見出し画像

格闘ゲームの読み解き方-前編-

https://note.com/mzn0427/n/n5fa97e33e4cd

 格闘ゲームとはどんなゲームなのか。の記事を元に書いています。

 格闘ゲームは崩しとその崩しの妨害によってダメージが発生し、勝敗が決まるゲームである。
どうやってダメージを発生させて勝つのか。
それはボタンを押したり決められた順序で移動キーを動かしてからボタンを押したりしたらでる「技」が原因となっている。

 そして技にはいろいろな性質を持たせるための要素が含まれている。
とりあえず今回の話を理解するために必要な要素について解説する。
・技には攻撃判定がついていて、それを相手のくらい判定にあてるとダメージが発生する

画像1

(これは、本来見ることのできない攻撃判定やくらい判定を可視化したもの。この青いのがくらい判定で、赤いのが攻撃判定。キャラの行動によってその二つは位置や大きさが変わる。)

・技には発生(フレーム)という要素が含まれている。
これはボタンを押したりコマンドを完成させてからボタンを押したりしてから攻撃判定が出るまでの時間を示している。

・技には持続という要素が含まれている。
これは攻撃判定が出てから攻撃判定が出るのが終わるまでの時間を示している。

・技には硬直という要素が含まれている。
これは攻撃判定が出るのが終わってから、次の行動に移るまでの時間を指している。この硬直の間はガードをすることもできない。

・発展的な内容としてこの3つを足して全体F(フレーム)と呼ばれている。F(フレーム)とはそれらの時間をあらわすときに使われる単位で1/60秒のことを指している。

 ではこれらの知識をもとに、ダメージが発生した状況について
3つに場合分けを行う。

 1つ目が攻撃判定を相手のくらい判定に”当て”ることによってダメージが発生した状況。その原因を格闘ゲームでは「あて」と呼ばれることが多い。

 この”あて”はなにがしかの手段によって邪魔をされなければ、本来ダメージが発生しない状況である「ガードを相手が選ぶ」という状況であってもダメージを発生させることができる。
故に「あて」の最終目標は”相手が邪魔をしなくなった状況で投げること”である。だが「あて」を行うには”相手に近づいて”から”技を出す”必要があるため、相手に近づくためにかかった時間分のロスが生じる
これによって対の択が生まれる。

 2つ目は持続時間中に相手が攻撃判定の中に存在してるだろうと予想して技を出して当たった状況。
その原因が「置き」である。
「置き」で技を出した場合、相手に近づいたりする必要がないため
「あて」が当たるよりも先に自分の技が当たる。
だから「置き」は「あて」に勝つことができる。

 3つ目は相手が技を「置いて」いたならば当然硬直の分だけガードをすることができない時間が生まれるし、場合によっては技を「置いた」相手のくらい判定が伸びていることもあるので、その時間の間に自分の攻撃判定をくらい判定にあてた状況。
その状況の原因を「差し替えし」と呼ぶ

 この3つの「3すくみ」となっているのだが、上記の発生と移動時間による関係性だけでは「3すくみ」と呼ぶには少し説明が不足している。

それは「差し替えし」と「あて」の関係性だ。
あて<置き<差し替えしまでは説明されたものの
差し替えし<あての関係性はどう説明するのか。

ここで登場するのが格闘ゲームにおける大原則の
「人間は予想していないことに対する反応は遅れる」ということである。

例えば電車で座っているときに隣の人に急にビンタされた場合
それに対して反応して正しい対応をとることはできないだろう。
人によってはびっくりしてそのあと落ち着いて左のほほを差し出すことすらできない。
だが「隣の人は急にビンタをしてくるぞ」という予想を立てていれば
ビンタしてきそうな姿勢になった瞬間チョークスリーパーを決めることができるはずだ。

 故に「置き」に対する「差し替えし」を狙っているときは
”相手が置きを行う”と予想してそれに反応ができるように意識を向けている。
そんなときに相手が「あて」を狙って急に素早く近づいて攻撃を当てに来たら正しい対応をとることはできない。つまり「あて」の成立条件である”相手が邪魔をしない”ということが成り立ってしまうのだ。

以上で攻撃が当たった状況とその原因についての話は終わりとなる。
原因は分かった。ではどうやって原因を生み出すのか。
それについての話はまた次回とする。

続き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?