クソみてぇなビットレートから考える高画質

まずはこちらをご覧ください↓

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静画による比較です。

左側はゲーム画面をスクリーンショットしたもの。右側が720p30fps CBR Quality high 500Kbpsで10秒間録画したものです。

ズームなしの等倍比較画像ですが、かなりの差があるのが見て取れると思います。

なぜ差が出ているかと言いますと、500Kbpsというのがとんでもねぇ低さのビットレートだからです。

ビットレートが不足していると画質が下がる。

というのは上の画像からも明らかです。

では、ビットレートが充分に足りているなら場合なら、絶対に高画質になる。と言い切れるでしょうか?

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↑これは同じ画像を1080p30fps CBR Quality high 300000Kbpsに設定し、ランチョスで縮小して360pで出力したものです。

300000KbpsはOBSで設定できる最大ビットレートです。(ブルーレイで40000Kbps)

上の画像も高ビットレートのおかげで、非常に高いクオリティで録画出来ていることが分かります。

ですが画像がとても小さいです。

解像度はとても大事

上の画像がとても綺麗に撮れているのは誰の目から見ても明らかです。ですがそれは『等倍の時点では』です。

ではこれを、720pに拡大した場合どうなるでしょうか?

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台無しです。

等倍の時点では圧倒的高画質を誇っていましたが、拡大またはフルスクリーンで表示させた場合には、粗が出てしまいます。

ビットレートは解像度の壁を越えられない

ビットレートが同じであれば、解像度が違っていても、同じ画質になる。というわけではありません。

300000Kbpsという圧倒的なビットレートを有していても、解像度が適切でなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

ビットレートが充分に足りている場合、解像度が高いほど画質が良くなる。

こういう話を聞いたことがあるかもしれません。「1080pの画面を縮小して720pで出力した方が、1080pでそのまま出力するより画質が良くなる」と。その話を鵜呑みにして実際に720pで動画を投稿する人もいるかもしれません。しかし、ビットレートが充分に足りているなら、1080pのままで出力した方が高画質になります。

現実的な値での比較

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↑どちらも8000Kbpsで録画したもの。左が720pをフルスクリーンで表示させたもの。右が1080p。

同じビットレートでも720pの方が全体的にボケています。

ビットレートと解像度はセットで考えるべきですが、同時にビットレートと解像度は似ているようで全く異なるものだと考える必要があります。

ビットレートと解像度以外の画質要素

ビットレートと解像度が画質のクオリティに大きく関わっていることは分かりました。

ですがこれだけでしょうか?これ以外にも何か、大きく画質のクオリティに関わる要素があるかもしれません。

人が画質の悪さを感じるのは主に動いている状況

止まっていると綺麗だが、動くと荒い気がする。そういう動画をたくさん見たことがあると思います。そういう画質の乱れとなる原因の多くはブロックノイズによるものです。そしてそれはビットレートの不足によって生み出されます。

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↑デレステのMVを1080p60fps CBR Quality high 8000Kbpsで録画。

上の画像を見ると、至るところにブロックノイズが発生しているのが分かるかと思います。

一方で、ビットレートが8000Kbpsもあれば、静画でブロックノイズが出ることはほぼありません。

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↑同条件で静画を1分間録画

ビットレートが最も下がったタイミングでスクショを撮って、データを確認してみましたが、大きな乱れは見当たりませんでした。

動かないものを取り続けている場合は少ないビットレートでも綺麗に映る

しかし、動くものの場合は違います。より多くのビットレートが必要です。それが素早く動けば動くほど、たくさんのビットレートが必要になるのです。それはフレームレートにも同じことが言えます。

フレームレートは画質に影響をもたらす

フレームレートが高くなればなるほど、多くのビットレートが必要になる。

しかしこれは本当のことなのでしょうか?それを確かめるために一つの実験をしてみます。

8000Kbps30fpsと8000Kbps60fpsで同じMVを録画する

高フレームレートの方がより多くのビットレートを必要とするのなら、同じ値のビットレートで撮影したときに、60fpsの方が映像の乱れは大きくなるはずです。

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↑左が60fpsで右が30fpsです。

比べてみると、60fpsの方が背景などに少しだけ強くノイズが出ているのが分かります。

物凄い大きな差ではないが違いは出る

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特に動きの速いものに対しては違いは大きく出ます。

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スクショで比較して分かる程度のノイズだが…

横に並べて分かる程度のノイズですから、それほど深刻になる必要はないのかもしれません。しかしダンスモーションなどの場合には、連続的にこのようなノイズが出てしまうため、じっと見ているとやはり違和感を覚えることもあると思います。

60fpsと30fpsには違いがある

動きの多い状況においては、30fpsの方が高画質だと言い切ってしまってよいでしょう。特にビットレートが制限されている中でフレームレートを高くすることは、画質低下の一つの要因となってしまいます。

そうはいっても60fpsならではのぬるぬる感は魅力的

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↑デレステのライブも本来は60fps。

画質のために本来60fpsのものを30fpsに制限しなければならないとしたら、それはひどく悲しいことです。ブロックノイズの問題は厄介ですが、それを避けるための代償としてのフレームレート半減は、対価としてはやや大きいように感じます。

画質かフレームレートか

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↑youtubeにおける解像度別推奨ビットレート。

もしビットレートを8000Kbpsと決めた場合、現実的な設定として、

1080p30fps、もしくは、720p60fpsのどちらかが候補になります。

1フレームあたりの画質を優先するなら1080p。60fpsならではの滑らかな動きを優先するなら720p。

どちらを選んだとしても正解はありません。それぞれの設定にはそれぞれの魅力があります。自分にとって何が一番魅力的だと思うか。それを軸に考えるのが最もよい方法でしょう。