君にとっての僕は
夜の街を背中に、愛車を走らせる。
ネオン街を横目に走る。
和:いつもありがとね、迎えに来てくれて助かってる。
○○:そんなこと言うなよ、いつものことじゃん。
和:そんなことって言わないの、感謝を伝えるって大事なんだよ?
○○:はいはい、そうですね。
車内はなぜかいつもラジオが流れている。
傍からみたら僕たちはお似合いな二人なのかな。
ラジオからは最後の曲が流れて止まった。
いつもこうやって、夜は僕たちを飲み込む。
でも今日で最後にしよう。
○○:こういう関係も今日で最後にしない?
和:急にどうしたの?
○○:なんか、うん。言葉にできないんだけどさ。
なぜか彼女からは涙があふれ出ていた。
私と会っている時いつも君は笑顔で、愛し合ってたのも、感じあってたのも全部嘘だったのかなと思うと心が苦しくなる。
○○:きっといつかはこうなる運命だったんだよ。
たくさん君を求めた、全部僕から。君は何を求めてたのかな。
いつの間にか流れているラジオが最初の曲に戻っていた。
本当はこのラジオは止まらないんだね。
いつも君を載せたときに降りるジャンクションまで話してみれば、すれ違った2人もいつかは。
でも、僕は一人で夜更けの高速を走り抜ける。
夜が明ける前には、朝が来る前には帰れるかな。
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