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感想たち

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#松居大悟

ポポリンピック―大切なものを大切にすることの大切さ、そして難しさ

2020年1月12日(日)、こまばアゴラ劇場で、ゴジゲン第16回公演「ポポリンピック」を観てきた。 今年8月に開幕する東京オリンピックから着想を得た「選ばれなかった男たちの物語」だという。 ゴジゲンメンバー6人(松居大悟、目次立樹、東迎昂史郎、奥村徹也、本折最強さとし、善雄善雄)に加え、客演で劇団献身の木村圭介が参加、7人態勢での舞台となった。 これまでのゴジゲン作品は、アパートの一室や部室などの空間で繰り広げられる私的な人間模様をモチーフにすることが多かった印象だ。しかし

「君が君で君だ」ねじれた片思いに身を捧げた男3人の青春

映画「君が君で君だ」に出会うまで この映画のDVDを手に取ったきっかけは、数年前にクリープハイプの音楽を聴くようになって、彼らのミュージックビデオをいくつか撮影した松居大悟監督の存在を知ったことだった。映像作家かと思ったら「ゴジゲン」という劇団を主宰しており、舞台、映画、ミュージックビデオ、テレビドラマなど様々なものを手掛けていることが分かってきた。作っているものを見ても、ミュージックビデオなのか短編映画なのか分からない作品があったり、映画のようにロケ地で撮影されているのに出