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伝播する"想い" 【Footwork & Network vol.20 No.7】

去年の暮れあたりからアナログゲームを作成するプロジェクトに参加することになった。今日はそのプロジェクトのはじまりについてお話ししたい。

鶴の一声

「アナログゲームを作りたい。力を貸してほしい。」
突然の連絡。ひろぴーとは中高を同じ学校で過ごして以来あまり連絡を取っておらず、抱いた感想は「いきなりなんだ」だった。アナログゲームは好きだ。連絡をくれた彼を含め、中高から今に至るまで多くの友人と一緒にプレイしている。しかし、やることと作ることでは話は大きく変わってくる。なぜそうしたいと思ったのだろうか。少し気になるのでこう返信した。
「話を聞かせて欲しい。聞いてから判断する。」

再会

話を聞く場は1週間も経たずして訪れた。彼は仙台にいるため、対面での対話は難しく、オンラインでの開催となった。zoomに参加すると同時に気づく、彼だけじゃないのだ。その場には私を含め4人のメンバーがいた。他のメンバーも同じく中高で一緒に過ごした友人たちだ。そして同じく大学に通い始めてから連絡を取っていなかったため、若干の気まずさもあった。そして私たちを集めたひろぴーが口を開く。

「"好き"をカタチに」

時々言葉に詰まりながら、彼はこう語った。

「僕はアナログゲームが好きだ。みんな(私たちのこと)と中高時代にアナログゲームをした時間が忘れられないほど楽しかった。デジタルゲームでは感じられない"あたたかさ"を感じられるから。コロナ禍の中にあってこの"あたたかさ"が徐々に失われていっている。そんな今だからこそ僕が中高の頃にみんなと感じていた"あたたかさを"多くの人に伝えることがしたい。」

「アナログゲームを作ることは昔からの夢だった。「自分だったらこうする」という想いをカタチにして、いろいろな人に知ってほしい。そして、中高時代に一緒に楽しさを分かち合ったみんなにその夢を手伝ってほしい。」

私の記憶している彼はこんなクサイことを言うタイプではなかった。なんて熱烈なアプローチだろう。これじゃあまるでプロポーズじゃないか。
彼はさらに私たちにすでに構想しているアナログゲームのプロトタイプを共有する。私はそれを見てさらに驚いた。ざっと見るだけで20種類はある。もちろんよくできたものから思いつき程度のものまでバラバラだが、そこから彼の決意のようなものが伝わってくる。

友人→仲間

私は圧倒された。そして同時にそのプロジェクトに誘われたことを光栄に思った。彼はおそらくクリエイター気質の人物だ。何かを仕切ったり、人前で何かをプレゼンするのはきっと苦手だろう。そんな彼が私たちにここまで熱くを気持ちを語ってくれたのだ。きっと残りのメンバーは全員こう思ったに違いない。

「彼の夢を支えたい。彼の力になりたい。」

その日集まった全員が誘いを承諾し、私たちは中高からの旧友から同じ想いを共有する仲間になった。

長い道のり

目標は今年の11月に行われるゲーム即売会「ゲームマーケット」への出展ということになった。とはいっても素人集団。スキルも人脈もほとんどない。0からのスタートだ。何もかもが初めてで何もかもが難しく感じられる。でも不思議と悲観的な気分にはならなかった。きっとこのメンバーとならいいものが出来上がるから。できることを少しづつやっていこう。

今回はきっかけとなったひろぴーの話を中心にプロジェクトについて触れてみた。機会があれば他のメンバーについても話すつもりだ。彼らもひろぴーに負けず劣らず曲者で一緒に活動するにあたってたくさんの刺激をもらっている。そんな環境に自らを置ける幸運に感謝しつつ締めとしたい。




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