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【MTGレガシー】令和の猿を叩き斬れ!!エンジェルストンピィ調整記

皆さん、お久しぶりですアベです。
10年以上前は中野のカードショップで働きながらレガシーの大会を開催したりしていましたが、ここ数年はMTGから離れており、毎日のように書いていたDiaryNoteも消した今、MTGについて140文字以上のテキストを書く習慣が無くなっていました。それがこの2週間ほど本気でエンジェルストンピィの構築に取り組んでおり、少々手応えを感じたので調整記を書こうと思います。

エンジェルストンピィとは?

2000年代後半のレガシー初期に登場したアーキタイプで、古の墳墓や金属モックス等でマナ加速を行い白のファッティを高速展開するものです。エンジェルと銘打たれていますが、これは初期に《賛美されし天使》が利用されていた事に基づくものであり、初期のビートダウン型から《虚空の杯》を採用したストンピィ型まで、白+マナ加速 以外にこれといったアーキタイプ定義が定まっていない実は謎の多いアーキタイプです。

2010年以降は《悪斬の天使》も強力な選択肢に

よって現在で言えば白スタックス白エルドラージが近縁だと言えます。
前提としてプレイヤーが少なすぎるので、そろそろエンジェルストンピィ首脳会談を開催しておらがエンジェルストンピィが正統だべと定義なりを決めたら良いと思います(全国総勢5名くらいで)

順当に殴るプランか・ロックに賭けるか?

現在の私のレシピ(神挑戦者決定戦)

存在しない歴史を語っても仕方がないため、早速レガシー神挑戦者大会時点でのレシピです。

怒りの《孤独》4枚体制

前週の休日大会にて手応えがあったものを更に調整したもので、モダホラ2の枚数だけが真実であると信じ《孤独》をフル投入。チャリスで取りこぼした《敏捷なこそ泥、ラガバン》許すまじ、な構成としました。本稿ではこのリストに至るまでの10年間の軌跡を辿って行きたいと思います。

1. これは呪いか。それとも罰か。

知らぬ内に現在確認出来る最古のエンジェルストンピィ使い(以下村長)になっていたのでした。というのも、晴れる屋のデッキ検索 (*1) にて、どこか後年のタイミングでAMCのデッキレシピがインポートされたらしく、2012年にTOP8に入賞した私のレシピがエンジェルストンピィとして掲載されていたのでした。

次のレシピが4年後なのでアーキタイプを作らせるのに寄与したのは確からしい

*1 現在日本でも最も見られているであろうデッキアーカイブだと思う。正確には過去に1レシピあるが no name な上に上位レシピでないため、結果を残した最古のレシピ本稿のものとなる。

エンジェルストンピィのデッキ検索一覧

私の記憶が正しければ2012年の時点で既にエンジェルストンピィは絶滅しており、私も石鍛冶の入った白スタックスという体で構築しています。そのため最初からエンジェルストンピィ村の村長だった記憶はなく、後年の発掘作業によって「ここに村があった形跡がある・このミイラを村長にしよう」と、死んでる間に村長となっていたと言った方が正確でしょう。

《地平線の梢》4枚は若すぎる

とはいえ2012年のリストもそれなりに考えた記憶があります。《秘密を掘り下げるもの》が大流行していた時期に(こいついつも流行してんな)速度負けしない《石鍛冶の神秘家》を中心に置き、ブロッカーとしてアドバンテージを取れる《未練ある魂》を採用、妨害手段を置きつつ、最後は《梅澤の十手》ゲーを行うものでした。巡り巡って最新型エンジェルストンピィのベースとなります。

2010年代前半を象徴する2枚

2. モダホラ2ショック

まさかの親和がフューチャーされた事で、モダホラ2では《ウルザの物語》を始めとした茶単パーツに多く恵まれました。親和ユーザーでもある私はスポイラー時期から身内相手に擦っていたのですが《溶融》や《静寂》等で弾け飛ぶ性質に限界を感じていたところ《永久のドラゴン》を発見。打ち消されない4/4飛行がURデルバーに対してカウンターとなり、サーガという超強力なミシュランを得た今ならばと、久しぶりに白スタックスの構築を開始しました。

白スタックスの新規パーツが出てくるとは思わなかった

以下が当時のリストです。
ザ・最初期というべき4枚積みには美意識すら覗えます。

《煙突》3枚に《ハルマゲドン》4枚はクラシックだ

結論から言って環境の速度について行けませんでした。

1マナ3/3飛行、2マナ8/8飛行が基準の環境において《煙突》や《大いなる創造者、カーン》は遅すぎるし、ラガバンの宝物で煙突を維持された際にはオーコに傷つけられた傷跡から血が噴出しました。ヘヴィコントロールに対してはそれなりに戦えそうなものの、ラガバンにヘヴィコントロールが倒されている以上、この戦略は選択すべきではないと判断しました。

