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【エッセイ】御守り

日本人なら誰もが手にしたことがあるであろう、「御守り」

新しい1年が始まりを迎えた時、自分の健康や未来への願いが成就するように。
はたまた、誰かのことを思って、その人の笑顔や幸せを願う気持ちを込めて。

実際にどんなことを想って、何を伝えたいと願ってそれらを私たちは手にするのだろう。自分の願いだなんて、どんなに明確な願いを願ったとしても、何千何万の人たちの願いを聞いてるのだから、、、と優しいふりをして曖昧で大まかな枠組みに入れたフワッとした願いを大事に、心を込めて両手を合わせて心の中で唱える。

こんな時、明確な願いでやりたいことがあるのなら「絶対に、、成し遂げられますように!」と伝えるのか、「成し遂げられる未来に向かって、頑張って乗り越えるので、見守っててください」と伝えるのか。同じ内容だとしても、やはり何か違いがあるように感じてしまう今日この頃の私です。実際に、叶えたい目標に向けて自分の実力や現状を理解して、ちゃんと進められるマップや道のりさえ立てて、着実に進めることが出来たならきっとそれは未来を変えるだろうし、人はそれを「成長」と呼ぶのだろう。
そんなことを、急いで焦って、自分の現状に嘆いて自分の立ち位置や居場所さえ見えなくて全ての自己肯定感がすり減ってしまう時もあるけれど。それを乗り越えられる心の強さもきっと、大人になるために必要なことなのだろうなと思う金曜日の夜を迎えています。

さて、御守りの話に戻ると

母と電話で話した時にポストで届いてると思うよ。と伝えられた日の夕方。
ポストには茶色の四角い封筒が入っていた。なんか、CDとか送るそういうやつらしい笑 見慣れた優しい文字に、少し心が緩むのを感じた。

家に帰り着いて、封筒を開けると祖父と私向けの小さな封筒。ミニサイズ。
「名前へ」と書かれた文字に、あぁ手書きっていいなと年頃でもないようなことを思いながら、小さく貼られたシールを丁寧に剥がす。

中には、誕生日だからと気を遣ってくれたお金。あと、桜色をした御守りが入っていた。

その御守りはとても小さくて可愛らしいサイズで、元々手が小さな私でも片手で包み込めるような大きさだった。上品な桜の刺繍があって、優しいピンクのカラーに、なんだか母からの愛と心の温かさを感じた。それから、その御守りを両手で丁寧に持っては、デザインを見たり、小さいなぁ良いサイズだなぁとじっくり見た。きっと色々見た中で、「これにしよう!」というのがあって決めてくれたんだろう。まず、そういう場所に行って私を思い出してくれた事実が嬉しいなぁと感じながら口元が少し緩んでいる私がいた。

その小さくて上品な桜色の御守りを握りしめながら、
これまでの日々や、なりたい自分の姿、それまでの距離が離れすぎて現実的に思えなくて劣等感で押し潰されそうになっては頑張って笑おうとする姿。
色々なシーンが走馬灯のように脳内を駆け抜けた。

いつもの部屋の中で、いつもの椅子の上で、
いつもと違うことは
手の中には、小さな小さな御守りが優しくいたことくらいで
たったそれだけ、いつもと違うくらいなのに

涙が溢れて両頬を伝っていることに気づいた。

同じ御守りのはずなのに。見慣れた存在であるはずなのに。
なんだか、この手にあるものは何かが違っていて、心をぎゅっと抱きしめられているような、そんな感覚を感じた。あーーこれを書きながらまた左目から溢れて服が濡れていく。まぁ、乾けばいいや。

誰かを願って、幸せを願って、
未来を描いて、その人がその人らしくありますように、と。
そんな純粋な想いだけじゃなくて、愛情を感じるということは、なんと幸せなことなのかと感じる。好きなものがあって、それをいいね!と同じくらい喜んでくれて、辛い時は「当たり前」や「頑張れてない」に含まれた、目に見えない「偉いね」と「頑張ったね」を言葉で伝えてくれる。

そんなところに救われては、前を向いて一歩だけ頑張ってみようかなに繋がっているんだと思う。その度に、家族でいれてよかったなと思うと同時に頑張って見たことのない景色を見せられるような大人になりたいな、と子供ながらに思う。願わくば、その未来で笑ってくれたらいいなと思う。

年を重ねるまであと少しだが、苦しくても現状に満足いかなくても、
きっとそれでも小さな楽しいや幸せを少しずつ紡いで、楽しむしかないんだと思う。誰かが、「しんどい時は、未来で笑えるための伏線だ、人生はドラマなんだ」とかなんとか言ってた気がする。捉え方は、まぁ人それぞれだとは思うけれども。でも、最終的にはさ、
「悪くないな、むしろ面白かったな」で締めくくれたらいいな。

これから先、どんな景色が待ってるんだろうね。
漫画の主人公のように強くはないし、
でも、君を見るたびにたくさん咲いてる桜の花が私を見守ってるんだろう。

「晴れの日には枝を伸ばして、雨の日には根を伸ばす」
どこかで見た言葉が脳内をよぎる。

少し先の未来、ずっと先の未来
笑ってるかな、少し頑張った笑顔かな。それともクシャクシャな顔かな。
それでも、春が来た時には今度は最高な顔で握りしめてあげる
そんな未来。

不器用だし時間はかかるかもしれないけど、

きっと作ってみせるから、待っててね。

2023/04/14
たまにはハーゲンダッツでも美味しいアイス食べようか企んでるトランプ兵より


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