【最終発表】おやすみレニーの一部歌詞がブックレットに記載されていないのは何故か?

他曲で同様に歌詞記載がないものといえば。
台詞、語り、コーラスは除き、主旋律を日本語で歌っている箇所だけ。メジャーデビュー後のSound Horizon名義の盤のみ。とすると、

「お帰りの船賃でしたらご心配なく〜けれども彼は此処でさよなら」

くらいではないか。
(つまり実はエリ組ではJimangはブックレット上歌唱をしていない)

『エルの天秤』は仮面の男アビスが金のために犯罪に手を染め、復讐されて死に至るまでの物語を描いている。
アビスが金を求めるのは最愛の娘エルの治療費やプレゼントの為だろう。
しかしそのために罪を犯していることはエルには知られたくないだろうし、無垢なエルは知らなかったと思われる。

『おやすみレニー』と共通点を探して対応させると、歌詞表記がない理由は、
①子(エル/レニー)視点とすれば→「子の知らない親の行動」
②親(アビス/ケイト)視点とすれば→「後ろ暗いことを子供に知られたくない親心」
の表現と考えられる。

②の場合、殺人と盗み聞きを並べるのはやや強引かもしれない。
私はエリ組は「エル」の救いのために別人格「本当は知っているエル」が紡いだ絵本だという解釈をしているので、今回は①の説を推したい。
すると『おやすみレニー』もレニーによるレニーのための物語であるという解釈の余地が出てくる。

レニーにおやすみを告げるというケイトの提案はブックレットに書かれていないので、レニーの預かり知らぬところであると読める。
つまりハロウィンを楽しみたいというレニーの望みが『永遠のハロウィン』ルートへ、息子の死にけじめをつけたいケイトの望みが『レニーのいた季節』ルートへ繋がるということ。

といっても、おやすみを告げた右ルートではレニーからと思われる「ありがとう みんな大好きだよっ!」という返答があるので、彼も長いことハロウィンを満喫して、ようやく終わりを受け入れられたのだと信じたい。
秘密として予想されるのは屋根裏部屋のぼろぼろのシーツである。
つまり、ジョニーとレニーが勝手にハロウィンの準備をして参加するのが秘密ということだ。
医者から健康上の理由で不参加を勧告されたため、子ども2人で無理にやったと予想できる。

その場合、ケイトは実はその秘密に気付けておらず、嘘だから歌詞カードに載っていないのではないか。
誰のことも恨まないと決めたケイトは、自身が秘密に気付いていて参加を許したのだと、自らに言い聞かせているのだ。
「おやレニの歌詞について」
私は、ケイトが「誰のことも恨まない」と決めたから、その理由になってしまう「ママは何でもお見通し」を消したのではないかと考えています。
あの一文がなければ、読み手は誰がレニーをハロウィンに誘ったか予想はついてもわからない。ジョニーが誘った事実がないものとなれば、ジョニーを恨む必要がなくなるのではないでしょうか。
私は、歌詞カードの記載=登場人物達が居なくなった後も地平線に何らかの形で残るものと考えています。Chronicleなら歴史が、イベリアなら伝承が、Märchenなら童話が…というように。私達が音としてしか残らない歌や台詞を聴くことが出来るのは「地平線の旅人」であり、その人物達が居たその「時」と「場所」を選んで何度も巡る事が出来るからと。
「おやすみレニー」のメロディをアレンジしたボナトラ曲は、「レニーがいた季節」。「おやすみレニー」は、自分達とレニーが共に過ごしたかけがえのない日々の記録であり、Livermore一家が“確かに其処で生きていた証”として、恨み事を残すよりも、今も何処かでハロウィンを続けるレニーが出会うかもしれない誰かへ向けるメッセージの方が相応しいとケイトは考えたのかもしれないと思っています。

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表記の無い歌詞について。あれはあの歌詞の通り『秘密』だから証拠になる文字にはなってない。けれどケイトには『お見通し』だったからこそその情景を歌えたのであの表現になったのではと考えます。また物語のページの外側からの観測や改竄を受けることの無い部分でもあるのではと思います。ケイトは自分たちの物語を観測している上位者が存在している事を識っているかのような言葉の投げかけを最後にこちらにしています。ページの外側を明確に意識した表現でもあり、歴代のマキシと同じく「口伝」を踏襲している部分でもあると思います。
レニーとジョニーが屋根裏部屋(レニーの部屋、もしくは親には内緒の秘密基地的場所)で何か計画していたことを、部屋の外から聞こえるはしゃぎ声から察してはいるけれど、子煩悩な母親であるケイトはレニーのために表向きは知らないふりしているのだと思います。朝ハロの「屋根裏部屋の秘密」はレニーとジョニーがしていたハロウィンの計画のこと。おやレニ最後の台詞で第四の壁を破ってこちらに語りかけているので、歌詞カードに干渉することもできるのかな、と。
おやレニの一部歌詞がブックレットにない件について、n番煎じかとは思うのですが「ケイトさんが気付いておらず、レニーの死後、自分に言い聞かせるようにあの時点では気付いていたんだよと記憶を改竄するため」だと思っています。
その後の歌詞に「あんなに楽しみにしてた最初のハロウィンだから散々考えて参加を許したわ」の部分も、レニーはもしかしたらこっそり参加したからケイトさんは後から知ったのかなと
該当歌詞↓
それから ジョニーと二人
何を 企んでたの?
秘密にしてた つもりでしょう?
でも ママは 何でも お見通しよ