3. ガンダム、大地に立つ

タコ殴りにされた中にも収穫がありました。
2021年の《悪斬の天使》と《永久のドラゴン》です。

レガシーで5マナ5/5を強いと言い張るか

前者は環境を席巻しているURラガバンに対して、飛行・絆魂・先制攻撃・プロテクション(ドラゴン)が無類の強さを誇っており、サイドイン後、1枚でゲームを捲って勝つ程のパワーを発揮してくれました。本当に想像の10倍くらい強かったです。間違いなくガンダムです。

そして後者は白スタックスにありがちな「26枚も入っているのに土地が詰まった」「ロックした後にフィニッシャーが足りない」を1枚で解決してくれる名脇役として活躍してくれました。一口目ですげーうまい!と飛び上がれる強さではありませんが、噛めば噛むほどうま味というか、滋養というかが体中に染み渡る強さです。4枚以外あり得ないと思います。

ここで「時代は天使とドラゴンでビートダウンだ」という天啓に導かれ休日大会に出た際のリストが以下のものです。

かなり引き締まったリストになりました

参考にしたレシピは2012年の自分であり、石鍛冶スタックスというべき構築です。エンジェルストンピィのページを見たら何か参考になるかなーと思ったら最古の結果を残したプレイヤーとして自分がいて絶句しました。《悪斬の天使》を握って休日トーナメントへ村長出陣。

結果はまさかの4-1!村長の帰還である。

一度盤面に降り立ってしまえば最新のヒールたちを叩き斬る(*1)白い悪魔こと《悪斬の天使》の姿に震えました。やはり悪斬は格が違った。リストも非常に整っておりエンジェルストンピィのお手本のような美しさがあります。

*1 チャネラーは攻撃強制で突っ込んでくるし《濁浪の執政》はプロテクションが効くので2体並ばない限りはダメージレースに勝つことが出来る。

4.《悪斬の天使》vs《孤独》

悪斬に手応えを感じつつも、序盤のクロックに押し切られて敗北する「悪斬抱え落ち現象」も発生していました。特にURデルバーのブン回りには土地を並べているだけでゲームが終了する事もままあり、それが《虚空の杯》に引っかからない《剣を鋤に》こと《孤独》をフル投入した上部のリストへ繋がる訳です。

モダンではお馴染みの組み合わせ

これだけ《悪斬の天使》を推しておきながら最新のリストからは抜けているのか?と思われそうですが、今回の神決は《孤独》の試用も兼ねていたのでした。結果的にエンジェルストンピィでは同程度のカードパワーだったな、と思います。特にURデルバーに対して劣勢をひっくり返す力で言えば、悪斬が遥かに上回っていると言えます。

何より一度は2021年の悪斬ゲーを体感して欲しい、脳のいけない部分が刺激されるので。

5. 神挑戦者決定戦

結果は5-1-1ラインで敗北してTOP8進出ならず……と悔しいにせよ、200人規模の大会でエンジェルストンピィが残した戦績としては上々だし、鳥獣跋扈するレガシーにおいて有効なアーキタイプの一つであると証明出来のではないかと思います。

R1 デルバー ○☓○
R2 ショーテル ☓○○
R3 バント土地単 ☓○○
R4 GWデプス ○☓-
R5 デルバー ☓☓
R6 4Cゼニス ☓○○
R7 ペインター ☓○○
R8 感染 ☓☓

後半は疲れからかしょうもないミスをして負けたものの、きちんとトップメタを切れているあたり構築自体は成功していた気がします。

最後に村長より

村を焼かれ、全国各地に散り、地に伏し時を待ってきた(5名くらいの)エンジェルストンピィ村の村民に告ぐ。猿がそこら中で暴れまわり環境が不健全・偏向していると言われている今こそ我らが好機。不当を咎め、白い悪魔を握り、アルマゲドンの鉄槌を叩きつけてやれ!!

村長ぶってみましたが、このアーキタイプが「ローグアグロ」に統合されずに現存しているのは使い続ける全国のプレイヤーの成果でしょう。例えば名古屋に白エルドラージ的構築の使い手がいるらしく、コンスタントに結果を残していました。

村民・新規村民の皆皆様方におかれましては是非ともエンジェルストンピィを使って大規模トーナメントで結果を残して欲しい。最初にレールを引き、可能性を示すまでが村長の使命なのだから……(村長に戻る)

という訳で久しぶりにMTGのブログを書きました。DiaryNoteと異なって画像を挿入出来るのが斬新に感じました。MTGのブログでテキスト以外のメディアを利用できる日が来るとは。

本来は詳細なマッチアップやプレイングまで書き切る予定でしたが、余りにも読んで価値を得られる人が少なそうな割にサイドボード後や先手後手にゲームプランが変わるという面倒臭さがあるので今回はこの辺りで。因みにマッチアップで有利だと思われるのはANTくらいなので、勝つには運用でカバーするしかないです。

それではまた!

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