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『White Feathers』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)

ついに『Tierra』もラスト。10曲目の『White Feathers』に到達です。
この曲は名盤『Tierra』のラストを飾るに相応しい壮大なスケールの楽曲に仕上がっています。
なんせ曲の長さが約8分!
L'Arc〜en〜Cielの楽曲の中でも群を抜いた長さです。
そんなにも長いと途中で飽きてしまいそうだと思うかもしれませんが、全くそんなことはありません。
展開のメリハリがよく付けられており、8分間終始楽しんで聴けるようなアレンジに仕上がっていると思います。

この曲と1曲目の『In the Air』が特にL'Arc〜en〜Cielの初期の空気感を濃度強めで備えている曲だと思っていて、そうした曲が最初と最後を構えていることによってアルバム『Tierra』の少し耽美的な空気感が上手く保たれていますよね。
中盤部分の楽曲からはまたどこか異質な雰囲気を感じるものの、そこを世界観強めの曲で挟むことによってアルバム全体の世界観を崩さずに纏めているのは流石です。

細かい部分を語り出すとキリがないこの曲の中で、特に触れておきたいのがギターソロの箇所です。
この直前のサビが「羽根は広がらず落ちて行く」というフレーズで終わっているのですが、その情景、まさに羽が広がらずに急降下していくような映像が脳内再生できるような演奏が展開されます。
この表現力は本当に凄いですよね。
ここからラストに至るまでの展開は特に圧巻です。
非常に開放的な、ともすれば羽を開けて鳥が飛んで行きそうな演奏が繰り広げられるのですが、歌詞で表現されているのはそれとは全く逆の内容だという。
雑な感想ですが、この曲を聴くと「結局コツコツやらなきゃダメなんだからな」というような不思議と現実に引き戻されるような意識になります。
『In the Air』で夢見心地になって気分をしっかり引き戻してくれるような、『White Feathers』という曲名とは対照的な地に足のついた曲だなぁと今回改めて思わされました。

あとはサビの「Will you please show me the way to the sky」の箇所。
ここでコードトーンから外れた音を入れて儚さを演出しているのも良いんですよ。
ここが普通にコードトーンだけのボーカルメロディーになっていたらかなり印象が変化していたのではないかと思います。
「Will you」までとそれ以降で歌う人が変わるこのパート割も憎いですよね。

この『White Feathers』も比較的近年のライブでも演奏されている曲です。
そのため珍しさは落ちるかもしれませんが、やはり聴けたらとても嬉しい曲の一つです。
この楽曲で終わるライブというのも、UNDERGROUNDというコンセプトにマッチしていて乙なものではないでしょうか。

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