透明

知っているかい?涙なんて通り雨で特別な意味なんかなくて、ただの気まぐれなんだよ。天気ときどき最終兵器。あんなの赤くないだけの血液だ。流れても水分だけが奪われて、他は何にも持ってっちゃくれない。白い、白い、まるで雪みたいなキラキラひかる何かが身体の中に溜まっていく。綺麗だね、と言うの。ねぇ、君もそう想うの?共感ばかり求めて、それが全てで、誰かと同じでないといけない気がして、そのために削ぎ落としてきた自己が手首に引っかかって体温が測れない。手が繋げない。“同じ“に価値なんてないのに。違ったままでは息が出来ないと思っているんだ。「そんなことないよ」と私が叫んだら、何か適当な名前が付けられて適当な袋に詰められて燃やせないゴミにでも出されてしまうのかもしれないね。それはそれで楽しいね。それからどうなるのかな。色が無くなって、透明で、向こうの景色がすっかり透けて見えて、視えて、それはもう無いってことだ。“同じ”だ。お揃いだね。嬉しい。

あれ?君はどこにいったの?

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