この「秘密」の部分、ハロパでケイトは左手を腰に添えて右手人差し指を立てながら流すような動きで口にあてる振り付けをしてるんですが、
朝ハロでハロナイも同じ振り付けをする箇所があります。
Aメロ「屋根裏部屋の秘密」です。

この繋がりから、レニーとジョニーがハロウィンに参加する計画を練っていた場所は屋根裏部屋だったのではと推察できます。

SH世界で『屋根裏』は不穏ワードですが、
不穏たる所以は"外界との隔絶"が原因による事件の深刻さを招いてる為で、
それこそ『屋根裏』には"外界との隔絶"の意味を込めていると考えられます。

隔たりを強調した演出が「歌詞を記載しない」事だったのではないか、
これが当方の考えになります。
ここで言われる「一部歌詞」はナレーションや台詞を除いた「それからジョニーと二人何を企んでたの?秘密にしてたつもりでしょ?でもママは全部お見通しよ」の部分として考えました。
また、通常版の歌詞カードを元に考えています。

結論から言うと、「ケイトの忘れたい記憶だから」書かれていないのではないかと思います。

『おやすみレニー』は、一貫してケイトの視点で歌われています。

曲の冒頭と、歌詞が記載されていない部分の後(「初めてのハロウィン~」の直前)に、同じような音がしているように感じます。バイオリンでしょうか?私は楽器には詳しくないのですが、木製のドアを開閉する音に聞こえました。

そこで私は、“ドア音~ドア音 = 忘れたい記憶(閉じ込めた記憶) = 事実”かなと考えました。

話は少し変わりますが、
仕送りの件から
『星の綺麗な夜』の「いつ死んだっていい そう思って生きてきた【流浪の男】」をケイトの兄だとします。
兄は、恋人が妊娠した矢先に破落戸の《野心家》に殺されていると思われます。

レニーの初めての友達であるジョニーの姓はLivermoreで、「お母さんと二人で住んで」いる、そう聞いたケイトは、姓が同じであることを、「神様って素敵じゃない?」と「この時は」思っていたようです。
「この時は」ということは、後でお兄さんのことを人づてなどで聞いたのかな、と思いました。

ジョニーは兄の子なのか、それとも兄を殺した男の子なのか。
「アナタを絶対に幸せにする」と言っていたケイトは、“兄を殺した男の子ども”に自分の子どもが害されることを恐れたかもしれません。

