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お祭りのはじまり

今回は、「町はこけしに華やいだ」の
高橋武男さんのお話より、
お祭りのはじまりについて書いていきます。

お祭りのはじまりは昭和23年。

鳴子を愛したこけし研究家の深澤要さんが、この前年に亡くなりました。

「こけしは鳴子に始まり鳴子に終わる」と書き、
戦前から、愛情をもって鳴子温泉を歩き、工人と付き合い、
四十二歳で夭折したこけし研究家の深澤さん。

深澤さんの願いは「こけし歌碑」と「こけし博物館」をつくることだったそうです。
その願いを受け、鳴子温泉と天江富弥さんらとの関わりの中で、
温泉神社に深澤さんの歌碑を建てることが決まり、
記念のお祭りを行うことになりました。

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※除幕式の様子:全国こけし祭り第四十回開催記念誌より引用


昭和23年9月12日の深澤さんの歌碑の除幕式には、
天江富弥さん、立川武雄さん、西田峯吉さん、土橋慶三さんなど、
こけしを研究していた方達もみんな集まりました。

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※第一回こけし祭り案内状:全国こけし祭り第四十回開催記念誌より引用


当時の町の人には、「こけし」という呼び名も馴染みの薄い時代でしたが、
お祭りをやると決まれば、人々は協力し、パレードなども大変な賑わいだったようです。

戦後の時代、町の人々の心に明かりを点したこけし祭り。
このお祭りをきっかけに人々の気持ちが束ねられ、
戦後すぐの鳴子に活気と希望を呼び起こしました。


(文:小林仁美)

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