時間は存在しない

カルロ・ロヴェッリ, "時間は存在しない", NHK出版, 2019.

物理と物語が織り交ぜられた、理論物理学者の書いた時間に関するエッセイ。量子力学の理論的な解説と、過去の物理学者や哲学者の物語が細かく重ねられながら、時間にまつわる解説が続く。そんなにやさしい話ではない。

この本は第3部から構成されていて、第1部では"直感的な"時間の特徴
1. 時間の流れは変化しないこと
2. 時間は過去から未来へ一方通行に変化すること
3. 時間は連続的に流れていること
が、実際は存在しないということが示されていく。

第2部では、実は物理的な事象?は相互作用によって生み出されており、物ではなく出来事から世の中は構成されているということが示される。つまり、時間は特別な変数ではない。

第3部では、それでも人が時間を感じるのは、その相互作用する範囲が狭いために自ら「時間という感覚」を生み出しているだけであるという話になる。

たぶんこういう解釈なんだと思うが、色々と周辺知識が足りずに難しかった。関係ないけども、タイトルは "Natural Gradient Works Efficiently in Learning" みたいな感じがした。数理系の人たちはこういうタイトルが好きなんだろうか。


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