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『Blurry Eyes』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)

次は『Tierra』五曲目の『Blurry Eyes』です。
アルバム発売後にシングルカットされたこの曲。
一応扱い的には1stシングルということでいいんだと思いますが、その前に『眠りによせて』がビデオシングルという謎の形態でリリースされているので、デビューシングルという語り方ができないのが若干不憫なところ。

タイトルのBlurryという単語は(ぼやけた)という意味です。
最初聴いた時、ブルーリーと聞こえたので青く透き通ったことを意味する単語なのかと勘違いしていました。
全く逆の意味でしたね。
爽やかな曲調で前者の意味で捉えても通用しそうな曲ではありますが、よくよく歌詞を読んでみると、ああ確かに後者の意味で捉えるのが正解だなとわかります。

この曲も『Blame』に引き続いてのTetsuya作曲。
開けた空気感、キャッチーさという意味では似たような印象がこの二曲から感じ取れます。
ただ、『Blame』に比べると展開が多く、より記憶に残りやすいフックを有したシングル向けの楽曲に仕上がっているような印象です。

前曲の『Wind of Gold』からはオリエンタルな異国情緒を感じ取れる一方で、この『Blurry Eyes』からは欧州的な空気感、中世の佇まいを残した街の景色が似合いそうなキャラクターを感じないでしょうか。
その印象作りに一役買っているのがKenのギターだと思っていて、中でもAメロやサビ、拍子が変わるCメロ的な箇所で演奏されるアルペジオにフレンチポップ的な優雅な印象を受けます。
これらのアルペジオ、開放弦を駆使した非常にメロディアスなフレーズになっていて、コピーを試みた際に大変苦戦したのを覚えています。
さすがアルペジオ職人だなと。

ベースも全編を通してフレーズが細かく、かなり忙しい仕上がり。
そんな中、最後のサビ後に鬼のダウンピッキング的な勢いを感じるルート弾きのセクションがあって、その前までとの落差の付け方も上手いなと思わされました。

ドラムも『Tierra』のここまでの楽曲と比べるとわかりやすく派手で格好良いフレーズが多い印象で、特に最後のサビ前のフィルインは何度聴いてもどう叩いているのかよくわかりません。

そしてこの曲、シングルカットされているだけあってMVが存在します。
このMV、意外と見たことないという人も多いんじゃないでしょうか。
今見ると、流石に年季を感じる映像で、ツッコミどころがちょこちょことあります。
まず、幻想的なメリーゴーランドから切り替わる演奏シーン、部屋がただのリビング!狭い!
唐突に酒を飲み出すメンバー、ギターソロが始まるタイミングでのエフェクターを踏む映像の分身等、ツッコミを入れながら見るのも一興です。
当然メンバーの演奏シーンは格好良く、真面目に視聴してもそこは楽しめます。


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