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何気なく使っているモノ・コトの裏側~ドメイン~

今日は、インターネットドメインのお話です。「.com」とか「.jp」の部分ですね。仕事や趣味でホームページを作成すると「ドメインを取得する」ということをしますが、お値段はピンキリです。なぜそんなことになっているのか?ということも触れたいなと思います。

日本でサイトを作れば.jpになるんじゃないの?

ぼくは最初そう思ってました。だって、jpは日本(Japan)だよって教えてもらいませんでした?

という言い訳はさておき、ドメインという仕組みを簡単にまとめてみます。まず、ブラウザで会社のホームページにアクセスしたい!という場合には会社のホームページがどこにあるのかを知っている必要があります。ここで、「どこにあるのか」に当たるのがグローバルIPアドレスで、インターネット上では世界に1つしかない番号になります。このグローバルIPアドレスがわかれば、アクセスできるわけですが数字の羅列なので覚えておくのは大変です。そこで、わかりやすいドメインというものが利用されます。よく例えられますが、とある位置を表すときに、グローバルIPアドレスが緯度経度、ドメインが住所に当たります。2つとも同じ位置を表していますが、住所の方が覚えやすかったり、日本なのかアメリカなのかも見ればわかりますよね。インターネットの世界もそれと同じで、グローバルIPアドレスに対応するドメインを持つことができます。

このグローバルIPアドレスとドメインの関係を保持しているのが、DNSサーバ(Domain Name Server)です。ブラウザでドメイン名を入力すると、DNSサーバに「このドメインのIPアドレスわかる?」と聞くと、「XXX.YYY.ZZZ.AAAだからそっちにアクセスしてね」と教えてもらえるので、グローバルIPアドレスを覚えておかなくてもアクセスできます。

DNSサーバを経由したアクセス例

とはいえ、世界中すべてのサーバのグローバルIPアドレスを1つのサーバで管理できるわけもないので、大きく以下のような階層構造になっています。

  1. ルートサーバ:一番上位のドメイン名のDNSサーバがどこにあるかを管理

  2. TLDサーバ:ドメインの中でのDNSサーバがどこにあるかを管理

さらに、これ以下もより詳細に区分されて管理されています。フローとしては、まずルートサーバに問い合わせをして、ドメインを管理しているDNSサーバを教えてもらいます。教えてもらったDNSサーバにさらに問い合わせをして、次のDNSサーバを教えてもらう、・・・を繰り返して最終的にWebサーバのグローバルIPアドレスにたどり着きます。詳しくは以下を参考にしてみてください。

つまり、ドメインとは「グローバルIPアドレスと1対1で対応するもの」というだけで、日本にWebサーバがあったとしても「.com」や「.uk」のように海外のドメインでも問題ないということになります。

テック系企業で使われるドメイン

普段、検索をして出てくるホームページは、日本であれば「.jp」がほとんどじゃないでしょうか。そんな中で、最近個人的になんだろ?と思ったのが「.io」ドメインでした。気付いたのはGitHub Pagesで静的サイトを作ったときに割り当てられたのがgithub.ioでした。さらに以前の記事(「エンジニア視点でのローコード/ノーコードの使い方」)の中に書いたWix(EditorX)でもeditorx.ioが割り当てられました。ioってどこ?とともに、なにか意味があるのかなーと思って調べてみたら、

「.io」ドメインは、イギリス領インド洋地域に割り当てられているccTLDですが、データの入出力を意味するI/O(Input/Output)を想起させることから、テック系のスタートアップ企業をはじめ、コンピュータサイエンス分野に関するWebサイトやブログにおすすめのドメインです。

ということでした。なるほどです。ただ、言われるほど、ぼくにはテック系という感じがしないんですが。。。

有料でもいいドメインを取りたい訳

これまでドメインの仕組みをお話してきましたが、現在では基本的のドメインは有料です。しかも、値段がピンキリです。例えばですが、お名前ドットコムで「ninja-samurai」でドメインを取ろうとすると、

  • .co.jp:2,040円

  • .com:0円

  • .ai:13,090円

  • .io:5,980円

  • .inc:49,800円

かなり幅がありますね。確かに「.io」ドメインも人気がありますね。じゃあ、なんでこんなに値段に幅あるのか。その要因の1つは、SEO(Search Engine Optimization)対策です。

今では、何をするにしても検索エンジンを使ってホームページを見つけていますよね。ぼく自身もそうです。検索エンジンで調べた結果で、どこにアクセスをするかというと、やっぱり上位に来たサイトですよね。1ページか2ページくらいは移動するかもしれませんが、10ページ以上先の検索結果は見たいこともないくらいです。つまり、検索エンジンで上位に来るということがアクセス数に直結するということになります。なので、人気のドメインを取ることでたくさんの人に見てもらうことができ、お金を払ってでも結果的にプラスになるということです。

「.ai」がすごい高いのは今注目度が高いからなんでしょうね。

他の国のドメインを使うのはどうなの?

さて、じゃあ自分でサイトを立ち上げるときには、どんなドメインにしたらいいかということですが、やはりたくさんの人に見てもらいたいのでSEOは気にしたいです。トップレベルドメインで考えると、

  1. 国別トップレベルドメイン(ccTLD:country code Top Level Domain)

  2. 一般的なトップレベルドメイン(gTLD:generic Top Level Domain)

のいずれかかなと思います。ccTLDは日本であれば「.jp」、gTLDだと「.com」や「.net」ですね。なんとなくccTLDの方が信頼感が高いような気がしますが、ccTLDの場合は海外からの検索には弱くなってしまいます。あくまで日本向けのサイト、と検索エンジンは判断してしまうからです。今後世界への発信も考えているのであれば、gTLDを選択する方がよいかもしれませんね。

ここで、先ほどの「.io」ドメインに対して疑問が生まれます。


「イギリス領インド洋地域に割り当てられているccTLD」なら、Microsoftがなんで使ってるの?

イギリス領インド洋地域にエンジニアがいっぱいいるの?


この答えは、「ccTLDだけどgTLDとして扱っているから」です。Googleは「.io」ドメインだけではなく、以下のサイトに記載されているccTLDは一般的なトップレベルドメイン(gTLD)のように扱っているそうです。

すっきりしました。だけど、検索に関してはやはりGoogleが圧倒的に強くてデファクトスタンダートになっているんだなぁと改めて感じました。Web2.0の世界だ。。。

という訳で、自分でドメインを取るときはちゃんと考えて取った方がよさそうですね。ちなみに、ぼくは実は1つドメインを買っています。サイトはまだ何もないんですが、ドメインに関して調べたときに早くとっちゃった方がいいかも!?と思って勢いで買いました。サイトが出来上がってきたら、また紹介しないなと思います。お楽しみに!!

最後に、ccTLDが国を変えた話です。なんかすごい金額。。。


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