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椅子のこと 3 (Le Corbusier)

この椅子は, コルビュジェ, ジャンヌレ, ペリアンのデザインによるLC1という椅子です. モダンインテリアには欠かせないとても有名な椅子で, 最近はリプロダクト品もたくさん出ているので, いろいろな場所で目にすることも多くなりました.

シンプルなフレームと皮・ストリングスの張りだけで出来上がっている椅子は, 品がありつつも無骨な雰囲気がとても良いです.
大学の同級生のKの家に遊びに行ったときに, 初めてこの椅子を目にしました. Kの家自体, 某建築家が設計したもので, ただただ衝撃でした.
石とガルバとガラスが組み合わさった端正なヴォリューム, 中庭型のモダンな平面, 重厚な建具, タリアセン, ルイスポールセンなどに埋もれてLC1がありました.  座ったときのあの感覚は忘れ難いです.

その後, ことあるごとに(無くても)Kの家に行っては, さまざまな名品に触れ, 空間を体験させてもらったことは大きな財産になっています.
自分の中で洗練されたモダンライフをイメージするときには, Kの家でみた風景がベースになっていると思います.
ご家族も本当にすばらしく文化的な方達で, お母様にはその後も引っ越しや独立の際にアドバイス(風水占い?)してもらったりと今でも交流させてもらっています. Kは, 離れて暮らす今でも定期的に会っている友人です.
そんなKとお母様から自邸が某建築誌に掲載される記念にと贈られたのが, このLC1なのです!

以前書いたマンジャロッティのジュニアといい, このLC1といい, 大事な方々からいただいた椅子が家には置かれていて, 本当に幸せなことだと思っています.

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