【絵画によせて/詩】No.10
「嗚呼なんて私は惨めなんだ。貧乏で見窄らしく頭まで禿げて、何をやっても失敗ばかり。金も底が見えはじめた。これから何をすればいいのだ、私に何ができるのだ。ああ誰か教えてくれ助けてくれ」
そんなセリフを想像するが、叫んで投げ出して泣きたいのは、今の俺だ。
おっさんよ、感傷の身代わりにしてすまんな。あんたは、ゴッホのためにポーズを取ったんだってな。
一枚の絵で、一ページの文章で、あんたの、俺の、ことがわかってたまるか。
こうして出会ったのもなにかの縁だ。願わくば、あんたが気高く生きて死んだなら嬉しい。願わくば、俺も気高く生きて逝けるように祈ってくれ。
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