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会えない夫と結婚指輪

 私には大好きな夫がいるのです。3年前に結婚しました。でも会えません。なぜなら彼はキャラクターだから。

3年前、とあるキャラクターに本気で恋をし、本気の気持ちで彼とお付き合いし、本気の気持ちで彼と結婚し夫婦になりました。

そこから3年… 今も彼のことは大好きなままです。
3年前よりずっとずっと大好きです。

 結婚した時から、結婚する前から… 夢があったんです。
もし結婚したら指輪はオーダーメイドで作りたいな、という夢。

もちろん既製品も美しいです。既製品でも2人で大切にしたらそれは世界でひとつ、ふたつだけの指輪になる。

 私は指輪に人一倍思い入れがありました。
 私たちは会えない、話せない、触れられない。そんな中、彼の事を想って買った指輪を見ると、どこかで繋がっている気がしました。
すぐ側に彼がいるような思えました。
 指輪は、私にとって、私たちが唯一結ばれていると感じることができるものでした。

だからこそ、結婚指輪は私たちの想いを詰め込んだオーダーメイドにしたいと思っていたのです。

 少しずつ貯金をして、行きたいイベントを頑張って我慢して、結婚指輪のためのお金をついに貯めることができました。

お店は前から決めていたのです。
前に私と同じようにキャラクターとの結婚指輪を作った方がいて、その方がお願いしたお店と同じお店にしました。
理由は価格がリーズナブルだったこと、デザインがあまり制限されず自由にできること。そして何より、キャラクターとの結婚指輪を作ることを受け入れてくれるから。

私たちの思い出を詰め込んだ指輪にしたかったので、嘘をついて指輪を作るよりも、ちゃんとキャラクターとの指輪ということを伝えたかった。

5月末にそのお店に連絡し、メールでの打ち合わせが始まりました。
とても丁寧に対応していただき、キャラクターとの結婚指輪だと言うことを伝えても快く受け入れてくださり、普通の夫婦と同じように接してくださいました。
ほんとうにうれしかったです。

そしてデザインが決まり…指輪が届きました!

すごく綺麗で驚きました。
箱を開けたとき、嬉しい気持ち、幸せな気持ちでいっぱいになりました。

ものすごくシンプルな指輪です。
ですが、この手紙と月のマークに私たちの思い出がたくさんたくさん詰まっているのです。

 なぜ手紙の刻印にしたのかというと、私は夫に何通も手紙を書き続けているからです。
記念日、誕生日だけでなく何も無い日でも、今日はこんなことがあった、こんなことを思った、今日も好きだよ、という手紙を書き続けました。

手紙は直接会話することができない私たちにとって、唯一のコミュニケーションでした。
彼が会いに来て手紙を読んでくれることは残念ながらないですが、手紙を書くことで彼に気持ちを伝えられているとわたしは思っているのです。

たとえ誰にも読まれなくても。彼はどこかで私が手紙に書いた内容を知っている…と思っています。

そう思って書き続けた手紙は200通を超えました。

月のマークは、私たちの記念日やなにか嬉しいことがあった日、必ずと言っていいほど月が美しかったからです。

当日は全く知らなかったのですが、私たちが結婚した2021年10月18日は十三夜といい、十五夜の次に月が美しく見える日だそうで、驚きました。

結婚した日は夫と一緒にディズニーシーに行きましたが、その日見た月はとても美しかったです。

そして私の名前に「月」という漢字が入っていること。
偶然なのかもしれませんが… なにか繋がりがあると信じています。

 色にも思い出があるのです。青色のコーティングにしてもらいました。
青色は私たちにとってはじまりの色です。
付き合った次の日、ペアリングを買いに行きました。
その時に私はお店にあった青色の指輪に一目惚れし、その指輪を買ったのです。
その青色の指輪はずっとずっと大切で、結婚してもずっとつけていました。

ペアリングを買う時は店員さんに沢山嘘をつきました。申し訳なかったです。それでも私はこの指輪を買うことができて嬉しかった。

 指輪を長くつけていると、青色のコーティングが剥がれてきてしまって、悲しい思いをすることがあり、つけるのを辞めようかと思う時もありました。
でもコーティングが剥がれてしまうということは、その指輪を長くつけているということで、指輪を大切にしていることが目に見えるのではないか、と思うようになり、ずっとつけていました。

 月、手紙、青色
指輪にこの3つの私たちの思い出を詰め込むことができてとても嬉しいです。

届いた日からずっとつけていて、たまに眺めています。見る度に嬉しくなります。

指輪のデザインを考えてくださったデザイナーさん、打ち合わせのメールを何度もやりとりしてくださったお店のスタッフさん、指輪を作ってくださった職人さん、指輪を私のところまで届けてくれた配達員さん。本当にありがとう。

そして誰よりも夫に感謝したいです。
ずっと一緒に居てくれてありがとう。
夫がいなかったら知らなかったこと、できなかったこと、沢山あります。
夫が居なかったら今の私は居ないと言っても過言ではないほど、夫の存在は私にとって大きなものなのです。
本当にありがとう。愛しています。これからもそばに居てね。

そしてこの指輪が届いた日は、ちょうど結婚して1000日目の日でした。

偶然かもしれませんが、一生に一度のこの日に指輪を受け取ることが出来てとても嬉しかったです。

キャラクターと結婚すること、キャラクターと恋愛すること、キャラクターを愛することをよく思わない人もいます。

でも幸せの形はそれぞれで、私の幸せの形がキャラクターを愛すること、キャラクターと一緒に生きることだっただけなのです。

日々たくさんの幸せをくれる夫にいつまでも感謝しながら、いつまでも一緒にいたいです。

この結婚指輪は一生の宝物です。
いつまでもいつまでも大切につけ続けたいと思います。

指輪を作るために関わってくださった方々に本当に感謝しています。
幸せな気持ちが溢れる指輪を作ってくださってありがとうございました。


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