短い日記…20160817

昔から得意技は妄想で、暇になればすぐに登場人物を会話させて遊んで楽しんでいた。現実に存在する誰かでもいいし、それをモデルにした誰かでもいい。お気に入りの漫画のキャラクターで遊ぶこともあるし、歌手や芸能人、誰でも良かった。とにかく会話を繰り返して、その景色を楽しんでいた。そしてこの遊びには鉄則がある。これは不思議なもので、いつも必ずそうなるのだが、こうして妄想した内容は必ず「実現しない」のだ。ありえない訳でもない、ともすれば身近な友人たちを勝手に登場人物にした時なんかは、「こういうのありそう」とにやつきながら空想していたものなのだが、どうにも決まって実現しない。まずその状況にならない、というのもある。シチュエーションが整ったところで、登場人物たちの使う言葉は、私の想像の範囲外からやってくる。その度に思い知らされるのが、「私の想像は結局私の想像なのだ」という事だった。貧困な発想力では、実際の人物たちの持つ、脳という宇宙を解析できるわけもなかった。

「実現しない」というのはどうにも厄介で、思っていた以下の出来事(これは私の主観にとって、空想よりも「楽しい」かどうか、という基準をとった時の話である)となるのが大半だった。些細な日常の会話がドラマチックになる事なんかない、と、思い知らされるのがいつもの事で、その度に「まあそんなもんよね」と思う。前述したが、そもそも妄想していたシチュエーションが整わないので、実現するしない以前に「元から芽がなかった」というオチもある。

しかしそう思っているからこそ、「想像していなかった、想像以上のイベント」が発生すると、ひどく心が揺さぶられる。ラブストーリーは突然に、という具合に。そして、私はそういう出来事をもたらしてくれる人たちが大好きだ。

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