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『Promised Land』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)

久々のラルク回です。
今回は『HEART』7曲目の『Promised Land』いきましょう。
この曲もなかなか変わった曲ですよね。
いわゆる往年のHRで稀に見られるハーフタイムシャッフル(?)的なリズムにUK的な演奏が載っているというか。
個人的にはL'Arc〜en〜Cielの楽曲の中でも捉え所のなさを感じる曲の一つです。

楽曲の構成順で見ていくと、まずはイントロのインパクトが大きいですよね。
yukihiroのタムをベースにして刻むリズムからは既に若干の跳ねたリズムが感じられて、おおこの曲はそういうテイストの曲なのかと期待を膨らませてきます。
ブレイクを経て、全楽器揃ってのイントロに突入すると、ドラムとベースには少し跳ねた要素が感じられるのですが、ギターはそこまでリズムを合わせにはいかず、抒情的なメロディーのフレーズを奏でています。
もっと典型的なHRリフを弾きそうなところで、この抒情的なフレーズが選ばれているところにラルクらしさを感じずにはいられません。
更に印象的なのがAメロに入る前のブレイク部分です。
ここではドラムが当初のタムベースのリズムに戻り、ギターは引き続き抒情的なフレーズを奏でている一方で、ベースは3弦の開放音を基本としたうねうねとしたうねりのあるフレーズに変化していきます。
このベースのフレーズはかなり印象的で耳に残ります。
ちなみに、同じようなパターンのフレーズが今後『READY STEADY GO』でも登場するのでお楽しみに。

Aメロではイントロの暗い雰囲気から一変し、メジャーコードの響きが強く感じられる明るい展開に。
ここから感じられる若干の能天気さのようなものは、前曲の『birth!』とも共通するところがあるような気がします。

BメロはAメロの明るさが少しずつ落ちていくような展開で、ギターとベースのユニゾンするフレーズからも邪悪さのようなものが感じられて良いです。
余談ですが、サビの直前のベースの16分のフレーズが初心者にはコピー困難で、当時コピーするのに非常に難儀したのを今でも鮮明に覚えています。
4弦と3弦を行き来するピッキングが上手くできなかったんですよね‥

サビではイントロと同様のコード進行に戻ります。
このサビの空気感も、明るいような暗いようなという微妙なラインで、途中から徐々に暗さが増していくような印象がありますね。
改めて歌詞を読み返してみると、『賽は投げられた』的な現代風刺感が感じられます。

2サビが終わると、エフェクティブなギター?なのか何なのかわからないグリスが入り、そこからいかにも情熱的なギターソロが叩き込まれそうな展開なのですが、まさかの抒情パートに突入ですw
この拍子抜け感というかオチ感凄く好きでして。
リズム隊は淡々とシャッフルのリズムを刻み続ける中、エフェクティブな謎の音色でメロディが奏でられ、左のチャンネルではまったりとした暖かい音色のアルペジオが鳴っているという‥ある意味混沌としたセクションです。
個人的にこの楽曲で一番好きなのがこの箇所かもしれません。

ラストの歌詞、蜜の味がするかい?は他人の不幸は蜜の味からきているんでしょうね。
この歌詞、火星に行こうとか遅すぎた目覚めとか、何かしら元ネタがありそうな表現がいくつか使われているので、ちょっと調べてみようかなという気にもさせられました。

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