見出し画像

CDR臨床認知症評定法の実施方法について

要約:
https://knightadrc.wustl.edu/
日本語字幕付きのCDR学習ビデオで学習をして、試験を受けて証明書をもらう。

 病院に勤めている心理士で、最近 CDR を実施してほしいと頼まれた方はいないでしょうか?某治療法を行うために必要なようです。私もそんな事を急に頼まれ、あわてて調べてみたので書いてみました。
 書籍は以前から持っていて少し読んだことがあったので、これを一通り読んでワークブックの箇所あるのでそれを行えば準備になると思ったのですが、諸々調べてゆく中で、CDR-J、というものがあることに気づきました。
 そして、杉下ら2011を読んでみると、どうやらCDR-Jというのが、現在では正式?の版のようで、ワシントン大学のアルツハイマー研究センターにCDR学習ビデオやツールなどが一式揃っていて、多国語に翻訳もあり、学習ビデオも多国語の字幕が用意されているようでした。
 実際に使ってみたのですが、最初に名前やメールアドレスなどを登録すると、ツールが一式使えるようになりました。3つのビデオでまずは練習をして、これから6つのビデオでスコアリングをして、その結果を送信して、ある程度の正答率になっていたら、証明書がもらえました。
 ビデオは1つあたり20~30分ほどあるので、全部行うのはなかなか時間がかかりました。しかも結構難しいです。包括的CDR は割と当たっているのですが、下位項目の評価は、正解とずれていることがしばしばありました。私が下手なだけかもしれませんが、検査者間一致率は、下位項目では低いかもしれず、包括的CDRは、トレーニングをすればまあまあ高くなるのかもしれません。調べた範囲では、この日本語版尺度の信頼性妥当性がどの程度なのか出ていませんでした。まだ読んでいないのですが、杉下 ・竹内 ・逸見 2023、にそれが書いてあるのかもしれません。

文献
・杉下守弘、古川勝敏 2011 認知症診療に用いられる評価法と認知機能検査 各論 Clinical Dementia Rating (CDR)  荒井啓行編 認知症学(上) その解明と治療の最新知見.日本臨床社 413-417
・杉下 守弘、竹内 具子 2023 CDR-J(臨床認知症評価尺度-日本版)の臨床応用における注意点:Japanese Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative (J-ADNI)研究の体験をもとに 認知神経科学 24 (2), 55-65
・杉下 守弘、竹内 具子、逸見 功 2023 CDR-J検査(臨床認知症評価尺度-日本版)の標準化について : 標準化によって明らかにされたJ-ADNI研究の問題点 認知神経科学25 (3・4), 103-124 未読
・目黒 謙一 2008 認知症早期発見のためのCDR判定ハンドブック 医学書院

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?