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『milky way』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)

『HEART』編もラスト2曲まできました!
今回は9曲目の『milky way』です。
この曲はtetsuyaが作曲のみならず作詞まで担当しています。
他曲のhydeの作成した歌詞と比べると、どこか違いを感じる人も少なくないのではないでしょうか。
改めて読んでみても、特に深読みすることなく受け取ることのできる、ストレートな歌詞だという印象が強いですね。
そもそもこの楽曲自体が、アルバムにおける軽めの曲といった位置付けで作成されているようなので、その意図通りの作品に仕上がっているなぁといったところでしょうか。
『milky way』と言えば天の川なので、七夕的な要素も香らせつつ、星をテーマとした青春っぽい(?)世界観を汲み取ることができますよね。

歌詞のみならず、バンドの演奏もL'Arc〜en〜Cielとしてはかなりシンプルになっています。
ベースになっているのはフレンチポップ的な要素でしょうか。
シンプルなリズム隊の演奏と、印象的なアコースティックギターの演奏が重なる展開はまさにそんな様相です。

ただそんな中でも変化球的な演奏が多々取り入れられているのはやはりL'Arc〜en〜Cielだなぁといったところで。

まず印象的なのはサビでカウンターメロディー的に差し込まれるベースの高音弦でのフレーズです。
基本となるルート弾きのベースの音が鳴っている状態で、重ねてこの高音弦のフレーズが聞こえてくるので、一瞬『これ何の音?』と面食らってしまいますが、『Still I'm With You』辺りから続くタイプのアプローチで、この後『NEO UNIVERSE』のより大胆なフレーズに繋がっていく過程を感じることができます。
更にBメロではベースがかなり強めの音色でハンマリングを織り交ぜた細かいフレーズを弾いており、音色からはひょっとしたらサムピングで弾いている?と予想してしまうくらいのインパクトがあります。
ベースはここ以外の箇所ではルート弾きが主体となっているので、おっ急にフレーズが!とここでも驚かされます。

ギターのフレーズも基本的には非常にシンプル。
使われているコード進行も比較的ベーシックなものなので、L'Arc〜en〜Cielのギターをコピーし始めるには打ってつけの曲なのかもしれません。
ただ変化球的なフレーズも当然盛り込まれています。
個人的に一番好きなのが、2回目のサビ後のブリッジ的な箇所で聞くことのできる、非常にウォームな音色のフレーズです。
ここは実はカポを5フレットにつけて演奏されているんですよね。
ここのフレーズがとにかく堪らなくて、これは筆者だけかもしれませんが、どこかRPGにおける雪が降る街のBGM的な香りを感じてしまいます。
そのせいで、『milky way』というタイトルからは夏感が出ているのですが、サウンドを聴くと冬のイメージを想起して、よくわからない状態になっているというのが正直な感想ですw
そんな混乱は置いておいて、とにかくここのフレーズは絶品で、弾いていてもとても気持ちが良いです。

hydeのボーカルもこの曲に関しては何となくリラックスして歌っているような印象を受けます。
イージーリスニング的な聴き流し方をするのもこの曲に関してはそれはそれでいい気もします。

この曲はどうしても後に発表されるアレンジバージョンの印象が強いのですが、久々に聞くとやはり原曲も良いですね。


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