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『Caress of Venus』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)

続いて『True』の二曲目『Caress of Venus』です。
この曲は私的にはTHE二曲目という印象の強い曲です。
というのも、アルバムのみならずライブでも二曲目に演奏される機会が極端に多いんですよ。
統計を取ったわけではないんですが、ライブで二曲目を飾った回数は最多なのではないでしょうか。
ライブの定番となるくらいに人気のある曲だということですよね。
実際に、人気が出るのも納得の超超名曲だと思います。

この曲はリズムに打ち込みが入っているのが特徴で、その打ち込みがsakuraの生ドラムと合わさってダンサブルなビートを作り出しています。
ここまで軽快なリズムの曲は『heavenly』以前にはなかったですよね。
当時かその少し後の時期にavex旋風で流行したユーロビート的な文脈も感じられる楽曲に仕上がっていて、バンドにその要素を取り入れるとこうなるのかと思わせてくれる楽曲でもあります。
yukihiroが加入してからのライブバージョンではベーシックのリズムがかなり手数の多いフレーズになっていて、このyukihiroバージョンも最高です。
二種類のハイハットを叩き分ける腕の動きが非常に複雑で、よく腕が絡まらないなぁと見る度に思ってしまいます。
タイトで金属的なサウンドのyukihiroの魅力が凝縮されているので、ライブバージョンも是非聴いてみていただきたいところです。

ギターはメインとなっているのはアコギで、時折入ってくるエレキもそこまで歪んでいないというのが乙でして。
アルバム2曲目の、ここからガツんといきそうなところで直球の歪みサウンドに頼らず、変化球的なおしゃれなアプローチをしてくるのは流石ですよね。
一方でライブになるとギターのサウンドは一変します。
ライブではほとんどのパートを歪んだ音色で演奏しており、このサウンドのギャップがライブバージョンのライブ感をより際立たさているようで良いですよ。
Aメロの裏の浮遊感のあるフレーズも、フレーズはそのまま歪んだサウンドをミュートして弾いていて、このアプローチは最高に好きですね。
ギターソロも歪んだサウンドで弾いていて、ラストの方のアウトしていくフレーズがミュートをかけてヘビーな仕上がりになっているのが印象的です。

ベースは16分の細かいフレーズがメインで、音を細かく切りながらもしっかりと経過音でメロディーを入れてくるのがtetsuyaらしいです。
tetsuyaのベースのライブではフレーズの遊びが多くなっている印象があり、ラストの落ちサビではスラップのフレーズも追加されています。
ライブでこういった変化が多くみられるのは良いことですよね。
ライブに行った時の楽しみが一つ増しますし。

ちなみにライブバージョンではラストの終わり方も音源バージョンとは違っており、繰り返されるアルペジオからギターが締めのフレーズに移り、そこにhydeのボーカルがメロディを重ねて曲が締め括られます。
この終わり方はとても美しくて、正直音源バージョンよりも好きかもしれません。

この曲はUNDERGROUNDでなくても頻繁に演奏されるので、押さえておいて損はないと思います。
まだ知らないという方は是非一聴してみて下さい。

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