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君がいない世界は、ちょっとだけ物足りない。②
2.忘れられない人っています?
「先輩って彼女いるんですか?」と僕の隣に座った藤木が尋ねてきた。
矢継ぎ早に「あ、ただの雑談ですよ、気があるんじゃないかって勘違いしないでくださいね」と付け加えてきた。
「その余計な一言がなければかわいいのにな」
「かわいいと思ってるんですね!」
「余計な一言がなければっていったよな。勘違いするなよ」
「なんか私の真似してますよね」
高校のときの親
君がいない世界は、ちょっとだけ物足りない。
1.あの子の気を引きたくて
僕は嘆いた。己のコミュ力のなさに。
今は昔。と思いたいところだが、ついさっきのことだ。
肩をちょんちょんと突かれたので振り向くと、同い年くらいの美人な店員が僕の横にいた。
「もしかしてA大に通ってません?」
店内は昼時で賑わっているため耳元で聞いてくる。
彼女から香水か柔軟剤かは分からないが、フローラルな香りがふんわりと漂ってきた。ランチを食べたばっかりの口臭は大
「大丈夫」という言葉、僕は好きになれない。 あらすじ
後輩がうつ病になった。僕は気にかけていたつもりだったが、結局何も出来なかった。そんな自分の無力さに打ちひしがれていた。
事故が危ないからと遊具が撤去されて、滑り台とブランコと鉄棒だけが残った公園。「先輩、私もう限界です」「なんか疲れました。仕事辞めたいです」そう言って去っていった後輩たち。取り残された遊具と自分が重なる。
そんな時、1人の女性が声をかけてきた。そこから僕らの物語が再び動き出す