死んでしまった

私の大切な居場所だったはずの人が、いない世界が始まった。

私は悲しみ方が、分からない。
実は、私は、自分のために悲しむ方法が分からない。
レイプされた時も泣きもせず騒ぎもせずに、多少震えて、普通みたいに生活の続きをやった。
中絶した時も泣きも騒ぎもせずに、普通みたいに、生活の続きをやった。
そのうち自分の身体の中にいることが心地悪くて耐えられないから、なんなのかよくわからないけれど、まあ、所謂、普通ではないことになった。

そもそも、鬱状態があったところに、大きな出来事が重なったのだから、仕方がない。
そうだとしても、コミュニケーションに支障が出始めたし、薬を継ぎ足し継ぎ足し飲んでしまう。
悲しいのは構わないのだけど、悲しみ方がわからなくて、身体のおきどころがない。
これで全く、コミュニティに私の居場所がない。きっと。

大切な人がいなくなった世界、
私の居場所がなくなった世界が始まった。

そうやって、
また生きる。

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