『瞳に映るもの』（L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ）

『Tierra』いよいよあと二曲。『瞳に映るもの』です。
この曲はL'Arc〜en〜Cielの中でも異色の曲で、基本的にはボーカルとピアノだけで曲が進み、ラストに少しだけベースが入ってくるといった展開になっています。
作曲はkenですが、ギターは一切入っておらず、ドラムも入っていません。(エコーのかかったバスドラっぽい音が聞こえますがこれはドラムではないみたいです。)

メロディーラインもシンプルで非常に聴きやすく、この曲はもうhydeの歌を堪能するための楽曲なのだと思っています。
優しく歌い上げているので、すっと入ってきますよね。
特筆すべきは曲の音域の低さで、この低い音程を当時の今よりも中性的なルックスで歌い上げているhyde、素敵ですよね。
『AWAKE』以降辺りで低域の歌い方の個性が強くなったように感じるタイミングがあったのですが、この『Tierra』期はもっと素直な癖のない歌唱になっている印象です。

歌が終わった後で曲は急展開し、一変してダークな雰囲気になり次の『White Feathers』へと繋がっていきます。
この展開、初聴きの時には誰もが仰天したんじゃないでしょうか。
この箇所のピアノのメロディーはどこかゲームのサントラ感のあるメロディーになってますよね。
ここでようやく入ってくるベースはTHEアクティブベースという感じのダークな感じの音色で、急展開する楽曲の雰囲気を盛り上げるのに一役買っていると思います。

あと、この曲にはMVというか、イメージビデオ的な映像が用意されています。
YoutubeのL'Arc〜en〜Cielアカウントが映像をアップするまで私もその存在を知りませんでした。
定点カメラで並木道を撮影しているような映像で、曲が急展開するタイミングで映像のカラーも大きく変化するので、その変化に着目して視聴してみてもらいたいです。
最後の方で現れるメッセージはTHE初期のラルク！といった感じですが、『Tierra』というアルバムの空気感を表していると思います。