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『Dearest Love』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲についてひたすら語っていくシリーズ)

『True』もこれがラスト!
10曲目の『Dearest Love』まで到達しました。
これはアルバムのラストを飾るに相応しい壮大なバラードですよね。
ここからしばらく、アルバムのラストは壮大なバラードという傾向が『REAL』まで続きます。
前作の『heavenly』では勢いのある『The Rain Leaves a Scar』で幕を閉じましたが、まあこういったバラードがラストに来ると大団円といった収まり方になりますよね。
そもそもアルバムのどこに収録するかとなった時に、ラスト以外にはなかなか収まりにくいだけの空気感を持っている曲だと思います。

この曲はtetsuya作曲なのですが、意外とこれ以前にはtetsuya作曲のTHEバラードという曲ってないんですよね。
ここから先はどんどん量産されていくんですが、これが初出というのはちょっと意外な感じもします。
『True』は8〜10曲目がtetsuya作曲の楽曲で固められているのは以前の記事でも語った通りなのですが、個人的にはこの構成には若干うーんと思うところがありまして。。
アルバムを通して見た時に似たようなテイストの曲が偏って配置されてしまっているような印象を受けるんですよね。
曲自体は良いんですが、何だかベストアルバム的な脈絡のなさを感じてしまうというか。
ただ『True』というアルバム自体がある意味ベストアルバム的な存在なのかもしれないとも思うので、これはこれで正解なのかもしれません。

アルバムについての話に脱線してしまっていたので、楽曲について話を戻します。
この曲を聴いてまず印象に残ったのはイントロから続くkenのギターのフレーズです。
高音弦でコードを辿っていくようなフレーズになっているのですが、いわゆるローコードでなく高めの音を使うことによって楽曲のキラキラとした空気感を演出していてとても良いなと思います。
ここからBメロ的な箇所で低めの音に移ると、その変化が劇的でまた迫力が出てくるんですよね。
ベースはこの時期では珍しく5弦の低めの音を使っていて、ギターの高い位置にあるフレーズとの高低差が何とも印象的です。
tetsuyaの代名詞的なファルセットコーラスが存分に堪能できるのもtetsuya好きにとってはたまらないですね。

今回改めてこの曲を聴いて思ったんですが、この曲はどこがAメロ、Bメロでどこがサビなのかというのを当てはめるのが難しいですね。
冒頭の部分は構成的にはAメロなのかもしれないけれど、雰囲気としてはサビっぽいし。
というかどのパートも全てサビと言えばサビに感じてしまうほどのメロディの良さです。
これがtetsuya作曲の曲の魅力だと思います。
hydeのボーカルはファルセットからのBメロ的箇所の激しく歌うパートへの変化が印象的で、この辺りの歌い分けはL'Archristmasでのライブ版で更に洗練された歌唱を聴くことができますよ。
ライブ版を見るとBメロ的箇所ではバンド全体がかなり激しく熱を込めて演奏していて、ロックバラード的な熱が感じられるのも良かったです。

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