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「ハノイの集合住宅の火災で56人が死亡」のなぜ (閲覧はご注意ください)

※大変な大惨事で書くこともはばかられる悲しい出来事ですが、ベトナムへ来られる方への注意喚起として取り急ぎNOTEにしました。つらい気持ちになる画像が含まれるので閲覧はご注意ください。

火曜日遅く、ベトナムの首都ハノイの大規模な集合住宅で死者が出る火災が発生しました。

「地元メディアは、子供3人を含む少なくとも56人が死亡したと報じた。約70人が救助され、そのうち50人以上が負傷により入院治療を必要とした。当局者らは、殺害された人物のうち39人の身元がすでに特定されていると述べた。」

dw.com

この死者数は、ここ20年間でベトナムで発生した最悪の火災だそうです。

全部で約150人の住民が住んでいるとみられ、死亡と負傷の合計が113人と、住民の大半の人がすぐに避難できずに大きな被害になったことが伺われます。それにしても、なぜ木造でもないベトナムでこんな事になったのでしょうか。

ベトナムの家屋:どこでも鉄格子で施錠

ベトナムでは入口の門などはいかつい鉄のドアやゲートになっているのが普通です。。

青く塗っても監獄のような鉄格子が…

高層マンションの中の自宅の入り口ですら(牢屋のような)鉄格子があったりするのが普通です。最近は高級集合住宅ではその見た目の悪さもあり、控えめになってきていますが、一般向けの住居は監獄?という様相です。

また上層階でもこの頑丈さは必要?という作りの建物が多いのです。また鉄格子のドアには南京錠で施錠することが多く、中にいる人が閉じ込められて容易に開けられない状態もよく見ます。

これはダイヤルですが、鍵タイプを使うのが一般的

親が外出時に南京錠を施錠して子どもたちは外に出られない、などという状況も普通にあるのがベトナム。意味わかんないですが、これはモスクワの集合住宅でも見たことがあり、共産圏の遅れた世界観では現代でもままあるのかもしれません。

窓の外は檻のよう


日本人ならばほとんどの人は「火事や地震で逃げる経路はどうするのか?」とうのが嫌でも頭に浮かびます。


低すぎるモラル

日本でも、「ベトナム人と言えば泥棒」と思ってしまうほど、毎日のようにベトナム人の犯罪のニュースばかりになっています。ベトナムに住むと、日本と違い人々が常に警戒して生活している事がわかります。

たとえば、路上でスマホを見ていると「危ないから歩道の奥でやりなさい!」と何度注意されたかわかりません。理由は「ひったくり」。特に夜道ではスマホは光るため良い標的となります。

また、ホーチミン市では犬の散歩をしていても知らない人から「あぶないよ!犬をさらわれるから気をつけて!!」と(かなりしょっちゅう)注意されました。最近も知人が玄関前で遊んでいた愛犬が誘拐されてしまいました…。 日本では考えられないことですが、ベトナムの日常的現実です。

逃げ場のない中で

今回の火事では、地下駐車場に回った火がバイクを焼き尽くし大量の煙が出たことも大きな被害の原因となったようです。
見るからに恐ろしい風景。。。

犯人はEV?

ベトナムでは小型の電気バイクが主に学生の通学の足と使われており、駐車場で充電するのが普通で、充電中のショートや電池から火災が発生した可能性もあるのではないかと思っています。

複数の目撃者によると、1階のバイク駐車場から出火したという。数人が最上階に向かって走ったほか、近くの家の屋根に飛び降りた人もいた。火災は激しくなり、約1キロ離れたところにも煙柱が見えたという。

下の記事のコメント欄には「奇妙なことに、彼らは火災の原因についてほとんど言及しませんでした。それらのほとんどは、電動自転車のバッテリーが突然発火することによって引き起こされているとしても、私は驚かない」
というコメントが寄せられています。


こちらは問題のアパートの外観。外から鉄格子で覆われています。

火事よりもベトナム人のほうが危険ということでしょうか。

鉄格子、スプリンクラーなし、避難経路なし、で煙に巻かれたあと数分で気を失い、という状況だったのでしょう。

呆然とする人簿との中を運ばれるご遺体

繰り返す大惨事

こちらは昨年起きたカラオケバーでの火災。32名もの尊い命が失われました。カラオケバーの火災ではこれまでも繰り返し多くの犠牲者が出ているため、現在多くのこうした施設が封鎖され防火対策を要求されています。
しかし建物の構造が元々考慮されていない、ベトナム政府にも基準がなくダメ出しは出来ても解決策は誰も知らない、というような底辺現実があり停止したままの店舗が多いそうです。(これらのビジネスは中国・韓国・日本の[ビジネスマン]が現地人の名義貸し社長の体制で行っているようで、厳しくされるのは当たり前という気もします)

ベトナムに行ったら

仕事や観光で、ベトナムに行くときには是非是非、『自己責任の危険地帯』にいることを前提に、火災が起きたときのことを予想してください。怪しいカラオケバーなどに行かないのはもちろんですが、宿泊施設の安全確認を必ずしてください。

そして確認して問題がある時には躊躇せず別の場所を選ぶなど、楽観性は捨てて楽しく安全な滞在をしていただきたいと思います。


火事の問題とは別に、ベトナムは劣悪な住環境がおおく、大都市のホーチミン市やハノイでは深刻な問題となっています。

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