ケイトは実際にはハロウィンの夜に遊びに行くことを許可しなかったのではないでしょうか。初めての友達と楽しそうに話していたことを知りながら、自分の感情を押し付けて。

寝込み苦しむ我が子の顔を見ながら、せめて楽しい思い出を作らせてあげればよかったと後悔し、自身の記憶を閉じ込め捏造したのではないかと思います。
おやすみレニーの一部歌詞がブックレットに記載されていないのは何故?
→レニーが「秘密にしてたつもり」のジョニーとの企みについて触れている歌詞だったので、「お見通しであるけれども暴くことはしない」「自分が知っていることをレニーに悟らせない」という意味で歌詞が記載されていないのだと思っていました!
端的に意味合いを分析した場合、一番のキモはJohnnyとの企み「秘密」とはなにかがもっとも重要な部分と言えよう。「ハロウィンと夜の物語」を俯瞰した場合に該当する「秘密」として最も至近距離にあるのは「朝までハロウィン」の冒頭にある「屋根裏部屋の秘密」ではなかろうか。双方の歌詞を分析すると、次のような秘密が予想できる。「両親又は医師からは健康面への配慮からHalloweenへの参加を最小限にするようにLennyは要請されたが、Johnnyと2人でWill O’ the Wispの仮装の準備を秘密裏に行い、Halloweenの行程すべてに参加することを試みたこと」である。論拠としては、「おやすみレニー」において「誰のことも恨まない」の対象に「≪友達Johnny≫」が候補に入っていることだ。自然に歌詞を拾っただけだと、「息子を気軽にあだ名で呼ぶ初めての友達」を恨むことの意味合いが見えて来ない。しかしながら、ここで前説の仮定を踏まえると、余命宣告された息子を秘密裏に参加させ、結果的にHalloweenの行程中の頓死を招いたという背景が予想され、恨む理由が理解できる。したがって、「Johnnyと2人で企んでいた秘密」とは「両親又は医者の要請を無視してHalloweenに仮装して全行程での参加を企んでいたこと」と理解できる。
秘密の内容を理解してようやく、「なぜ秘密を知っていたというCateの告白が歌詞カードに記載されていなかったのか」という分析が叶う。該当箇所の有無で得られる印象の差異とはなんであろうか。もしも無かった場合、単純にCateとSeanが参加を許したと「散々考えて参加を許したわ」の部分から推測しないだろうか。歌詞カードにない部分があるからこそ、LennyとJohnnyが秘密裏に敢行したことがわかるのだ。息子の死の全責任を夫婦で背負うという覚悟から真実を隠しているのだ。それでは、何故わざわざ歌っているのか。それは、歌詞カードを見る観測者には伝えたくなくとも、直接自らが語りかける相手には、真実を知ってほしいからだ。すなわちJohnnyである。Johnnyは自らの稚拙な行動で友人を死なせたことを必ず悔いている。それに対し、実は秘密も承知のうえで、Halloweenへの参加を許していたのだとCateはJohnnyを赦しているのだ。単純に歌って歌詞に乗せた場合には、Johnnyの行動が周囲に知られてしまう。したがって、自分が直接に相対するJohnnyにのみ伝えるため、歌詞カードに載せずにCateは歌ったのだ。唯一の計算外は、観測者たるLaurantは神の視点で、歌詞カード外も観測してしまったのだが。
「ハロウィンと夜の物語」において歌と歌詞カードの不一致は「おやすみレニー」のCateの語りの他に2つある。1つは、「朝までハロウィン」の文末のLennyのものと思しき台詞であり、もう1つは、全体の最文末における『地平線の序数』についての説明である。Cateの語りを考えるのであれば、反対事象は無視できない比較対象となるが、後者はSound Horizon全体への言及の説明であり、「ハロウィンと夜の物語」単体との比較では役不足になろう。一方で、前者のLennyの台詞はあらゆる意味で適格かつ必要な比較に思われる。分析を行うと、当該歌詞が初回版の歌詞カードにしかないこと、初回版のSecret Trackの内容とLive演出はLennyの成仏を示唆することを踏まえると、「終わらないハロウィン」を終えて成仏するLennyから登場人物たちへ、自分を成仏させてくれたことへの感謝として述べていると予想される。すなわち、Laurantではなく登場人物への語りだから、歌詞カードに記載がないのである。さらに、Lenny自身はこの時点で幽霊となって成仏する時であるため、歌自体も存在しない。この観点でいうと、Cateの語りもLaurantではなく登場人物への語りかけだから記載がないのである。それでは語りかける相手は誰であろうか。用意に想像できるのはJohnnyである。「息子を気軽にあだ名で呼ぶ初めての友達」がHalloweenに誘ったことが頓死の遠因であることは想像に難くない。しかしながら、そこで自責の念に囚われることがCateとしても不本意であったため、赦しとして個人的に歌っているのだと想像できる。
おそらく多くの人が「レニーが秘密にしてたつもりの内容だからケイトも隠した」というような考察をしているだろうと思いますし、僕もそう考えているのですが、やや作品の外側からの観点になりますが「歌詞カードの“仕掛け”のバリエーション」のひとつとも感じます。
前作メルヒェンで歌詞が絵になったり歌詞カードが絵本になったりしましたが、乗せ切れなかったアイディアのひとつが「敢えての不記載」なのかなと。
ブックレットに記載されていなかったのは、「ママは何でもお見通しよ」というのが嘘であったから。

昼のジャケ絵で木の影から見守っていたように、ケイトは心配性で過保護なところがあり、病弱なレニーを友達と一緒だとしても一人で外出はさせたがらないと思う。
夜のジャケ絵にケイトがいないならば、レニーが両親に黙って出てきていたからだと考えられる。

「私達はそう決めたの」の『そう』という指示語が表すものが『誰のことも恨まない』の方だけではなく、『散々考えて参加を許した』ことも含むと読む。
つまり本来は『参加を許していなかった』。

屋根裏部屋から抜け出してこっそり参加しそのまま永遠の別れとなってしまったやり切れない現実を昇華するために、
命を縮めることも覚悟の上で我が子の希望を叶えて送り出したのだという幻想を築き上げた。
それは神もジョニーにも自分達にも許しを与える「優しい作り話」である。

因果を書き換えて望みの結末を創り上げる、とはSHにおいては神の所業である。第四の壁を越えて我々に語りかけ、介入を促すケイトは他の登場人物よりやや次元が高い存在と言えよう。

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