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『Inner Core』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)

ようやく『Tierra』も半分終わりました。
次は6曲目の『Inner Core』です。
この楽曲は言わずと知れたSakura作曲。
やはり他の三人とは一風変わった雰囲気を纏った楽曲に仕上がっています。

楽曲のコンセプトとしては、前期黒夢によく見られたような狂乱系。
このタイプの楽曲をHydeが歌うのは非常に珍しいので貴重です。
途中大胆にパンを振って登場するセリフパートが耳に残り、ラストのどんどん我を忘れていくような狂乱っぷりはむしろ怖くなるレベル。
これを今ライブで演奏したらどうなるんだろうかと勝手に期待してしまいますが、流石にSakura作曲なので難しいですかね。

この楽曲はベースが非常に直線的なグルーブで、ダウンピッキングでガツガツ刻んでいくフレーズが印象的です。
全編を通してペンタ多めのフレーズで構成されていて、Tetsuyaのベースラインにペンタの印象があまりないのでこれはこれで新鮮。
初期はZONというブランドのベースを使っていて(ひょっとすると今も?)、そのベースにはグラファイトネックという特殊なネックが使用されていたはず。
確か結構硬質な音がするという触れ込みだったはずで、まさにそのベースを使っているんだろうなぁと感じられる粒立ち抜群の音になっています。
ギターソロ明けの定番ロックリフ的なフレーズでその音の良さが際立って感じられるのではないでしょうか。

ベースのルート音が一定の状態で進んでいく箇所の多い楽曲の中、ギターが上に乗るコードを動かして展開を作っていくこの構成もL'Arc〜en〜Cielでは珍しいですよね。
フレーズの中では不穏に聞こえる響きのコードが多数使われていて、楽曲に更なる緊張感を与えることに寄与しています。
あとKenにしては珍しく派手なアーミングで音を揺らす箇所も多いです。
これは初期によく使用されていたスタインバーガーなんでしょうかね。
こういうのも初期ならではといった音作りで、今聴くとこんなこともやってたんだと新鮮です。
ギターは全編を通してDEAD ENDのYOUさんのようなテイストを感じる演奏になっていて、こういうところからも影響を受けたアーティストからの意匠が感じられて面白いんですよ。

あとは作曲者であるsakuraのドラムもいいんですよこれ。
どこを切り取っても非常に格好良いんですが、特にサビのリズムの中でバスドラの位置が少しずつずれていくパートが堪らないです。

改めて聴いてみてもこの曲は異色だなぁと思います。
この曲はyukihiroが叩いたらどんな仕上がりになるんでしょうか。
もしこれをライブ会場で聴くことができるなら、「Where is my body,where is it?」でみんなで盛り上がりたいですね。

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