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『あなた』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)

『HEART』編もついにこれで最後!
今回は10曲目の『あなた』です。
この曲も『虹』と並んで、アルバム『HEART』の中でも特別な位置付けの曲ですよね。
ここぞというタイミングのライブの締めは基本『虹』か『あなた』かというイメージがあるくらいです。
個人的には『あなた』は7daysの本当の大トリで演奏された時のイメージが強く、例に漏れず特別な思い入れを持っています。
なんというか、なんでもない時に気軽に聴けないくらいの重さが謎にあるんですよねw

そんなことを言いつつ、今回はしっかりと聴き直してみました。
まずは冒頭のストリングスですよね。
最初にこの音を聴いた段階で、あ、これは絶対泣けるバラードが始まるな。と思わせてくれる、ある意味ハードルの上がる導入になっています。
そこからkenのアルペジオとhydeの歌が重なるAメロへと移ります。
このアルペジオはkenの十八番的運指のフレーズなのですが、他の曲とは音の運びが少し違っていて、何となく結婚式的な景色を想起させるんですよね。
一回し終わるとリズム隊が入ってきます。
このAメロのtetsuyaのベース、すごく好きです。
特にコードがDのところで少しだけC#の音が入ってくるところ。
あそこが本当にたまらない。
yukihiroのドラムの音も、『HEART』の他の曲とは違い、少し温かみが増したように感じられる音色になっています。
ゆったりとしたタム回しに、結婚式で新郎新婦が2人でゆっくりと歩いていくような情景を重ねてしまって、更に結婚式感が増してくるパートでもあります。

次に来るBメロ!
個人的に『あなた』で一番グッと来るのがここなんですよね。
ドラムのパターンはほぼ変わらず、ベースは8分のスタッカートメイン、ギターは長尺のフレーズを弾いている中で、ボーカルだけが3連のリズムで差し込まれるこのパート。
このアレンジは凄く良いですよね。
オルガン的な音がこのボーカルを後押しするように重なっていくところもたまらないです。

サビに入るとドラムにタンバリンの音が重なり、一段と華やかな雰囲気に。
このサビのベースはもうフリーダムという感じで、グリス、スライド盛り盛りの、縦横無尽なフレーズが繰り広げられています。
そんな中でkenのギターは一旦オープンコードを伸ばしておいて、そこからカウンターメロディ的フレーズを展開していくような、出し引きの巧みな演奏になっています。
この辺りではライブでもニュアンスの違うその場限りの演奏を聴くことができて、毎回注目してしまうんですよね。
楽曲通してそうですが、サビは特に歌詞の表現がストレート!
ライブで聴くと、『あなた』を観に来ているファンと解釈して勝手に涙ぐんでしまうのは私だけではないと思います。

3度転調してよりドラマチックになるCメロでサビからの勢いが更に高まり、そこから移るのはギターソロ。
このギターソロも、ライブによってかなりアドリブ要素が強く出てきます。
ただ個人的には、この原曲のギターソロは既に至高のレベルで完成されていると思っていて。
特に折り返し地点で出てくる、ハンマリングとプリングをしながらアームで音を揺らしつつ下がっていくフレーズが、これぞken!という感じで好きなんですよね。

そこからBメロを経て、ライブでは皆で合唱するサビ。
バンドの演奏が戻ってからのサビを経て、そのままのコードでアウトロを繰り返し、ライブでは再びCメロと同様の展開を挟んでから曲の締めに移ります。
うんやはり、この曲は改めて聴いても特別な何かを感じますね。

アルバムの終わりとしてもまさに大団円という感じのこの曲。
できれば『あなた』単体ではなく、『HEART』を通して聴いて『あなた』に辿り着いてもらいたいですね。


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