コーヒーブレイク
同級生のシンジと、純喫茶に訪れた
昔ながらの、香ばしい匂いと店のBGMのマッチングがよく、頻繁に来る店だ。
席に案内されシンジは田中に尋ねた。
結婚生活は、優しい地獄やわ。
妻と夫の天秤は、常にどちらかに傾いているねん
言っている意味わかるか?
田中は
わかんないよ
と首を傾げた。
シンジは
どっちかが負い目やコンプレックスがあれば、
それは離婚するまで解消されることはないんや
例えば、例えばやで、俺はマラソンやサーフィ
ンやら体鍛えてて、年の割にはいい体してるやろ
女としたいとかそんな大それた願望はないけど
ある程度はモテたいとかあるわけやねん
田中は
うん、それで❓
と先を聞いた。
注文したコーヒーを一口飲みシンジは
俺は鍛えて、日々努力してるのに、嫁はんはぶ
くぶく肥えてきたんや
何が言いたいかというとな、嫁さんは俺との結
婚がゴールやねん
でも俺は違うねん、何か上手く言えへんけれど
出会いとか期待するねん
と言った。
田中は笑いながら、ウインナーコーヒーを混ぜながら
それは、浮気したいだけなんじゃないの
と言ったものの、男は所詮、そんなもんだろうと思った。
シンジは
なんていうんかな、それで浮気したら、俺が悪
くなるやろ、俺が頑張っても、嫁はんは、ダイエ
ットもしない。
だから結婚は頑張った方が損するってわけやね
ん。
とため息を、ついた。
田中は微笑み
向こうも、同じようなこと、思ってるよ。
とシンジに呟き、コーヒーの味を楽しんだ。
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