見出し画像

形骸化するアンケート

学期末に入り、受けている授業の多くが終了した。そして、それぞれの授業が最終回を迎える度に受講した学生は「授業アンケート」への回答を求められるのだが、これがなかなかの曲者なのだ。

Twitterの投稿にも書いたが、まず躓くのは授業への5段階評価。「とてもそう思う」から「全くそう思わない」までの5段階で各項目に答える。これがそもそも曖昧だ。「とても」ってどれくらいだ。「少し」とどの程度違うのか。私自身ですらよくわからない。さらに、これには個人差だって多分に含まれる。私の「少し」と他人の「少し」にはきっと大きな差があるだろうし、それを誰かが推し量ることは相当に難しい。そんな状態でこのような定量的な評価をすることに何の意味があるのだろうか。そして、そんな状態で得られた情報で一体何が分かり、どう役に立てられるのだろうか。

授業が一方通行で行われることがないように学生がフィードバックをする機会を設ける必要があるのはわかる。しかし、授業アンケートを記入してもらうということは多くの学生の時間を頂戴することであり、そうするからには学生にとってもリターンのあるものである義務があるはずだ。そうでなければ、学生はアンケートに回答することに期待を持てなくなってしまう。アンケートは学生にとって数少ない意見を表明できる場だ。そこは学生の意見が明瞭に示され、それが授業へ反映されるような環境でなくてはいけない。それには今のままではダメだ。大学側に任せきりにするのではなく学生の方からもなにかアクションを起こさなくてはいけないと私は考える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?