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『眠りによせて』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)

続いて『Tierra』7曲目の『眠りによせて』です。
この曲は、、何というか、不遇の曲ですよね。
ビデオシングルという謎形態ですが、仮にもデビュー作なんですこの曲。
その割には一般的な知名度は非常に低く、デビューシングルということで『Blurry Eyes』が取り上げられることが多いため、更にその存在に日が当たりづらくなっています。
ビデオチャートでならオリコン上位が取れるだろうというレコード会社の策略によるものだったようですが、デビューシングルの位置付けが曖昧になってしまう結果となったのは少し残念です。

さてそうした少し不遇な『眠りによせて』ですが、非常に奥深い楽曲になっています。
というかデビュー作でこんなボサノバイントロから始まる楽曲をよく選んだなと、その判断に驚きを禁じ得ません。
当時のいわゆるV系界隈(L'Arc〜en〜Cielはそうでないという意見は一旦置いておいて)では、デビュー作は疾走感のあるドライブチューンか壮大なバラードというのが相場だったように思います。
そんな中で初っ端からボサノバですよ。
どう考えても『Blurry Eyes』の方が超定番のデビュー曲と言った佇まいなのに、ここで『眠りによせて』を選んだのは、L'Arc〜en〜Cielというバンドの奥深さを表現するのに今になってみれば貢献しているようにも感じられます。
何せボサノバパートがちょろっと入っているというだけではなくて、楽曲の相当な割合がボサノバパートで締められていますからね。
そのボサノバパートからよりロック的なパートに移ると、急にギターの音色が他の楽曲よりも荒い歪みに変わるのですが、この辺りはPlastic Treeみも感じられます。

パートごとの演奏どうこうというよりも、この楽曲に関してはビデオシングルという謎な立ち位置と、ボサノバパートからの変貌というところが象徴的だったので、そこに的を絞って語らせてもらいました。
一つだけ言わせてもらうと、ギターが歪み出した辺りでベースが急に16分的な細かく切るフレーズを入れてくるところが好きなポイントです。

『眠りによせて』は、意外とUNDERGROUNDで演奏される可能性もあるのではないかと個人的には思っています。
うっすらとですが。
意外性という意味では演奏された時にかなりインパクトのある楽曲だと思うので、hydeに「実はこの曲がデビュー曲なんです」なんていうMCを挟んでもらってからボサノバパートに入ると。
定番のセンターステージでのアコースティックパートにどうでしょうか?

余談ですが、ビデオシングルといえばのちにGLAYが『サバイバル』を同じ形態でリリースしていましたね。
そちらは当時購入したのですが、再生し過ぎてテープが死んでしまった記憶があります。
そういう意味でもビデオシングルはなかなか扱いが難しいですね‥

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