Naar De Maan 〜月世界に飛び出せ〜
Naar De Maan(=月へ)という題名のオランダのポップソングを紹介する。
歌ってる人たち
・オランダの歌手Maan
(=月の意もある、マーン)
・ラップグループDe Jeugd Van Tegenwoordig
(=最近の若者の意、ドゥ・ユフト・ファン・テーヘンヴォーディフ)
が2022年7月に出したコラボ楽曲だ。
両者の共作は初。
Maanは名前が月という意味だし、DJVTは代表曲がSterrenstof(=星屑)なので、コラボするなら宇宙を題材にした曲をやるしかない。
それがこちら。
歌詞と対訳
以下「*」は訳注
Naar De Maan
紳士淑女の皆さん、ようこそ、ほかならぬ
「De Jeugd Van Tegenwoordig(最近の若者)」と
星の歌姫「Maan(月)」のもとへ
僕は君に夢中、さあ行こう
君の愛は放火魔のように熱い
僕を消して、君の唇で僕を消火して
君、僕のレッグデイ*よ、スキップできないもんかな
(*脚を鍛える日のこと、Don't skip leg dayという言い回しから)
ゆるくいこう、ゲットしに行こう
君に脱ボウするよ、べらボウにね
僕がついてるぜ (*Snapの訳は不明)
君の、君の愛は
ねえ、私はもう何か月も太陽への旅行を夢見ているんだ
そしてそれは始まった、君の瞳が私の口元を見つめていると感じたときに
これは地球外的な何かになる?ここからまだ上に行ける?
私は君に、そして君の星屑に夢中なんだ
(*Sterrenstof=星屑はDJVTの代表曲)
さあ行こう、できれば今日がいいな
宙を切って一緒に輝こう
何をしようか?どこに行こうか?
時間はいくらでもある、一緒に連れて行って
だって私たちは月に行って二度と戻らないんだから
月へ
月へ、そして私は二度と戻らない
僕はとっくに荷物をまとめてあるよ
登山靴に海パン、何やら全てを
来てよ、それで全てを教えてよ
君の銀河間旅行計画のさ
電車で持続可能に行くかい?
もう列には並んでいられないよ
ぺパインくん(*=自分)は君のシグナルを待っている
僕はいつでも君と一緒に消える暇があるんだ
ねえ、私はもう何年も月への旅行を夢見ているんだ
それは君を見たとき、私の名前*が聞こえたときに生まれたんだ
これは見事な何かになる?ちょっと言わせて?
君に、そして一つ一つの文字*に恋してるんだ
(*歌手名MAANが意味する月のことか)
さあ行こう、できれば今日がいいな
宙を切って一緒に輝こう
何をしよう?どこに行こう?
時間はいくらでもある、一緒に連れて行って
だって私たちは月に行って二度と戻らないんだから
さあ行こう、できれば今日がいいな
宙を切って一緒に輝こう
何をしよう?どこに行こう?
関係ないよ、今すぐ行くもん
月に向かって、二度と戻らないんだ
俺らはいま月にいる、見てよどれほど楽しいか
重力にヒかれたりなんてしない
俺らはいい感じにはぐれて、はだけてる
今やもう遅い
さあ行こう、できれば今日がいいな(できれば今日がいい)
宙を切って一緒に輝こう
何をしよう?どこに行こう?
時間はいくらでもある、一緒に連れて行って
だって私たちは月に行って二度と戻らないんだから
さあ行こう、できれば今日がいいな
(彼らのためにに歌ってよフェゼ(*DJVTの人))
宙を切って一緒に輝こう
何をしよう?どこに行こう?
関係ないよ、今すぐ行くもん
(あっちへ、あっちへ)
月に向かって、二度と戻らないんだ
どんな荷を詰めよう?
ウーバーに乗る、走る、飛ぶ
よう、行こうぜ
おいらの雑感
MVのラストシーンでMaanはその身を燃やしながら上昇し、月に向かう。Maanが月に行くことは、文字通りスターになることであり、同時に月=Maan=自分というものを確立させることを意味するのだろう。先達DJVTに呼びかけられ、Maanはうずうずしていた気持ちに火がついて飛翔したと解釈できそうだ。そして、彼女は月ではとどまらず、もっと大きくて明るい太陽を目的地として見据えていることも、歌詞で示唆されている("ik droom […] van een tripjе naar de zon")。
上に「先達DJVT」と書いたが、事実、Maanは子供の頃にDJVTをよく聴いていて大ファンだったので、コラボを熱烈に打診したという制作背景があるという。
そういうわけで、これはほかならぬMaan自身についての歌だ。しかし、そこから離れても、より良い別世界を夢見て躍る心や、別世界に飛び出した瞬間のさわやかな解放感の描写は、魅力的に響く。バカンスシーズンにはもってこいの曲というわけだ(22年7月リリース)。
個人的には、自分が飛び出せば今すぐ別天地に行けるというニュアンスに希望を感じる。そして、二度と戻らない (nooit meer terug) と不可逆性を意識してるあたりも潔くて良い。でも自分が去ろうとする地平についてネガティブなことを言うでもない、ポジティブを突き通した姿勢も気に入った。
とか書いたけど、深く考えずにただ楽しく歌って踊ればいいんだよな本当は。
今日はここまで。
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