2022年は何だか本当に色々なことがあった。正直ちょとしんどい1年だったかも。色々なことを考えなければいけなくてたくさん頭を使った1年。

それを経て、今自分がここに立っていることに改めて嬉しくなった。
これてよかったなあ。
留学を決められてよかった。
休学してよかった。
デンマークを選んでよかった。
この学校を選んでよかった。
Skagen、遠くて交通費が高かったけど来てよかった。
これまでの全ての自分の選択に拍手。

まあ、自分の選択に「正しい」「間違っている」ってないと思うけど…。
結局全てに意味があると思うから。
これまで自分が生きてきた中で培ってきた価値観や出会った人々、色々な経験が積み重なって、「Skagenへ行く」という結果が導き出されたのだと思う。

これまでの自分の生き方、ナイスだよ!
過去の自分に感謝。


…とかいうことを考えながらぶつかる2つの海流を眺めていました。

波と波がぶつかっている不思議な光景



デンマークの最北端での不思議な感覚

もちろんここは初めてきた未知の街。
だけれども、急がず焦らずノープラン、私たちのその時の「やりたい、行きたい」の感覚にフォーカスをして時間を過ごしたあげく、何だか「観光客」ではなくなったような感覚がした。

焦らず急がす過ごす。デンマーク人ののんびりとした日常に溶け込んで過ごしていた気がする2日間。

最終日には街の中を「当たり前ですよお」とツンとした顔で歩いていたかもしれない。心の中は、止めどない新しい発見と感動でいっぱいなのに。
でも確かに安心感というような。自分がこの街に包み込まれていても、緊張感がない。フィットした感じ。

日本から遥か遠く離れたデンマークの最北端の街でまさかの感覚。
リゾート地だとしても…何だかここで少し「住んでみた」感覚。
そして、そこに安心感を見出している自分。

過ごしやすかった。

2日しかいなくても。
デンマーク語が話せなくても。

なんだったのだろうこの感覚は。
一生忘れない!
またいつか絶対に行きます。


And, weather was really amazing all three days❤︎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?